家に帰ってからは、大忙しだった。
まずは、ルイベ中佐も巻き込んで、皆でどんちゃん騒ぎ。
ルイベ中佐は叔父上に捕まり、呑み潰されていた。
次の日、酔い潰れたルイベ中佐をリムーブで治し、街を案内した。
そしてその翌日、ルイベ中佐が帰る日を迎えた。
俺は1人、王都の入り口まで見送りにきた。
「ユウマ殿、色々お世話になりました。ご家族にも、よろしくお伝えください」
「いえ……こちらこそ、色々ご迷惑をかけてすみません。というか、叔父上がすみません」
「まあ……確かに、噂通り豪快な方でした。でも、とても良い方でした。ユウマ殿を、これからもよろしく頼むと」
「叔父上が……全く、しょうがない人だよ。まあ、また機会があれば会いましょう」
「ええ。今度は我が家に招待したいので、手紙を送りますね」
「わかりました。では、お気をつけて」
「ええ、ではまた!」
そういって、ルイベ中佐を乗せた馬車は出発した。
そして、それから一週間が経った。
俺は、王城に呼び出された。
正確には、何故か国王様に呼び出された。
そして、また何故か宰相様が迎えに来て、国王様の部屋に通された。
「国王様、ユウマ殿がきましたよ」
「うむ、入るがよい」
そして入ると、信じられない光景を目にした。
「団長、いえ、ユウマ殿。今まで、黙っていて申し訳ありませんでした」
そこには、頭を下げるホムラがいた。
「はぁ?ホムラ何でここに?どういうことだ?」
「まあ、ユウマ。とりあえず、座りなさい」
「は、はい。国王様。失礼します」
ホムラも、対面に座った。
普段とは違い、ドレスを着るホムラはまさしくお姫様のようだった。
「えっと、だれか説明をしていただけると助かるのですが……」
「ふむ、では宰相。順を追って、ユウマに説明してやってくれ」
「はい、かしこまりました。ユウマ殿、まずはお疲れ様です。私が貴方なら、発狂しているでしょう。これから話すことは、全て本当のことです。いいですね?」
「はい、わかりました。とりあえず、聞きましょう」
「ではまず……今回の戦果により、貴方は子爵に昇格しました」
「え!?準子爵じゃなく?いや……とりあえず、聞くんでしたね」
「はい。さらに周りの報告から、貴方を少佐に昇進せよとの声が上がったので昇進します」
「はぁ!?いや……どうぞ」
「はい。そして貴方の目の前にいるホムラ-バルムンク様は、国王様の姪に当たる公爵令嬢であられます」
俺はその言葉を飲み込むのに、時間がかかった。
もちろん、何処かしらのお嬢さんだとは思っていたが精々伯爵か、最高でも侯爵だろうと。
まさか公爵令嬢とは、思ってもみなかった。
だって、公爵令嬢が冒険者とは考えられない。
俺がしばらく沈黙していると、ホムラが喋り出した。
「ユウマ殿。ワタクシが貴族であったこと、黙っていて申し訳ありませんでした」
「いや、それはとっくに知っていたけど?」
「ええ、驚いたでしょう……え!?知ってたのですか!?」
「いや、むしろこっちが驚きだよ!お前あの態度と口調と見た目で貴族じゃなかったらなんなんだよ!ただのイタイ奴じゃんか!」
「え!?みんな知っていたのですか!?じゃあ、何故団長は驚いているのですか?」
「こっちはお前が公爵令嬢ってとこに驚いてるんだよ!公爵令嬢が冒険者とか考えられないだろ!」
そうして言い合っていると、宰相様から声がかかった。
「ユウマ殿、落ち着いて。気持ちは、痛い程にわかります。あとで国王様を殴ってよいので、それで勘弁していただけると」
「なんで余が殴られるのだ!?」
「元はと言えば、アンタの所為だからです!」
「えっとまず……どういう経緯で、冒険者になったのか聞いても?」
「ゴホン、そうですね。まずホムラ様は小さい頃に、両親が事故により他界しています。そして、祖父母によって育てられました。そして祖父母は若い頃、公爵家の次男のオーレン様と伯爵家の次女のミレーヌ様は、冒険者として出会ったのです。そしてホムラ様は、そんな祖父母に憧れていらっしゃいました。それに連日の貴族との見合いや、舞踏会などに嫌気がさしていたのでしょう。まあ、この通り美しいお方ですから。なので、きちんと貴族の義務は果たすので20歳までは好きにさせてほしいと祖父母に願い出ました。まあ可愛い孫ですし、自分達も冒険者をしていたので強くいえず、国王様の許可がでたら良いと言ったそうです」
「……なるほど。とりあえず、理解はできました。それで、国王様はなんと?」
