「忘れないで…か。」
チカは自分のことのように真剣にこの夢の出来事について考えてくれていた。
「もしかすると冷は、何かを忘れてるんじゃなくて、忘れたがってるんじゃないのかな?」
「忘れたがってる、かぁ」
私はもう一度だけ夢の中のことを思い出してみる。
夢の中の私は幼かった。
そう考えるときっとその歳くらいの出来事を私は忘れてしまっているのだろうか?
だから夢の中で幼い私が、今の私に伝えている…。
そう考えるとチカの言うことはたしかに正しいのかもしれない、と思う。
所詮、夢の中の話だ。
そこまで深く考えることではないのかもしれないけれど、それでも私は暖の夢が気になって仕方ないのだ。
「うん、ちょっと考えてみる。チカありがとね」
と返すとチカは「このチカ様だからね、いつでも頼って!」とふふんと鼻をならしている。
「それは言いすぎ」と笑うとチカが、ばかにしてるでしょ!と怒ってくる。
私たちはそんな他愛もない会話をしながら学校へと向かった。
校門を通るときに息が苦しくならないのは久々で、こんな日がくることもあるんだなと心が晴れやかになる。
「冷、それにチカちゃん、おはよう」
教室に行くと、いつも通りに微笑んでいる暖がいて
なぜだかそれだけで無性に安心してしまう。
「暖、おはよう」
「おはよー暖くん」
あれ、チカの対応が昨日とは全然違うのが分かる。
冷めているというか、なんと言うか…。
私はチカに顔を近づけて耳打ちする。
「ねぇ…なんか暖に冷たくない?」
そう言うと「だって私別に暖くんに興味ないもん」と普通に返されてしまう。
「それに嫉妬されたら嫌だしね〜」とくすくすと笑うチカに茶化さないでよ…!と周りには聞こえないように叱った。
チカは自分のことのように真剣にこの夢の出来事について考えてくれていた。
「もしかすると冷は、何かを忘れてるんじゃなくて、忘れたがってるんじゃないのかな?」
「忘れたがってる、かぁ」
私はもう一度だけ夢の中のことを思い出してみる。
夢の中の私は幼かった。
そう考えるときっとその歳くらいの出来事を私は忘れてしまっているのだろうか?
だから夢の中で幼い私が、今の私に伝えている…。
そう考えるとチカの言うことはたしかに正しいのかもしれない、と思う。
所詮、夢の中の話だ。
そこまで深く考えることではないのかもしれないけれど、それでも私は暖の夢が気になって仕方ないのだ。
「うん、ちょっと考えてみる。チカありがとね」
と返すとチカは「このチカ様だからね、いつでも頼って!」とふふんと鼻をならしている。
「それは言いすぎ」と笑うとチカが、ばかにしてるでしょ!と怒ってくる。
私たちはそんな他愛もない会話をしながら学校へと向かった。
校門を通るときに息が苦しくならないのは久々で、こんな日がくることもあるんだなと心が晴れやかになる。
「冷、それにチカちゃん、おはよう」
教室に行くと、いつも通りに微笑んでいる暖がいて
なぜだかそれだけで無性に安心してしまう。
「暖、おはよう」
「おはよー暖くん」
あれ、チカの対応が昨日とは全然違うのが分かる。
冷めているというか、なんと言うか…。
私はチカに顔を近づけて耳打ちする。
「ねぇ…なんか暖に冷たくない?」
そう言うと「だって私別に暖くんに興味ないもん」と普通に返されてしまう。
「それに嫉妬されたら嫌だしね〜」とくすくすと笑うチカに茶化さないでよ…!と周りには聞こえないように叱った。