俺達はギルドに戻ると、受付に向かった。
「すまないが、ギルドマスターと会うことは可能かな?今回の件で、話しておきたいことがあってね」
「はい。確認しますので、少々お待ちください」
そして、皆で会話をしながら待っていると、声をかけられた。
「ギルドマスターが、お会いになるそうです。ただ、ユウマ様お一人でお願いします」
「了解。では皆、待っててくれ」
「はい、了解です」
そして、ギルドマスターの部屋に案内され、入室した。
「ロイドさん、お久しぶりです。今日は、無理を言ってすいません」
「いえいえ、構いませんよ。貴方が私に会いたいということは、それほど重大なことが起きたのでしょう」
「はは、買い被りすぎですよ。まあ、今回はどうですかね」
「まあ、とりあえず座ってください」
俺は、対面のソファに座った。
「では、何があったかお聞かせください」
俺は、オークの群れが統率がとれていたこと。
魔法陣のあとがあったこと。
すでに人の気配はなかったこと。
なぜか、魔法陣の近くに潰れたオークがいたことなどを話した。
「確かに・・・おそらく、ウィンドルの仕業でしょうね」
「ええ、十中八九そうかと。それで……冒険者ギルドは直接戦争に関わってはいけないので、ギルドマスターに直接報告をと思いまして」
「なるほど。配慮してもらってすいません。そうですね、私達はどこの国にも肩入れしないから、どの国でもギルドを置けるというルールですから。まあ、ウィンドルにはありませんが」
「ええ、それでいいと思います。冒険者ギルドがあることで、平民の人達がどれだけ助かっているか。貴族として、御礼申し上げます」
「いえいえ。こちらこそ、そう言って頂けてありがたいです。では、この話は私だけの胸にしまい、依頼は普通のオーク退治だったということにしましょう」
「はい、お願いします」
その後、仲間の元へ戻った。
「団長、この後どうしやすか?」
「まあ、そうだな。とりあえず、俺は王城へ行かなきゃならん」
「じゃあ、アロイス。あとは頼んだ」
「へい、了解です」
俺が王城へ向かっていると、シノブがやってきた。
「なんだ?もう調べたのか?」
「ええ、大体は。それで、どこに行くんですか?」
「じゃあ、報告は後にしよう。実は色々あってな」
俺はシノブに説明した。
「はー、なんか面倒なことになりそうですねー。わかりました。とりあえずついて行きますねー」
俺とシノブは!並んで歩き出した。
「ところで、王様にすぐ会えるんですか?」
「いや、無理無理。だから伝令として門番に伝えれば、一応男爵家の当主だし、話は伝わると思う」
「あ、なるほどー」
そして王城に着き、門番に話しかける。
「すみません、国王様にお伝えしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
「その前に、身分を名乗ってくださいますか?」
「これは失礼しました。男爵家当主ユウマ-ミストルといいます」
「こ、これは男爵家当主の方でしたか。失礼いたしました。ただ今、上の者が参りますのでお待ちください」
「ええ、お願いします」
そして五分ほど待っていると、なんと宰相のガレス様が来た。
「はい?なんでガレス様?」
「驚かせて、すまないね。ユウマ殿が、国王様に用があると連絡を受けたので、私が迎えに来ました。さあ、行きましょう」
そう言うと、返事も聞かずに歩き出す。
「ど、どうします?」
「い、いや……よくわからんが、ついていくしかあるまい」
俺達は、黙って後をついていく。
そして、警備が厳重な所を通っていく。
そしてある扉の前にたどり着き、扉の前の騎士に剣を預けた。
「ここに、国王様がいらっしゃいます。失礼のないように」
「え?謁見の間とかでは?というかここは?」
「はぁー、私もそう言ったのですがね。国王様と、もう1人のワガママに付き合ってください」
「はあ、わかりました」
釈然としないが……なんだ?
そして扉を開けると、見知った顔がいた。
「叔父上・・・何してるんです?」
叔父上は、豪華なソファーで寛いでいた。
「何って……ダチのとこに、遊びに来ただけだけど?」
「ダチってあのなぁ・・」
俺は膝をついたシノブに突かれ、もう1人の存在に目が行き、凍りつく。
「し、失礼いたしました!デュラン国王陛下であられますね?」
「よいよい、どちらかというとこっちが悪いのでな」
俺は訳が分からず、はぁとしか言えない。
「くくく、ユウマにしては、珍しくテンパったな。ははは!ダインに気づいた時の、お前の顔ときたら」
久々にきれたぞ?おい?
