周りにひと言、〝助けて〟と。



そう口にすることすら出来ない。



..................ううん。口にすることが〝怖い〟



だから...........................



「ねぇー!聞いてんの?田島さん」

「そうそう。あんたがキレイにしないと、
私たちが怒られるんだからねー!」

「私たちが怒られないような掃除よろー!」



少し返事をしないだけでも、
飛んでくる身勝手な言葉の数々。



(怒られるのが怖いなら、
自分たちでやればいいのに............っ、)



そう心の中で思っても口には出せなくって。



「が、頑張って、掃除、します、」



私は女の子たちに向かってそう言うと。



いつも通り、
──────代わりに掃除をした。