単刀直入に言うと、私はいじめられている。
最初は陰口だけだった。目の前で悪口言われるのだって別に平気だったけれど、最近は体にまで影響がある。
けれど、もう痛いなんて感じなくなった。
無表情で、無感情。それが中学生3年生の”私”。
そして、そのことからいじめられやすい。標的にしやすいのだろう。噂はどんどん大きくなって広がり、学年1モテる男子の隠れストーカーだとか、裏ではヤバいことをしているだとか、そんな噂まである。
けれどこれはほんとに噂でしかなくて、実際の私は恋もしてないし、少し貧乏であり父親がいないということ以外は普通の女子中学生。
……あぁ、行きたくないなぁ。
何度も何度も思う。
1歩だって入りたくない。というか、クラスメイトに会いたくない。クラスメイトは全員、私の敵なのだから。
主犯の人も嫌いだけれど、見て見ぬふりをする人たちはもっと嫌いだった。自分が標的にされることが怖くて何も出来ない人達。だから見て見ぬふりをすることで逃れようとしている。
なんでそんなに臆病なの?
私は何か悪い事をしたの?
ねぇ、教えてよ。
もう精神はボロボロで、糸1本で繋がっているような状態。いつこれが切れてもおかしくなかった。だけど自分でもどんな時に切れるのか、分からない。
未来のことなんか、真っ暗で分からない。ずっと闇の中にいる私。だれもこの暗闇に光をさすことは出来ないから。
だから、大嫌い。
全部が、大嫌い。
未来が、大嫌い。
学校が、大嫌い。
クラスメイトが、大嫌い。
だけど1番、自分のことが大嫌い。
正門の前で、自然と足は止まってしまう。
入りたくなかった。だけど、入らなければいけないから。
私は学校へ足を踏み入れた。