「おい、叔父上。やっていいことと、悪いことがあるんじゃねえのか?あぁ!?」
「団長、落ちついて。一応国王様の前だし。シグルドさんのおふざけが過ぎるのは今更でしょ?」
「それはそうだが・・・」
宰相様が、俺の肩を叩いてくる。
「貴方も、苦労しているのですね……。私も、この馬鹿には苦労させられているのです」
「もしかして……馬鹿って余のこと?」
「それ以外に誰がいますか!良識ある若者を、いい年した大人がこんなドッキリ仕掛けて!」
「宰相様、ありがとうございます。もう、よろしいですから」
「貴方がそういうなら、しょうがないですね。とりあえず、座りましょう」
俺達は、ようやく落ち着いてソファーに座った。
「ユウマ。先に言っておくが、お前を驚かすためだけにやったんじゃないんだよ。ダインが、一度素のお前に会ってみたいっていうからさ」
「ああ、そういえば友達だって言ってましたね。正直半信半疑だったので」
「ふむ、余が頼んだのだ。よくお主の話を聞いておったのでな。今までは、お主の家庭の事情により控えていたが、もう平気だしの」
「はぁ、そうなのですか。ところで、割と真面目な用件で来たんですけど・・・」
「ふむ。だからこそ、ここに呼んだのだ。ここなら、余計な横槍も入らず話せるからな」
そして俺は、ギルドで話した内容を話した。
「ふむ、宰相どう思う?」
「ウィンドルの仕業で、間違いないかと。もちろん、専門家を向かわせて確認いたしますが」
「ふむ、余もそう思う。時期的には早いがな。だが狙いがわからんな。統率が取れてるとはいえ、たかがオーク30匹程度でなにができる?」
「そうですね。そこで集落を作って、人を攫い繁殖したところですぐにバレますし」
「ふむ・・・。ユウマ、其方はどう思う?」
「そうですね・・・私はなんとゆうか……実験という言葉が、しっくりくる気がします。あの潰れたオークが、気になります」
それにあの魔法陣……やはり、見覚えがある気がする……。
どこでだ?ウィンドルなんか行ったことないぞ……?
……まあ、気の所為だとは思うが……。
「ふむ、実験か・・・まあ、これ以上は混乱するだけかもしれんな。あとは専門家に任せよう。最悪の場合、戦争になるな。宰相、最悪取り越し苦労でも良いから準備を進めよ。足りなければ、余の私財を使え」
「御意。そのように手配します」
「いいんですか?まだ確定してませんが・・・」
「民に犠牲が出てからじゃ、遅いからの。取り越し苦労だったとしても、余の私財が減るだけだし、元は民の税金だからの。こんな時に使わず、いつ使うのかということだ」
俺は自分が生まれた国の王様が、この人で良かったと思った。
「はは、叔父上が気にいる訳ですね。俺も、好きになりました」
「お、ようやく硬さがとれたの。ふむ、よいことだ」
「お堅い話は終わったか?んじゃ、チェスやろうぜ!ユウマ、俺の代わりにこのオッさん倒してくれ!」
「お、国王様もチェスおやりになるんですか?」
「ふむ、中々に強いと自負しておる。そしてシグルドから其方が強いと聞き、一度やってみたかったのだ」
「おや、勝負事には手加減できないので、勝ってしまいますがいいんですか?」
「はは!よいな。むしろ手加減などしようものなら、タダじゃおかん」
そうして3人に見られながら、チェスをうった。
ちなみに、危うかったがなんとか勝った。
そして国王様は、俺が帰る際にまたやるぞ!と言ってきた。
俺は心臓に悪いんで勘弁してくださいよと言い、王城から出た。
ちなみに、叔父上はまだ残るようだった。
王城から離れたところで、俺は大きく息を吐いた。
「はぁー、疲れた。色々な意味で」
「はは、お疲れ様です。なんだか気に入られてましたね。まあ、良いか悪いかは別として」
「そこだよなー、良い顔しない連中もいるからな」
「団長が、上の方まで行けばいいんですよ!どっちにしろ、エリカちゃんのために上目指さなきゃだし」
「いや、簡単に言うけどなぁ」
「団長なら大丈夫です!わたしもお手伝いします!」
「おお、どうした?急に」
「団長が、いつまでも自分を過小評価してるからですよ!団長は、わたしが見込んだ方なんですから!」
「はは、そうだな。どうもいかんな。んじゃ、いっちょ頑張ってみるかね」
俺は、決意を新たにするのだった。
「すまないが、ギルドマスターと会うことは可能かな?今回の件で、話しておきたいことがあってね」
