俺とシノブは王城に入ると、メイドさんに案内される。
そして、でかいホールに案内された。
そこには、会ったこともない貴族達と、その御付きの人達がいる。
初めてのことで戸惑っていると、若干腰が曲がって背が低く、70は超えていそうな御老人に声をかけられた。
「おや?……見ない顔ですが、どちらの家の方ですかな?」
「は!男爵位を承ったユウマ-ミストルと申します。不勉強で申し訳ないのですが、お名前を伺ってもよろしいですか?」
ただ、どこかで会ったような気がする……いつだ?
「ほう……貴方が、かの有名な剣聖シグルド殿の甥っ子ですか。ふむ、まあ継いだばかりでは仕方ありませんね。私の名は、公爵家当主オーレン-バルムンクと申します。以後、よろしくお願いします」
「こ、これは公爵閣下とはつゆ知らず、大変失礼致しました!」
俺の勘違いだな……公爵家当主と会ったことなどあるわけがない。
「ほほ、いいのですよ。まだ若く、継いだばかりではわからないことだらけでしょう。私は個人的に貴方に興味があるので、今度お話しでもどうですか?」
俺は戸惑いながらも、拒否権はないなと思った。
「はい。御指導を、宜しくお願いします」
「では、そちらのお嬢さんと共に私についてきなさい」
そして男爵の方はここで並んでいるとよいですよと言い、去っていった。
俺はその背中に、ありがとうございます!と頭を下げた。
「いやー驚きましたね。でも、とてもよい方でしたね?」
「そうだな……俺みたいな若造が、恥をかかないよう助けてくれたのかもな。俺もあのような、立派な貴族になりたいものだ」
そしてしばらく話していると、静粛に!と言う声がかかった。
国王様陛下が、まもなく参りますと。
ホールにいる全員が片膝をつき、顔を下げ静かに待つ。
そして、コツコツと足音だけが聞こえる。
そして鳴り止むと、顔を上げよと声がかかった。
ホールの高い位置にある椅子に、国王陛下が座っていた。
「皆の者、よく集まってくれた。聞いているとは思うが、ウィンドルがまた戦争を仕掛けてきおった。幸いなことに、ある筋からウィンドルが怪しい動きをしているという情報が入った。そのため、奇襲を防ぐことができた。ただ前の戦争からまだ三か月、これは早すぎる。何か狙いがあるのかもしれんが皆の者、国のため民のため余に力を貸してくれ」
皆は、黙って頷いた。
「ふむ、余は良い家臣を持った。では、早急に対策を練る必要がある。今ここにいる大将、中将、少将はついてまいれ。他の者は個別に封筒を渡す。それを持ち帰って確認し、その通りにせよ」
そして、国王様と何人かの人がホールから出ていった。
そして俺らも封筒を受け取り帰ろうしたら、ここで少々お待ちくださいと言われた。
訳が分からず待っていると、声がかかり一人でついてきてくださいと言われたので、シノブを置いて黙ってついていく。
そしてある扉の前に案内され、中に通された。
そこには国王様、宰相ガレス様、あと顔は知っているが話したことのない人がいた。
「おお、きおったか。まあ、こっちきて座りなさい」
「は、はい。失礼します」
「さて、何故呼ばれたのかわからんという顔じゃな」
「はい、何故でしょうか?」
「ふむ……まずは、頭はさげられないが礼を言おう。其方の報告のおかげで早めに行動でき、犠牲が減ったのでな」
「いえ、勿体無いお言葉です。報告とは、私のオーク退治のことですか」
「そうだ。そのおかげで、二週間ではあるが早めに準備ができた。そして通達を出していたので、街に被害が及ぶ前に止めることができた」
「それは、お役に立てて光栄です。民も、犠牲にならずにすんだのですね」
「そうだ。そして、そこにおる者が礼を言いたいそうだ」
そして俺がそっちを向くと、身長175ぐらいで清潔感があり、30ほどに見える男性が話しかけてきた。
「初めまして。私の名は、シャロン-グラム。畏れ多くも、国王陛下より伯爵位を承っている者です。階級は、少将です。今回襲われたのは、私が治める領地なのです。街には、家族や妻がいますから。貴方のおかげで、助かりました。お礼を言わせてください」
「いえ、民に犠牲がでないようにするのが、貴族の務めですから。皆さん無事で、良かったです」