「まあ、余には息子しかいない。唯一の女の子である、可愛い姪っ子の頼みじゃ断りきれなくてのう。冒険者になることを、許可したのじゃ」
「なるほど……それで?」
「はい。別に、公爵家でも冒険者になってはいけないというルールはありません。ただ、冒険者ギルドには苦情がこないように一応伝えました。ですが違う意味で、冒険者ギルドから苦情が入りました。御宅のお嬢様が、パーティークラッシャーで困っていると」
「まあ、有名でしたからね。あの美貌じゃ仕方ないですよ」
ちなみにホムラは、恥ずかしそうにずっと下を向いて黙っている。
「はい。それで、国王様は思いついたそうです。あ、そういえばシグルドの甥っ子が冒険者やってるって聞いたな。シグルドがやたら褒めていたな。よし、そいつに丸投げしようと」
「国王様?やっぱり殴っていいですかね?」
「…………」
「私が許可します」
「宰相!?」
「まあ、ここからは貴方の知っている通りです。ギルドマスターは貴方に頼みましたね?」
「ええ、頼まれましたね。公爵令嬢とは言われませんでしたが。まあ、これでも貴族の端くれでしたから、どこかのお嬢様だとは思っていましたけど」
「ええ、そして今に至ります。ホムラ様は、丁度貴方が男爵の爵位を継ぐあたりに20歳を迎えました」
「期限がきたってことですね?」
「ええ、それでここからがとても複雑なのですが……」
「ガレスさん、ここからは私が自分でお伝えします」
「わかりました。では、私と国王様は少しの間出て行くので、ユウマ殿よろしく頼みます」
「え?この部屋国王様の私室じゃ?」
「そうじゃ。それ故に、だれにも聞かれることはない。仮に聞いても、それは聞いてないことになる。まあ、お主には苦労をかけたのでな。遠慮なく使ってくれ」
そう言って、2人は出て行った。
「えーと、いいのかなぁ。もう何が何だか」
「ごめんなさい。ワタクシの所為で」
「ああ、いやホムラを責めてるわけじゃない。で、話はなんだ?」
「すでにお気付きでしょうが、はっきり伝えたことはありませんでした」
ホムラをその綺麗な目で俺を真っ直ぐに見た。
まあ、ここまでくればいやでも気付くな。
「ワタクシは団長、いえユウマ殿を好いています」
まずは、ルイベ中佐も巻き込んで、皆でどんちゃん騒ぎ。
ルイベ中佐は叔父上に捕まり、呑み潰されていた。
次の日、酔い潰れたルイベ中佐をリムーブで治し、街を案内した。
そしてその翌日、ルイベ中佐が帰る日を迎えた。
俺は1人、王都の入り口まで見送りにきた。
「ユウマ殿、色々お世話になりました。ご家族にも、よろしくお伝えください」
「いえ……こちらこそ、色々ご迷惑をかけてすみません。というか、叔父上がすみません」
「まあ……確かに、噂通り豪快な方でした。でも、とても良い方でした。ユウマ殿を、これからもよろしく頼むと」
「叔父上が……全く、しょうがない人だよ。まあ、また機会があれば会いましょう」
「ええ。今度は我が家に招待したいので、手紙を送りますね」
「わかりました。では、お気をつけて」
「ええ、ではまた!」
そういって、ルイベ中佐を乗せた馬車は出発した。
そして、それから一週間が経った。
俺は、王城に呼び出された。
正確には、何故か国王様に呼び出された。
そして、また何故か宰相様が迎えに来て、国王様の部屋に通された。
「国王様、ユウマ殿がきましたよ」
「うむ、入るがよい」
そして入ると、信じられない光景を目にした。
「団長、いえ、ユウマ殿。今まで、黙っていて申し訳ありませんでした」
そこには、頭を下げるホムラがいた。
「はぁ?ホムラ何でここに?どういうことだ?」
「まあ、ユウマ。とりあえず、座りなさい」
「は、はい。国王様。失礼します」
ホムラも、対面に座った。
普段とは違い、ドレスを着るホムラはまさしくお姫様のようだった。
「えっと、だれか説明をしていただけると助かるのですが……」
「ふむ、では宰相。順を追って、ユウマに説明してやってくれ」
「はい、かしこまりました。ユウマ殿、まずはお疲れ様です。私が貴方なら、発狂しているでしょう。これから話すことは、全て本当のことです。いいですね?」
「はい、わかりました。とりあえず、聞きましょう」
「ではまず……今回の戦果により、貴方は子爵に昇格しました」
「え!?準子爵じゃなく?いや……とりあえず、聞くんでしたね」
「はい。さらに周りの報告から、貴方を少佐に昇進せよとの声が上がったので昇進します」
