俺は国王様と宰相様と向かい合い、話し合いをはじめた。
「では、ユウマ殿。どうぞ」
「はい、まず子爵の件ですね。ホムラには一応聞いたのですが、そちらが忖度したわけではないのですね?」
「ええ、まあ……100%そうかと言われると困るのですが。でも、ほぼないとは言えますね」
「わかりました。では何故です?うちは準子爵に近い男爵ではありますが、子爵までは相当な戦功や貢献がいると思うのですが」
「まあ、元々今回戦功をあげなくても、失態を犯さず生き残れば準子爵になる予定でした」
「あ、なるほど。そこまではもうきていたのですね」
「ええ、準子爵から子爵に上がった理由ですね。一つは、貴方がオークとオーガの襲撃を見事に防いだことです。おかげで!沢山の人が救われました。高位貴族の方々からも、息子や娘がいたので感謝をしたいと述べていました。お手紙が、これからくると思います」
「あ、そうなのですね。まあ、普通後方部隊といえば安全ですからね」
「ええ。正直この時点で子爵にあげても、文句はでないと思います。あのまま後方部隊がやられていたら、アクナライナはもちろん、もう一つの戦場も敗戦していたかもしれません」
どうやら俺は、自分が思っていたより凄いことをしたらしい。
あの時は、無我夢中だっただけだしな。
「でも、あくまで結果論ですよね?」
「ええ、でもそれでいいのです。戦争においては、結果が全てですから。あと極め付けは、貴方の傍付きの方ですね」
「シノブですか?そう言えば……なんか指揮官らしき人を倒したとか言ってましたね」
「そう。それなのです。あれはこちらで言えば大将クラスの指揮官だったらしく上級の魔物は消え去り、他の幹部も慌てて撤退しだしたそうです。まあ、功を焦った我が国の指揮官も亡くなりましたがね」
まあ、そもそもあの国は謎だらけだからな。
「はぁー大金星ですね」
「ええ、凄かったみたいですよ?擦り傷すら負わず眼は紅く染まり、返り血で真っ赤になった姿はまるで戦場に舞い降りた戦女神だと兵士達が言っていました」
いや、戦女神じゃなくて吸血鬼ですけどね。
というか、奥の手使ったのか。
俺が、発破をかけたからだな。
「はは、まあ相当張り切っていましたからね」
「で、その戦功は主君である貴方にいきます」
「ん?あ、そういうことですか」
「ええ。シノブさんは、我が国に仕えているわけではありませんから。貴方個人に仕えています。一応、本人にも叙勲を受けとるか確認したのですが、ユウマ殿に忠誠を誓っているのでと言われました」
「なるほど。大体は、納得が出来ました。偶々、上手くいったということですね」
「まあ、そうなりますね。こんなことは、そうは起こりませんから。では、次は少佐の件ですね。これは先程の戦功もそうですが、一番の理由は尉官クラスの人間が多く亡くなったことによるものです。なので戦功をあげ優秀な貴方を、兵士達からの推薦もあり少佐にしました」
「そんなに亡くなったのですね……その推薦した方々は?」
「ルイベ中佐をはじめとする方達ですね。貴方のことを、大層褒めていました」
「はは、照れますね。そうか、ルイベ中佐が……認めている人に認めてもらえるのは嬉しいですね」
「ええ、気持ちはよくわかります。では納得してもらいましたので、ここからは国王様お願いします」
「うむ、ユウマ。この度はよくやってくれた。礼を言うぞ」
「いえ、勿体ないお言葉です」
「相変わらず謙虚であるな。まあ、それが其方の良いところでもあるからよいか。では、実はここからが本題なのじゃ」
「え?もうお腹いっぱいなんですが」
「まあ、そう言うな。これも爵位に関係するしの。少佐にはすぐにあげても問題はないのじゃが、さすがに爵位だけは簡単にあげることはできないのじゃ」
「ええ、それはわかります。だからこそ、疑問だったのです」
「うむ、なのでまずは準子爵にあげる。そして其方に任務を与えるから、それを遂行して子爵にあげるということにする」
「なるほど。それなら、反対もされないと?」
「まあ、そういうことじゃ。形式にこだわる奴が多くてのう。困ったものじゃ」
「で、その内容は聞いてもよろしいですか?」
