俺らはアロイスの部屋に入り、座る。
「で、どうしたんだ?あそこでは、言えないことだったのか?」
「へい……なるべく人に聞かれたくなかったもんで……」
アロイスにしては歯切れが悪いな……これは、覚悟して聞いた方がいいかも知れん。
「……シノブはいいのか?」
「まあ、仕方ねえっす。そいつは離れませんし、一応女子ですし」
「ん?どういうことだ?」
「実はですね……こんなお手紙をもらいまして……ちなみに、読んでもいいんで」
「ふんふん……何?……なるほど。準男爵家の女性から恋文とは……」
「へい……どうしていいやら。こんな見た目なんで、女性には縁のない俺です。ましてや、貴族のお嬢さんなんてどうしていいやら……」
アロイスは見た目山賊だからなぁ……中身は、気配りもできる男前なのだが。
だが、これは渡りに船かも知れん。
「お前は、この女性を知っているのか?」
「へい、知ってます。以前、絡まれていたのを助けた覚えがありやす」
「なるほど。アロイス、よくやった。で、お前はどうしたい?」
「……正直、よくわかんねえっす」
「はいはーい!シノブちゃんから質問です!この手紙はいつ来ましたか?」
「……1週間前くらいだと思うな」
「なら、とりあえずお茶でもしませんか?と手紙を返信したらいいんじゃないですか?だってその女性は返事もなくて不安なはずですよー?」
俺とアロイスは顔を見合わせて、同じことを思ったようだ。
「確かに!シノブの言う通りだな!……いや、しかしシノブにそういう気持ちがわかるとは……」
「シノブの言う通りだ!……でもシノブに言われると、釈然としないぜ」
「ちょっと!?どういう意味ですか!私だって、団長に恋する乙女ですよー」
「いや、お前は手紙を書くようなタイプじゃないから。そんな暇あったら、特攻かける奴だから」
「むー!……まあ、否定はできないですねー」
「では、今日にでも手紙を書きやす。で、団長の相談は?」
「……妹が、本気で剣の稽古をつけてくれって言うんだ……」
「はぁ?……つけてあげれば、いいのでは?」
「馬鹿野郎!つまり妹を痛めつけるということだぞ!俺は、叔父上からそういう訓練しか受けていない!つまりそういう稽古しか出来ないということだ!」
「あー……まあ、そうですね。団長」
「お!良い案があるのか!さすが俺の右腕!」
「いえ。手紙を書くんで、帰ってくだせえ。そんなわかりきったことを……。鍛えてやれば良いかと」
「何!?それで悩んでいるんじゃないか!それでも俺」
「はいはい、団長。帰りますよー」
「おい!シノブ!引っ張るな!まだ話は」
「はいはい、私が聞いてあげますからー」
全く薄情な奴だ。
俺が、真剣に悩んでいるというのに。
そして家に戻ると、玄関にイージスとアテナがいた。
「どうした?2人揃って」
「団長!オイラを家臣にしてくれ!!」
「……はい?」
「馬鹿野郎!順序があるだろうが!……はぁ、仕方ない。アタイが言うか。団長が当主になったから、戦争に出なければいけないということに気づいたのさ」
「……なるほど。しかし、ダメだ」
「団長!なんでですか!?」
「うちには、優秀な盾役のお前に払える金がない……」
「そんなのいらないです!オイラは団長がいなければ、とっくに死んでいました!」
「馬鹿野郎!お前は、故郷の兄弟の為に仕送りをしているのだろう?それは、どうする?」
「……でも、オイラ。どうしたら……」
「団長、この鈍足の頼み聞いてくんねえかな?こいつが、こんなに必死になることなんか滅多にないからよ」
「アテナ……しかしだな。現実問題として、金がないんだ」
「はいはーい!折衷案はいかがですかー?」
「ん?どういうことだ?シノブ」
「団長は、お金がないけど雇いたい。イージスさんはお金が必要だけど、団長を守りたい。とゆうことで、戦争の時だけ、臨時で雇えば良いんじゃないでしょうかー?で、お金入ったら正式に家臣にするとか」
なるほど……良い考えかも知れん。
確かに、イージスがいたら心強いしな。
「……わかった。イージス、聞いていたな?今の条件でいいなら許す」
「本当ですか!?団長を守れるならなんでもいいです!ありがとうございます!」
「おいおい、俺に礼はいらんさ。俺が助けられるのだから」
「アテナさん!シノブさん!ありがとうございます!おかげで、団長を守れます!」
「まあ、いいってことよ。やるからには、しっかりやんなよ!」
「イージスさん!2人で団長を守りましょう!ヨロシクです!」
どうやらシノブのおかげで、丸く収まったようだな……。
しかし……つくづく思うな。
俺は、仲間に恵まれていると。
俺も此奴らに見合うように、努力をしていかなくてはな。
