夜が明けて、俺達は王都に向けて出発していた。
そして、2日かけて無事に王都へたどり着いた。
そこで、ルイベ中佐と合流した。
すると休む間も無く、ルイベ中佐と共に重要参考人として呼び出しがかかった。
会議室に入ると国王様、宰相様。
そして、お偉いさん方が揃っていた。
どうやらもう一つの戦場でも、後方部隊に突然魔物が現れたそうだ。
そのため戦線は瓦解し、相当な犠牲者が出た模様。
だが、シノブがアクナライナ平原の敵の指揮官らしき人物を倒したことにより、敵が挟み撃ちを恐れたのか撤退した模様。
そうだとしたら、シノブ大金星だな。
そしてアクナライナで生き残った俺らは、会議室にて事の次第を話した。
俺はついでに、自分の考えを述べてみた。
「そうか、ご苦労だった。では一度下がるが良い。ゆっくりと休んでくれ」
俺達が参加できるような会議ではないので、大人しく退散した。
そして王城を出て、ルイベ中佐と話していた。
「ルイベ中佐の故郷は、どちらですか?」
「もう、ただのルイベで良いですよ。というか、むしろ私が敬語を使わなくては。私は南のほうの、町の出身ですね。だから、今回アクナライナに派遣されたのです」
「あ、俺のが爵位上でしたね。面倒くさいので、お互いこのままでいきましょう。じゃあ、帰りは大変ですね。どうするのですか?」
「わかりました。まあ、さすがに疲れたから……どこか宿をとって、2日ほどいようかなと思っているよ」
「でしたら、我が家に泊まってはどうですか?」
「え?それは……いいのかい?本音をいえば、すごく助かるが」
「ええ。貴方は信頼に足る人だというのは、もうわかっていますから。貴方は、正直戦闘能力は高くない。ですが、貴方はあの状況で一歩も引かずオークと戦った。さらに、階級が下の俺の指示に迷いもせず従って行動してくれた。これは、なかなかできることではないと思います」
「ユウマ殿……いや、嬉しいですね。認めてくれる人がいるというのは。私は皆に、偶々生き残ったから昇進したとか。本当は、逃げ回っていたんじゃないとか言われてまして……」
「いやいや、生き残るのも1つの才能ですから。それに俺は、上に立つ者が強くある必要はないと思っています。いかに人を信頼して、うまく使うかだと思います。俺は今回、貴方が上官でよかったと思いましたよ」
「はは、そうですか……すみません、ちょっと向こう向いてもらっていいですか?」
俺は黙って、向こうを見て思った。
ああ、こういう人が上に行けるような世界になったらいいなと。
きちんと部下の話を聞き、それを取り入れる。
部下の手柄に嫉妬しない。
怒鳴ったりせず、温厚。
でも、やるときはやる。
そんな人が上官ならやりやすいのにな。
「すみませんでした。年甲斐もなく、恥ずかしいですね。では、お願いしてもよろしいですか?」
「はい、是非いらしてください」
そうして、ルイベ中佐を連れて家に帰った。
すでにシノブとイージスを帰しているので、俺が無事なのはわかっているはずなのだが、皆が玄関で待っていた。
母上は目に涙を浮かべ、黙って頷いていた。
そしてエリカが、俺に向かって飛び込んできた。
「お兄ちゃん!良かったよぉ!わぁーん!」
「おいおい、お客さんもいるんだから恥ずかしいんだが?」
それでも泣き止まずに、俺にしがみついたままだ。
「はは、すみませんね」
「いえ、いいじゃないですか。お兄さん思いの可愛い妹さんで」
「ええ、自慢の妹です。いくらルイベ中佐でも、あげませんからね?」
「はは!可愛らしいが怖いのでやめておくよ」
「もう!お兄ちゃん!お客さんに失礼なこと言っちゃダメでしょ!」
「お、泣き止んだか。エリカ、俺は出発する時なんて言ったかな?」
エリカは、ハッとした顔をした。
そして、涙を拭いて満面の笑みで言った。
「お兄ちゃん!お帰りなさい!」
俺はその笑顔だけで、心と身体が癒された気分だった。
「ああ、ただいま」
