俺はカグヤをお姫様抱っこしたまま、荒野を走る。

「ねえ、大丈夫?疲れない?……お、重くないかしら?」

「問題ないよ。いやいや、軽いくらいだ」

それに、幸せだ。
こうやって、カグヤの体温を感じられるのだから。
カグヤが生きている……ただ、それだけでいい。

「そ、そう……本当に逞しくなったのね。でも、いいの?貴方は、西の国境の守護者なんでしょ?」

「それは、もういい。俺の部下達も、愛想を尽かして国を出るそうだ。それに、俺はカグヤを守りたかっただけだ。王妃になるカグヤのいる国を守る、俺はそのためだけに強くなったんだ」

「え!?そ、そうなのね。べ、別に感謝しないわよ!?」

「ああ、それでいい。俺の信念に従い、勝手にやったことだ。カグヤが気に病むことなど、何もありはしない」

「そ、そうよね!で、でも、反逆者よ?いいの?」

「それも、問題ない。俺はカグヤが大事だ。そのカグヤを殺そうとする国など、こっちから願い下げだ」

「……わ、私のこと、疑わないの……?信じてくれるの……?」

「信じるも信じないもない。カグヤが、そんなことをするはずがない」

「で、でも、何年も会っていないのよ?変わったかもしれないじゃない!」

「そんなことは、頭をよぎらなかったな。それに……さっきの台詞聞いてたしな。元兵士として礼を言う。ありがとう、カグヤ」

「そ、そうなんだ。あれは当然よ!だってそうじゃない!」

「そう言えるカグヤは、素敵な女の子だな。相変わらず、可愛いし」

「ふえ!?……何言ってるのよ!?」

「ちょっと!?叩くなよ!そういうところも、相変わらずだな!」

しかし……怒った顔も可愛いな。

「……だ、誰も信じてくれなくて……わ、私、やってないのに……!ただ、国を良くしようとしただけなのに……う、うわーん!!なんで!?どうしてなの!?」

「カグヤ……頑張ったな、辛かったな。もう、大丈夫だ。俺の全てをかけて、君を全ての理不尽から守り抜こう」

俺の胸に顔を埋め、カグヤは泣き続けた……。





「ご、ごめんなさい……は、恥ずかしいわ……子どもみたいで……」

「そんなことないさ。カグヤは、今まで頑張ってきたんだ」

「クロウ……ありがとう……嬉しい……そ、その……クロウがいてくれて……」

……おっといけない……あまりの可愛さに、意識を持ってかれた!
照れ顔の破壊力は、えげつないな!

「安心しろ。ずっと側にいるから」

「う、うん!」


俺は誓う……!

もう二度と、カグヤを傷つけさせやしないと!!

全てのことから、守ってみせると!!