「うむ、ウィンドルが怪しい動きをしているのは間違いない。長きに渡り決まった時期に仕掛けてきたのに、今回仕掛けてきたのは其方の推測以外にもあると余は思っておる」
「ええ、謎の多い国ですが……それだけに不気味ですね」
「うむ。それで我が国の南に接しているエデンと、同盟を結んでおこうかと思ってな。かの国もウィンドルに接しておるので、拒んではこないと思う」
「それは……思いきりましたね。教会がうるさいのでは?」
教会は人間至上主義で、亜人国であるエデンを敵視している。
「まあ、うるさいだろうが……今の教会は信用ならないしの。だから、エデンと友好国から同盟まで格上げしようと思ってな」
「まあ、それはわかりました。俺はなにをすれば?」
「うむ。かのエデンに、書状を送る。そしてそれを公務として、ホムラに任せる。本気度が伝わるじゃろう。そこで其方には、その護衛をお願いしたいのじゃ」
「なるほど。その任務を遂行することで、子爵とするわけですね?」
「うむ、その通りじゃ。これは重大な任務じゃ。腕前、人柄、人脈があるお主なら任せられると余は思っておる。受けてくれるかのう?」
「は!もちろんです。その任務必ずや成功させてみせます」
「うむ、よい返事じゃ。では、ホムラもそれでいいかの?」
「はい、叔父様。ワタクシも、公爵令嬢として行ってまいります」
「よし、ではこの辺で終わりとしよう。ユウマも疲れたじゃろう」
「ええ、正直頭がパンクしそうです……」
「ええ、ユウマ殿。気持ちはわかります。お疲れ様でした」
「いえ、宰相様もありがとうございました」
「では団長、ワタクシはまだここに残るのでまた今度話し合いましょう」
「ああ、わかった。ホムラもお疲れさん。では、皆様失礼します」
俺はそう言って部屋を出て、近衛に出口まで案内され王城を出た。
俺は頭が痛いと思いながら、なんとか家までたどり着いた。
そして精神的に疲れ果てて、家に帰るなりベッドにダイブし意識が朦朧としてきた。
あ、なんか俺とりあえず準子爵になるみたいです。
そうして、俺は意識を失った。
「では、ユウマ殿。どうぞ」
「はい、まず子爵の件ですね。ホムラには一応聞いたのですが、そちらが忖度したわけではないのですね?」
「ええ、まあ……100%そうかと言われると困るのですが。でも、ほぼないとは言えますね」
「わかりました。では何故です?うちは準子爵に近い男爵ではありますが、子爵までは相当な戦功や貢献がいると思うのですが」
「まあ、元々今回戦功をあげなくても、失態を犯さず生き残れば準子爵になる予定でした」
「あ、なるほど。そこまではもうきていたのですね」
「ええ、準子爵から子爵に上がった理由ですね。一つは、貴方がオークとオーガの襲撃を見事に防いだことです。おかげで!沢山の人が救われました。高位貴族の方々からも、息子や娘がいたので感謝をしたいと述べていました。お手紙が、これからくると思います」
「あ、そうなのですね。まあ、普通後方部隊といえば安全ですからね」
「ええ。正直この時点で子爵にあげても、文句はでないと思います。あのまま後方部隊がやられていたら、アクナライナはもちろん、もう一つの戦場も敗戦していたかもしれません」
どうやら俺は、自分が思っていたより凄いことをしたらしい。
あの時は、無我夢中だっただけだしな。
「でも、あくまで結果論ですよね?」
「ええ、でもそれでいいのです。戦争においては、結果が全てですから。あと極め付けは、貴方の傍付きの方ですね」
「シノブですか?そう言えば……なんか指揮官らしき人を倒したとか言ってましたね」
「そう。それなのです。あれはこちらで言えば大将クラスの指揮官だったらしく上級の魔物は消え去り、他の幹部も慌てて撤退しだしたそうです。まあ、功を焦った我が国の指揮官も亡くなりましたがね」
まあ、そもそもあの国は謎だらけだからな。
「はぁー大金星ですね」
「ええ、凄かったみたいですよ?擦り傷すら負わず眼は紅く染まり、返り血で真っ赤になった姿はまるで戦場に舞い降りた戦女神だと兵士達が言っていました」
いや、戦女神じゃなくて吸血鬼ですけどね。