「はい。確認しますので、少々お待ちください」
そして、皆で会話をしながら待っていると、声をかけられた。
「ギルドマスターが、お会いになるそうです。ただ、ユウマ様お一人でお願いします」
「了解。では皆、待っててくれ」
「はい、了解です」
そして、ギルドマスターの部屋に案内され、入室した。
「ロイドさん、お久しぶりです。今日は、無理を言ってすいません」
「いえいえ、構いませんよ。貴方が私に会いたいということは、それほど重大なことが起きたのでしょう」
「はは、買い被りすぎですよ。まあ、今回はどうですかね」
「まあ、とりあえず座ってください」
俺は、対面のソファに座った。
「では、何があったかお聞かせください」
俺は、オークの群れが統率がとれていたこと。
魔法陣のあとがあったこと。
すでに人の気配はなかったこと。
なぜか、魔法陣の近くに潰れたオークがいたことなどを話した。
「確かに・・・おそらく、ウィンドルの仕業でしょうね」
「ええ、十中八九そうかと。それで……冒険者ギルドは直接戦争に関わってはいけないので、ギルドマスターに直接報告をと思いまして」
「なるほど。配慮してもらってすいません。そうですね、私達はどこの国にも肩入れしないから、どの国でもギルドを置けるというルールですから。まあ、ウィンドルにはありませんが」
「ええ、それでいいと思います。冒険者ギルドがあることで、平民の人達がどれだけ助かっているか。貴族として、御礼申し上げます」
「いえいえ。こちらこそ、そう言って頂けてありがたいです。では、この話は私だけの胸にしまい、依頼は普通のオーク退治だったということにしましょう」
「はい、お願いします」
その後、仲間の元へ戻った。
「団長、この後どうしやすか?」
「まあ、そうだな。とりあえず、俺は王城へ行かなきゃならん」
「じゃあ、アロイス。あとは頼んだ」
「へい、了解です」
俺が王城へ向かっていると、シノブがやってきた。
「なんだ?もう調べたのか?」
「ええ、大体は。それで、どこに行くんですか?」
「じゃあ、報告は後にしよう。実は色々あってな」
俺はシノブに説明した。
「はー、なんか面倒なことになりそうですねー。わかりました。とりあえずついて行きますねー」
俺とシノブは!並んで歩き出した。
「ところで、王様にすぐ会えるんですか?」
「いや、無理無理。だから伝令として門番に伝えれば、一応男爵家の当主だし、話は伝わると思う」
「あ、なるほどー」
そして王城に着き、門番に話しかける。
「すみません、国王様にお伝えしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
「その前に、身分を名乗ってくださいますか?」
「これは失礼しました。男爵家当主ユウマ-ミストルといいます」
「こ、これは男爵家当主の方でしたか。失礼いたしました。ただ今、上の者が参りますのでお待ちください」
「ええ、お願いします」
そして五分ほど待っていると、なんと宰相のガレス様が来た。
「はい?なんでガレス様?」
「驚かせて、すまないね。ユウマ殿が、国王様に用があると連絡を受けたので、私が迎えに来ました。さあ、行きましょう」
そう言うと、返事も聞かずに歩き出す。
「ど、どうします?」
「い、いや……よくわからんが、ついていくしかあるまい」
俺達は、黙って後をついていく。
そして、警備が厳重な所を通っていく。
そしてある扉の前にたどり着き、扉の前の騎士に剣を預けた。
「ここに、国王様がいらっしゃいます。失礼のないように」
「え?謁見の間とかでは?というかここは?」
「はぁー、私もそう言ったのですがね。国王様と、もう1人のワガママに付き合ってください」
「はあ、わかりました」
釈然としないが……なんだ?
そして扉を開けると、見知った顔がいた。
「叔父上・・・何してるんです?」
叔父上は、豪華なソファーで寛いでいた。
「何って……ダチのとこに、遊びに来ただけだけど?」
「ダチってあのなぁ・・」
俺は膝をついたシノブに突かれ、もう1人の存在に目が行き、凍りつく。
「し、失礼いたしました!デュラン国王陛下であられますね?」
「よいよい、どちらかというとこっちが悪いのでな」
俺は訳が分からず、はぁとしか言えない。
「くくく、ユウマにしては、珍しくテンパったな。ははは!ダインに気づいた時の、お前の顔ときたら」
久々にきれたぞ?おい?
