ヒイロ先輩と距離を置いてから、一週間と数日。けれどヒイロ先輩の痛々しい笑顔は、頭から離れない。むしろ、私の頭に頑固にへばりついている。無理してなければ良いけど。
 しかし、私は無理せざる得ない状況だ。ユウキに告白した事がいつの間にか、クラスに知れ渡ってしまっていたから。陰口なんて当たり前。それが私の日常。《アマネの奴、頭が高いよね。》女子トイレでそう言われてしまう。《ユウキの優しさに甘えているんだね。アマネだけに。》面白くもなんともない、その言葉に笑いが起きる。はっきり言ってしまえば、辛い。自分の気持ちを言っただけなのに。好意を伝えるのは、そんなにも悪い事だっただろうか?《死にたい》そんな気持ちが強くなる。けど学校(ここ)で死んでしまえば、またヒイロに見つかってしまうかも知れない。その姿をクラスの人に見られたら、こんどは《男たらし》などと散々言われることだろう。私の死に場所は何処だろう。