というか、奥の手使ったのか。
俺が、発破をかけたからだな。
「はは、まあ相当張り切っていましたからね」
「で、その戦功は主君である貴方にいきます」
「ん?あ、そういうことですか」
「ええ。シノブさんは、我が国に仕えているわけではありませんから。貴方個人に仕えています。一応、本人にも叙勲を受けとるか確認したのですが、ユウマ殿に忠誠を誓っているのでと言われました」
「なるほど。大体は、納得が出来ました。偶々、上手くいったということですね」
「まあ、そうなりますね。こんなことは、そうは起こりませんから。では、次は少佐の件ですね。これは先程の戦功もそうですが、一番の理由は尉官クラスの人間が多く亡くなったことによるものです。なので戦功をあげ優秀な貴方を、兵士達からの推薦もあり少佐にしました」
「そんなに亡くなったのですね……その推薦した方々は?」
「ルイベ中佐をはじめとする方達ですね。貴方のことを、大層褒めていました」
「はは、照れますね。そうか、ルイベ中佐が……認めている人に認めてもらえるのは嬉しいですね」
「ええ、気持ちはよくわかります。では納得してもらいましたので、ここからは国王様お願いします」
「うむ、ユウマ。この度はよくやってくれた。礼を言うぞ」
「いえ、勿体ないお言葉です」
「相変わらず謙虚であるな。まあ、それが其方の良いところでもあるからよいか。では、実はここからが本題なのじゃ」
「え?もうお腹いっぱいなんですが」
「まあ、そう言うな。これも爵位に関係するしの。少佐にはすぐにあげても問題はないのじゃが、さすがに爵位だけは簡単にあげることはできないのじゃ」
「ええ、それはわかります。だからこそ、疑問だったのです」
「うむ、なのでまずは準子爵にあげる。そして其方に任務を与えるから、それを遂行して子爵にあげるということにする」
「なるほど。それなら、反対もされないと?」
「まあ、そういうことじゃ。形式にこだわる奴が多くてのう。困ったものじゃ」
「で、その内容は聞いてもよろしいですか?」
「うむ、ウィンドルが怪しい動きをしているのは間違いない。長きに渡り決まった時期に仕掛けてきたのに、今回仕掛けてきたのは其方の推測以外にもあると余は思っておる」
「ええ、謎の多い国ですが……それだけに不気味ですね」
「うむ。それで我が国の南に接しているエデンと、同盟を結んでおこうかと思ってな。かの国もウィンドルに接しておるので、拒んではこないと思う」
「それは……思いきりましたね。教会がうるさいのでは?」
教会は人間至上主義で、亜人国であるエデンを敵視している。
「まあ、うるさいだろうが……今の教会は信用ならないしの。だから、エデンと友好国から同盟まで格上げしようと思ってな」
「まあ、それはわかりました。俺はなにをすれば?」
「うむ。かのエデンに、書状を送る。そしてそれを公務として、ホムラに任せる。本気度が伝わるじゃろう。そこで其方には、その護衛をお願いしたいのじゃ」
「なるほど。その任務を遂行することで、子爵とするわけですね?」
「うむ、その通りじゃ。これは重大な任務じゃ。腕前、人柄、人脈があるお主なら任せられると余は思っておる。受けてくれるかのう?」
「は!もちろんです。その任務必ずや成功させてみせます」
「うむ、よい返事じゃ。では、ホムラもそれでいいかの?」
「はい、叔父様。ワタクシも、公爵令嬢として行ってまいります」
「よし、ではこの辺で終わりとしよう。ユウマも疲れたじゃろう」
「ええ、正直頭がパンクしそうです……」
「ええ、ユウマ殿。気持ちはわかります。お疲れ様でした」
「いえ、宰相様もありがとうございました」
「では団長、ワタクシはまだここに残るのでまた今度話し合いましょう」
「ああ、わかった。ホムラもお疲れさん。では、皆様失礼します」
俺はそう言って部屋を出て、近衛に出口まで案内され王城を出た。
俺は頭が痛いと思いながら、なんとか家までたどり着いた。
そして精神的に疲れ果てて、家に帰るなりベッドにダイブし意識が朦朧としてきた。
あ、なんか俺とりあえず準子爵になるみたいです。
そうして、俺は意識を失った。