「おい、叔父上。やっていいことと、悪いことがあるんじゃねえのか?あぁ!?」
「団長、落ちついて。一応国王様の前だし。シグルドさんのおふざけが過ぎるのは今更でしょ?」
「それはそうだが・・・」
宰相様が、俺の肩を叩いてくる。
「貴方も、苦労しているのですね……。私も、この馬鹿には苦労させられているのです」
「もしかして……馬鹿って余のこと?」
「それ以外に誰がいますか!良識ある若者を、いい年した大人がこんなドッキリ仕掛けて!」
「宰相様、ありがとうございます。もう、よろしいですから」
「貴方がそういうなら、しょうがないですね。とりあえず、座りましょう」
俺達は、ようやく落ち着いてソファーに座った。
「ユウマ。先に言っておくが、お前を驚かすためだけにやったんじゃないんだよ。ダインが、一度素のお前に会ってみたいっていうからさ」
「ああ、そういえば友達だって言ってましたね。正直半信半疑だったので」
「ふむ、余が頼んだのだ。よくお主の話を聞いておったのでな。今までは、お主の家庭の事情により控えていたが、もう平気だしの」
「はぁ、そうなのですか。ところで、割と真面目な用件で来たんですけど・・・」
「ふむ。だからこそ、ここに呼んだのだ。ここなら、余計な横槍も入らず話せるからな」
そして俺は、ギルドで話した内容を話した。
「ふむ、宰相どう思う?」
「ウィンドルの仕業で、間違いないかと。もちろん、専門家を向かわせて確認いたしますが」
「ふむ、余もそう思う。時期的には早いがな。だが狙いがわからんな。統率が取れてるとはいえ、たかがオーク30匹程度でなにができる?」
「そうですね。そこで集落を作って、人を攫い繁殖したところですぐにバレますし」
「ふむ・・・。ユウマ、其方はどう思う?」
「そうですね・・・私はなんとゆうか……実験という言葉が、しっくりくる気がします。あの潰れたオークが、気になります」
それにあの魔法陣……やはり、見覚えがある気がする……。
どこでだ?ウィンドルなんか行ったことないぞ……?
……まあ、気の所為だとは思うが……。
「ふむ、実験か・・・まあ、これ以上は混乱するだけかもしれんな。あとは専門家に任せよう。最悪の場合、戦争になるな。宰相、最悪取り越し苦労でも良いから準備を進めよ。足りなければ、余の私財を使え」
「御意。そのように手配します」
「いいんですか?まだ確定してませんが・・・」
「民に犠牲が出てからじゃ、遅いからの。取り越し苦労だったとしても、余の私財が減るだけだし、元は民の税金だからの。こんな時に使わず、いつ使うのかということだ」
俺は自分が生まれた国の王様が、この人で良かったと思った。
「はは、叔父上が気にいる訳ですね。俺も、好きになりました」
「お、ようやく硬さがとれたの。ふむ、よいことだ」
「お堅い話は終わったか?んじゃ、チェスやろうぜ!ユウマ、俺の代わりにこのオッさん倒してくれ!」
「お、国王様もチェスおやりになるんですか?」
「ふむ、中々に強いと自負しておる。そしてシグルドから其方が強いと聞き、一度やってみたかったのだ」
「おや、勝負事には手加減できないので、勝ってしまいますがいいんですか?」
「はは!よいな。むしろ手加減などしようものなら、タダじゃおかん」
そうして3人に見られながら、チェスをうった。
ちなみに、危うかったがなんとか勝った。
そして国王様は、俺が帰る際にまたやるぞ!と言ってきた。
俺は心臓に悪いんで勘弁してくださいよと言い、王城から出た。
ちなみに、叔父上はまだ残るようだった。
王城から離れたところで、俺は大きく息を吐いた。
「はぁー、疲れた。色々な意味で」
「はは、お疲れ様です。なんだか気に入られてましたね。まあ、良いか悪いかは別として」
「そこだよなー、良い顔しない連中もいるからな」
「団長が、上の方まで行けばいいんですよ!どっちにしろ、エリカちゃんのために上目指さなきゃだし」
「いや、簡単に言うけどなぁ」
「団長なら大丈夫です!わたしもお手伝いします!」
「おお、どうした?急に」
「団長が、いつまでも自分を過小評価してるからですよ!団長は、わたしが見込んだ方なんですから!」
「はは、そうだな。どうもいかんな。んじゃ、いっちょ頑張ってみるかね」
俺は、決意を新たにするのだった。