「ほう、噂に違いない方のようだ。シグルドとは知り合いでね」
「ええ、知っております。剣聖を決める大会の、決勝の相手でしたから」
「おお、見てたのですか。お恥ずかしい。シグルドには、手も足も出ませんでした」
「いやご謙遜を。私の目から見ても、叔父上はそれほど余裕なかったですよ?叔父上も言ってました。アイツは強えなって」
「シグルドがそんなことを……そうですか」
「まあ、叔父上は照れ屋さんですから」
「さて、そろそろいいかの。ユウマ、此奴は余が目をかけているまともな貴族なのでな。何か困ったら相談せい。シャロンいいな?」
「もちろんです。ユウマ殿、いつでもご相談くださいね」
「はい!ありがとうございます!」
そして俺は元来た道を戻り、シノブと合流して家に帰った。
俺らが帰るとイージスが門の前で立っていた。
「団長!お帰りなさい!団長の盾イージス、団長の命により参上しました!」
「おお、イージス来てくれたか。ありがとな。じゃあお前もついてきてくれ」
そうしてイージスとシノブを連れ、セバスがいる執務室の机に座った。
「さて、早速開けてみるか」
俺は貰った封筒を開け書いてある内容を読んだ。
「団長、なんて書いてありましたかー?」
「ふむ……要約すると、西のダース平野と西南のアクナライナ平原の2つの方向から攻めてきていると。俺は中尉として、アクナライナ平原の後方待機で回復役を担うことになった」
ここに書かれているが、俺はどうやらオークの報告による功績で中尉に昇格したようだ。
「そうですか。結構距離がありますねー。ここからだと丸2日ぐらいは」
「そうだな。戦況がどうなっているかはわからんが、早めに出発する必要があるな。セバス、うちの連れて行ける兵士の人数は?」
「申し訳ありません。先の戦争のため、今は20人ほどしかいません」
ちなみに、男爵が抱えられる兵士の上限は60である。
「まあ、しょうがないな。では、諸々の準備を頼む」
「はい、かしこまりました」
「では、俺は母親とエリカに報告してくる。イージス、シノブはセバスを手伝ってくれ」
「はーい」「了解です!」
俺は母親とエリカが待つ部屋に向かった。
そして、でかいホールに案内された。
そこには、会ったこともない貴族達と、その御付きの人達がいる。
初めてのことで戸惑っていると、若干腰が曲がって背が低く、70は超えていそうな御老人に声をかけられた。
「おや?……見ない顔ですが、どちらの家の方ですかな?」
「は!男爵位を承ったユウマ-ミストルと申します。不勉強で申し訳ないのですが、お名前を伺ってもよろしいですか?」
ただ、どこかで会ったような気がする……いつだ?
「ほう……貴方が、かの有名な剣聖シグルド殿の甥っ子ですか。ふむ、まあ継いだばかりでは仕方ありませんね。私の名は、公爵家当主オーレン-バルムンクと申します。以後、よろしくお願いします」
「こ、これは公爵閣下とはつゆ知らず、大変失礼致しました!」
俺の勘違いだな……公爵家当主と会ったことなどあるわけがない。
「ほほ、いいのですよ。まだ若く、継いだばかりではわからないことだらけでしょう。私は個人的に貴方に興味があるので、今度お話しでもどうですか?」
俺は戸惑いながらも、拒否権はないなと思った。
「はい。御指導を、宜しくお願いします」
「では、そちらのお嬢さんと共に私についてきなさい」
そして男爵の方はここで並んでいるとよいですよと言い、去っていった。
俺はその背中に、ありがとうございます!と頭を下げた。
「いやー驚きましたね。でも、とてもよい方でしたね?」
「そうだな……俺みたいな若造が、恥をかかないよう助けてくれたのかもな。俺もあのような、立派な貴族になりたいものだ」
そしてしばらく話していると、静粛に!と言う声がかかった。
国王様陛下が、まもなく参りますと。
ホールにいる全員が片膝をつき、顔を下げ静かに待つ。
そして、コツコツと足音だけが聞こえる。
そして鳴り止むと、顔を上げよと声がかかった。
ホールの高い位置にある椅子に、国王陛下が座っていた。
「皆の者、よく集まってくれた。聞いているとは思うが、ウィンドルがまた戦争を仕掛けてきおった。幸いなことに、ある筋からウィンドルが怪しい動きをしているという情報が入った。そのため、奇襲を防ぐことができた。ただ前の戦争からまだ三か月、これは早すぎる。何か狙いがあるのかもしれんが皆の者、国のため民のため余に力を貸してくれ」
