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3日後――。

~ダンジョン・メインフロア~

「お疲れ様、アーサー君。無事合格したみたいね。これで今日から“天Bランク”ハンターよ。おめでとう」
「ありがとうございます、リリアさん!」

 天Bランクへの昇格テストを受けたアーサー達は見事合格。
 個人のハンターランクと共に、ギルド『円卓の団』も晴れて天Bランクのギルドとなった。

「どうすれば実感というものを得る事が出来るのだろうか……」
 
 自分が遂に天Bランクのハンターにまでなってしまったアーサーは、ここ最近の出来事を走馬灯のように思い出しながらしみじみと言葉を漏らした。

「モルナが天Bランクなんてマジやば☆」
「大きな問題もなく上がる事が出来て何よりです」
「やっぱアーサー様の召喚スキルの力のお陰ね! モルナのアーティファクトも全部エルフシリーズになっちゃったし!」


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モルナ・ギャルケモノ

【スキル】会計士(D):Lv31
・会計力:200(Lv1ごとに会計処理速度が上がる)
・経営力:150(Lv1ごとに経営力が上がる)
・スキルP:2,800

【アーティファクト】
・スロット1:『エルフソード(B):Lv9』
・スロット2:『エルフの草冠(B):Lv9』
・スロット3:『エルフの羽(B):Lv9』
・スロット4:『エルフの腕輪(B):Lv9』
・スロット5:『エルフアンクル(B):Lv9』

【能力値】
・ATK:51『+7600』
・DEF:48『+3800』
・SPD:66『+3800』
・MP:12『+3800』

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 この3日間でモルナのアーティファクトも全てがBランクの最上物であるエルフシリーズとなった。アーサーのスキルでは現状Bランク召喚までしか出来ないが、その代わりに全てのアーティファクトがレベルMAXとなり、ステータス値が過去最高に達している。

 それは勿論アーサーとシェリルも同様だ。

「未だに見るだけで足が震えるの数値だな……。でも今の僕が上げられるのはここまで。確かに十分だけど、更に上の神Sランクを目指すなら、やっぱ召喚スキルを次の段階にしないといけない……」


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アーサー・リルガーデン

【スキル】召喚士(B): Lv38
・アーティファクト召喚(30/25+5)
・ランクアップ召喚(10/10)
・スキルP:1,017

【サブスキル】
・召喚士の心得(召喚回数+5)

【装備アーティファクト】
・スロット1:『エルフソード(B):Lv3』
・スロット2:『エルフの草冠(B):Lv3』
・スロット3:『エルフの羽(B):Lv3』
・スロット4:『エルフの腕輪(B):Lv3』
・スロット5:『エルフアンクル(B):Lv3』

【能力値】
・ATK:15『+5200』
・DEF:18『+2600』
・SPD:21『+2600』
・MP:25『+2600』

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 アーティファクトの存在価値は凄い物だと重々承知していたアーサーであったが、自分の基礎能力値と比べるとよりアーティファクトの強さが引き立つ。アーティファクトはダンジョンのモンスターを倒す力であるが、この力は最早1つの王国や世界を脅かすのには十分過ぎる程の兵力でもあるなと思うアーサーであった。

「そうですね。神Sランクに上がるにはもっとレベルを上げないといけませんが、天Bランクに上がった今、まずはフロア70~79を攻略してその先のボスを倒さなければ」
「確かにシェリルの言う通りだね。そう、焦っても仕方ない。今は出来る目の前の事1つ1つをこなしていこう」
「そうと決まれば早速フロア70に行っちゃいましょうアーサー様! それとも今日は一旦家に帰ってモルナとラブラブする♡?」
「ぶッ!?」

 毎日の如く食らっているモルナの“口”撃に、これまた毎日面白いように食らうアーサー。彼はハンターとしての基礎能力値は一切上がらないが、モルナのお陰で妄想力だけは日々確実に成長しているようである。

「そんなトロくせぇ事してる暇はねぇぞ――」
「「……!」」

 突如響いた1つの声。
 少し気怠そうなその乱暴な言葉は、他でもないアーサー達に飛ばされたもの。そして反射的に声のした方向へ振り向いたアーサーはそこにいた人物に驚く。

「あ、あなたはグリム……さん!? それにマリアさんも……ッ!?」

 そう。
 アーサー達の視線の先、そこには精霊の宴会のメンバーであるグリムとマリアの姿があった。

「ご無沙汰。数日振りねアーサー君、元気だったかしら。シェリルちゃんもモルナちゃんも相変わらず可愛いわね」

 おっとりとした優しい口調に、どこか気品さと強さも漂わせるマリア。顔面も然ることながらその抜群のスタイルはシェリル、モルナ、そしてリリアにも引けを取らない神Sランク。

「ご無沙汰しております」
「アーサー様、鼻の下伸びてる」
「……!?」

 そっと静かな声でモルナに注意されたアーサーがハッと我に返ると、そのすぐ隣でモルナがニヤニヤしていた。

(うわ、最悪だ。よりによってモルナに……っていうか、何でマリアさん達がここに?)

 率直に疑問に思うアーサー。だがその疑問は直ぐに氷解される事となる。

「天Bランクへの昇格おめでとう。流石ね」
「いや、全然……! 上がれたのもやっとですし、マリアさん達に追いつくにはまだまだですよ」
「そんな事ないわ。皆立派よ。これなら直ぐに“竜Aランク”にも上がれそうね」
「ハハハ、それはどうですかね……。ところでマリアさんとグリムさんは何故ここに?」

 アーサーが疑問に思っていた事を何気なく尋ねると、その答えは至極シンプルなものであった。

「遅せぇからだよ」
「え……?」

 まさかのグリムからの言葉に一瞬固まるアーサー。

 そして。

「お前らの今のペースだと間に合わねぇんだよ。魔王が復活しちまう――」
「「……!?」」

 グリムのその一言は、アーサー達の目を大きく見開かせるのだった。