「はぁ!?いや……どうぞ」
「はい。そして貴方の目の前にいるホムラ-バルムンク様は、国王様の姪に当たる公爵令嬢であられます」
俺はその言葉を飲み込むのに、時間がかかった。
もちろん、何処かしらのお嬢さんだとは思っていたが精々伯爵か、最高でも侯爵だろうと。
まさか公爵令嬢とは、思ってもみなかった。
だって、公爵令嬢が冒険者とは考えられない。
俺がしばらく沈黙していると、ホムラが喋り出した。
「ユウマ殿。ワタクシが貴族であったこと、黙っていて申し訳ありませんでした」
「いや、それはとっくに知っていたけど?」
「ええ、驚いたでしょう……え!?知ってたのですか!?」
「いや、むしろこっちが驚きだよ!お前あの態度と口調と見た目で貴族じゃなかったらなんなんだよ!ただのイタイ奴じゃんか!」
「え!?みんな知っていたのですか!?じゃあ、何故団長は驚いているのですか?」
「こっちはお前が公爵令嬢ってとこに驚いてるんだよ!公爵令嬢が冒険者とか考えられないだろ!」
そうして言い合っていると、宰相様から声がかかった。
「ユウマ殿、落ち着いて。気持ちは、痛い程にわかります。あとで国王様を殴ってよいので、それで勘弁していただけると」
「なんで余が殴られるのだ!?」
「元はと言えば、アンタの所為だからです!」
「えっとまず……どういう経緯で、冒険者になったのか聞いても?」
「ゴホン、そうですね。まずホムラ様は小さい頃に、両親が事故により他界しています。そして、祖父母によって育てられました。そして祖父母は若い頃、公爵家の次男のオーレン様と伯爵家の次女のミレーヌ様は、冒険者として出会ったのです。そしてホムラ様は、そんな祖父母に憧れていらっしゃいました。それに連日の貴族との見合いや、舞踏会などに嫌気がさしていたのでしょう。まあ、この通り美しいお方ですから。なので、きちんと貴族の義務は果たすので20歳までは好きにさせてほしいと祖父母に願い出ました。まあ可愛い孫ですし、自分達も冒険者をしていたので強くいえず、国王様の許可がでたら良いと言ったそうです」
「……なるほど。とりあえず、理解はできました。それで、国王様はなんと?」
「まあ、余には息子しかいない。唯一の女の子である、可愛い姪っ子の頼みじゃ断りきれなくてのう。冒険者になることを、許可したのじゃ」
「なるほど……それで?」
「はい。別に、公爵家でも冒険者になってはいけないというルールはありません。ただ、冒険者ギルドには苦情がこないように一応伝えました。ですが違う意味で、冒険者ギルドから苦情が入りました。御宅のお嬢様が、パーティークラッシャーで困っていると」
「まあ、有名でしたからね。あの美貌じゃ仕方ないですよ」
ちなみにホムラは、恥ずかしそうにずっと下を向いて黙っている。
「はい。それで、国王様は思いついたそうです。あ、そういえばシグルドの甥っ子が冒険者やってるって聞いたな。シグルドがやたら褒めていたな。よし、そいつに丸投げしようと」
「国王様?やっぱり殴っていいですかね?」
「…………」
「私が許可します」
「宰相!?」
「まあ、ここからは貴方の知っている通りです。ギルドマスターは貴方に頼みましたね?」
「ええ、頼まれましたね。公爵令嬢とは言われませんでしたが。まあ、これでも貴族の端くれでしたから、どこかのお嬢様だとは思っていましたけど」
「ええ、そして今に至ります。ホムラ様は、丁度貴方が男爵の爵位を継ぐあたりに20歳を迎えました」
「期限がきたってことですね?」
「ええ、それでここからがとても複雑なのですが……」
「ガレスさん、ここからは私が自分でお伝えします」
「わかりました。では、私と国王様は少しの間出て行くので、ユウマ殿よろしく頼みます」
「え?この部屋国王様の私室じゃ?」
「そうじゃ。それ故に、だれにも聞かれることはない。仮に聞いても、それは聞いてないことになる。まあ、お主には苦労をかけたのでな。遠慮なく使ってくれ」
そう言って、2人は出て行った。
「えーと、いいのかなぁ。もう何が何だか」
「ごめんなさい。ワタクシの所為で」
「ああ、いやホムラを責めてるわけじゃない。で、話はなんだ?」
「すでにお気付きでしょうが、はっきり伝えたことはありませんでした」
ホムラをその綺麗な目で俺を真っ直ぐに見た。
まあ、ここまでくればいやでも気付くな。
「ワタクシは団長、いえユウマ殿を好いています」