こうして俺の初陣は無事に終わりを迎えた。
そして、2日かけて無事に王都へたどり着いた。
そこで、ルイベ中佐と合流した。
すると休む間も無く、ルイベ中佐と共に重要参考人として呼び出しがかかった。
会議室に入ると国王様、宰相様。
そして、お偉いさん方が揃っていた。
どうやらもう一つの戦場でも、後方部隊に突然魔物が現れたそうだ。
そのため戦線は瓦解し、相当な犠牲者が出た模様。
だが、シノブがアクナライナ平原の敵の指揮官らしき人物を倒したことにより、敵が挟み撃ちを恐れたのか撤退した模様。
そうだとしたら、シノブ大金星だな。
そしてアクナライナで生き残った俺らは、会議室にて事の次第を話した。
俺はついでに、自分の考えを述べてみた。
「そうか、ご苦労だった。では一度下がるが良い。ゆっくりと休んでくれ」
俺達が参加できるような会議ではないので、大人しく退散した。
そして王城を出て、ルイベ中佐と話していた。
「ルイベ中佐の故郷は、どちらですか?」
「もう、ただのルイベで良いですよ。というか、むしろ私が敬語を使わなくては。私は南のほうの、町の出身ですね。だから、今回アクナライナに派遣されたのです」
「あ、俺のが爵位上でしたね。面倒くさいので、お互いこのままでいきましょう。じゃあ、帰りは大変ですね。どうするのですか?」
「わかりました。まあ、さすがに疲れたから……どこか宿をとって、2日ほどいようかなと思っているよ」
「でしたら、我が家に泊まってはどうですか?」
「え?それは……いいのかい?本音をいえば、すごく助かるが」
「ええ。貴方は信頼に足る人だというのは、もうわかっていますから。貴方は、正直戦闘能力は高くない。ですが、貴方はあの状況で一歩も引かずオークと戦った。さらに、階級が下の俺の指示に迷いもせず従って行動してくれた。これは、なかなかできることではないと思います」
「ユウマ殿……いや、嬉しいですね。認めてくれる人がいるというのは。私は皆に、偶々生き残ったから昇進したとか。本当は、逃げ回っていたんじゃないとか言われてまして……」
「いやいや、生き残るのも1つの才能ですから。それに俺は、上に立つ者が強くある必要はないと思っています。いかに人を信頼して、うまく使うかだと思います。俺は今回、貴方が上官でよかったと思いましたよ」
「はは、そうですか……すみません、ちょっと向こう向いてもらっていいですか?」
俺は黙って、向こうを見て思った。
ああ、こういう人が上に行けるような世界になったらいいなと。
きちんと部下の話を聞き、それを取り入れる。
部下の手柄に嫉妬しない。
怒鳴ったりせず、温厚。
でも、やるときはやる。
そんな人が上官ならやりやすいのにな。
「すみませんでした。年甲斐もなく、恥ずかしいですね。では、お願いしてもよろしいですか?」
「はい、是非いらしてください」
そうして、ルイベ中佐を連れて家に帰った。
すでにシノブとイージスを帰しているので、俺が無事なのはわかっているはずなのだが、皆が玄関で待っていた。
母上は目に涙を浮かべ、黙って頷いていた。
そしてエリカが、俺に向かって飛び込んできた。
「お兄ちゃん!良かったよぉ!わぁーん!」
「おいおい、お客さんもいるんだから恥ずかしいんだが?」
それでも泣き止まずに、俺にしがみついたままだ。
「はは、すみませんね」
「いえ、いいじゃないですか。お兄さん思いの可愛い妹さんで」
「ええ、自慢の妹です。いくらルイベ中佐でも、あげませんからね?」
「はは!可愛らしいが怖いのでやめておくよ」
「もう!お兄ちゃん!お客さんに失礼なこと言っちゃダメでしょ!」
「お、泣き止んだか。エリカ、俺は出発する時なんて言ったかな?」
エリカは、ハッとした顔をした。
そして、涙を拭いて満面の笑みで言った。
「お兄ちゃん!お帰りなさい!」
俺はその笑顔だけで、心と身体が癒された気分だった。
「ああ、ただいま」
こうして俺の初陣は無事に終わりを迎えた。