なんで、朝って来るんだろう。

朝はスッキリする。朝は希望に満ちている。

そんなの、誰が決めたんだろう。
朝なんて、憂鬱でしかないのに。

朝の光がカーテンの隙間から漏れて自己主張を強めている。


朝なんて、大っ嫌いだ。


ずっと、夜のままでいい。
ずっと、1人のままでいい。
ずっと、始まらなくていい。

朝が来て、その光に包まれるなんて、そんなこと、永遠にないのだから。

鏡を見ると、目には光が映っているように見える。

だけど、私には真っ暗だった。

いや、正確に言うと見えてはいる。
だけど、脳が拒否しているのだ。
その光を見たくない、と。

ずっと、ずっとそうだった。
私の目の前の空間は、いつだって真っ暗だった。

カーテンを開けても、光は差し込まない。

誰も、何も、私の暗闇を晴らしてはくれない。

ならいっそ、光なんてなければいい。
朝なんて、来なければいい。

だけど、いつもいつも残酷な神様は朝を消してくれはしない。
いつだって、神様は残酷なことをする。
幸福なんて与えてくれない。
ただ高みの見物をして苦しむ人を嘲笑っているだけの存在。

全てが終わったあの日から、ずっとそうだった。