──────仕事終わり。
「お疲れ様、藍川さん!」
「藍川さん、災難だったね〜!」
出入り口を出てすぐ、同僚の、
沖田さんと、澤井さんに声をかけられた。
「あ、沖田さん、澤井さん、お疲れ様です、」
沖田さんと澤井さんは、
会社で私より、女の人で1年先輩。
特別仲良いわけじゃないけど、
挨拶はする程度の仲だ。
だから、
挨拶したし、帰ろうとしたとき............
「あ!そういえば!」
沖田さんがポンッと手のひらと、
グーを合わせるようにして叩いた。
驚いて、何かと思って沖田さんを見た瞬間。
「志羽」
沖田さんの背中より奥から、
私の名前を呼んで歩いてくる男の子。