皆は、黙って頷いた。
「ふむ、余は良い家臣を持った。では、早急に対策を練る必要がある。今ここにいる大将、中将、少将はついてまいれ。他の者は個別に封筒を渡す。それを持ち帰って確認し、その通りにせよ」
そして、国王様と何人かの人がホールから出ていった。
そして俺らも封筒を受け取り帰ろうしたら、ここで少々お待ちくださいと言われた。
訳が分からず待っていると、声がかかり一人でついてきてくださいと言われたので、シノブを置いて黙ってついていく。
そしてある扉の前に案内され、中に通された。
そこには国王様、宰相ガレス様、あと顔は知っているが話したことのない人がいた。
「おお、きおったか。まあ、こっちきて座りなさい」
「は、はい。失礼します」
「さて、何故呼ばれたのかわからんという顔じゃな」
「はい、何故でしょうか?」
「ふむ……まずは、頭はさげられないが礼を言おう。其方の報告のおかげで早めに行動でき、犠牲が減ったのでな」
「いえ、勿体無いお言葉です。報告とは、私のオーク退治のことですか」
「そうだ。そのおかげで、二週間ではあるが早めに準備ができた。そして通達を出していたので、街に被害が及ぶ前に止めることができた」
「それは、お役に立てて光栄です。民も、犠牲にならずにすんだのですね」
「そうだ。そして、そこにおる者が礼を言いたいそうだ」
そして俺がそっちを向くと、身長175ぐらいで清潔感があり、30ほどに見える男性が話しかけてきた。
「初めまして。私の名は、シャロン-グラム。畏れ多くも、国王陛下より伯爵位を承っている者です。階級は、少将です。今回襲われたのは、私が治める領地なのです。街には、家族や妻がいますから。貴方のおかげで、助かりました。お礼を言わせてください」
「いえ、民に犠牲がでないようにするのが、貴族の務めですから。皆さん無事で、良かったです」
「ほう、噂に違いない方のようだ。シグルドとは知り合いでね」
「ええ、知っております。剣聖を決める大会の、決勝の相手でしたから」
「おお、見てたのですか。お恥ずかしい。シグルドには、手も足も出ませんでした」
「いやご謙遜を。私の目から見ても、叔父上はそれほど余裕なかったですよ?叔父上も言ってました。アイツは強えなって」
「シグルドがそんなことを……そうですか」
「まあ、叔父上は照れ屋さんですから」
「さて、そろそろいいかの。ユウマ、此奴は余が目をかけているまともな貴族なのでな。何か困ったら相談せい。シャロンいいな?」
「もちろんです。ユウマ殿、いつでもご相談くださいね」
「はい!ありがとうございます!」
そして俺は元来た道を戻り、シノブと合流して家に帰った。
俺らが帰るとイージスが門の前で立っていた。
「団長!お帰りなさい!団長の盾イージス、団長の命により参上しました!」
「おお、イージス来てくれたか。ありがとな。じゃあお前もついてきてくれ」
そうしてイージスとシノブを連れ、セバスがいる執務室の机に座った。
「さて、早速開けてみるか」
俺は貰った封筒を開け書いてある内容を読んだ。
「団長、なんて書いてありましたかー?」
「ふむ……要約すると、西のダース平野と西南のアクナライナ平原の2つの方向から攻めてきていると。俺は中尉として、アクナライナ平原の後方待機で回復役を担うことになった」
ここに書かれているが、俺はどうやらオークの報告による功績で中尉に昇格したようだ。
「そうですか。結構距離がありますねー。ここからだと丸2日ぐらいは」
「そうだな。戦況がどうなっているかはわからんが、早めに出発する必要があるな。セバス、うちの連れて行ける兵士の人数は?」
「申し訳ありません。先の戦争のため、今は20人ほどしかいません」
ちなみに、男爵が抱えられる兵士の上限は60である。
「まあ、しょうがないな。では、諸々の準備を頼む」
「はい、かしこまりました」
「では、俺は母親とエリカに報告してくる。イージス、シノブはセバスを手伝ってくれ」
「はーい」「了解です!」
俺は母親とエリカが待つ部屋に向かった。