「で、どうしたんだ?あそこでは、言えないことだったのか?」
「へい……なるべく人に聞かれたくなかったもんで……」
アロイスにしては歯切れが悪いな……これは、覚悟して聞いた方がいいかも知れん。
「……シノブはいいのか?」
「まあ、仕方ねえっす。そいつは離れませんし、一応女子ですし」
「ん?どういうことだ?」
「実はですね……こんなお手紙をもらいまして……ちなみに、読んでもいいんで」
「ふんふん……何?……なるほど。準男爵家の女性から恋文とは……」
「へい……どうしていいやら。こんな見た目なんで、女性には縁のない俺です。ましてや、貴族のお嬢さんなんてどうしていいやら……」
アロイスは見た目山賊だからなぁ……中身は、気配りもできる男前なのだが。
だが、これは渡りに船かも知れん。
「お前は、この女性を知っているのか?」
「へい、知ってます。以前、絡まれていたのを助けた覚えがありやす」
「なるほど。アロイス、よくやった。で、お前はどうしたい?」
「……正直、よくわかんねえっす」
「はいはーい!シノブちゃんから質問です!この手紙はいつ来ましたか?」
「……1週間前くらいだと思うな」
「なら、とりあえずお茶でもしませんか?と手紙を返信したらいいんじゃないですか?だってその女性は返事もなくて不安なはずですよー?」
俺とアロイスは顔を見合わせて、同じことを思ったようだ。
「確かに!シノブの言う通りだな!……いや、しかしシノブにそういう気持ちがわかるとは……」
「シノブの言う通りだ!……でもシノブに言われると、釈然としないぜ」
「ちょっと!?どういう意味ですか!私だって、団長に恋する乙女ですよー」
「いや、お前は手紙を書くようなタイプじゃないから。そんな暇あったら、特攻かける奴だから」
「むー!……まあ、否定はできないですねー」
「では、今日にでも手紙を書きやす。で、団長の相談は?」
「……妹が、本気で剣の稽古をつけてくれって言うんだ……」
「はぁ?……つけてあげれば、いいのでは?」
「馬鹿野郎!つまり妹を痛めつけるということだぞ!俺は、叔父上からそういう訓練しか受けていない!つまりそういう稽古しか出来ないということだ!」
「あー……まあ、そうですね。団長」
「お!良い案があるのか!さすが俺の右腕!」
「いえ。手紙を書くんで、帰ってくだせえ。そんなわかりきったことを……。鍛えてやれば良いかと」
「何!?それで悩んでいるんじゃないか!それでも俺」
「はいはい、団長。帰りますよー」
「おい!シノブ!引っ張るな!まだ話は」
「はいはい、私が聞いてあげますからー」
全く薄情な奴だ。
俺が、真剣に悩んでいるというのに。
そして家に戻ると、玄関にイージスとアテナがいた。
「どうした?2人揃って」
「団長!オイラを家臣にしてくれ!!」
「……はい?」
「馬鹿野郎!順序があるだろうが!……はぁ、仕方ない。アタイが言うか。団長が当主になったから、戦争に出なければいけないということに気づいたのさ」
「……なるほど。しかし、ダメだ」
「団長!なんでですか!?」
「うちには、優秀な盾役のお前に払える金がない……」
「そんなのいらないです!オイラは団長がいなければ、とっくに死んでいました!」
「馬鹿野郎!お前は、故郷の兄弟の為に仕送りをしているのだろう?それは、どうする?」
「……でも、オイラ。どうしたら……」
「団長、この鈍足の頼み聞いてくんねえかな?こいつが、こんなに必死になることなんか滅多にないからよ」
「アテナ……しかしだな。現実問題として、金がないんだ」
「はいはーい!折衷案はいかがですかー?」
「ん?どういうことだ?シノブ」
「団長は、お金がないけど雇いたい。イージスさんはお金が必要だけど、団長を守りたい。とゆうことで、戦争の時だけ、臨時で雇えば良いんじゃないでしょうかー?で、お金入ったら正式に家臣にするとか」
なるほど……良い考えかも知れん。
確かに、イージスがいたら心強いしな。
「……わかった。イージス、聞いていたな?今の条件でいいなら許す」
「本当ですか!?団長を守れるならなんでもいいです!ありがとうございます!」
「おいおい、俺に礼はいらんさ。俺が助けられるのだから」
「アテナさん!シノブさん!ありがとうございます!おかげで、団長を守れます!」
「まあ、いいってことよ。やるからには、しっかりやんなよ!」
「イージスさん!2人で団長を守りましょう!ヨロシクです!」
どうやらシノブのおかげで、丸く収まったようだな……。
しかし……つくづく思うな。
俺は、仲間に恵まれていると。
俺も此奴らに見合うように、努力をしていかなくてはな。