さて……とりあえず、成功したようだが……。
「おい!いい加減にやめい!」
「グル?」
「グル?じゃない!舐めるのをや・め・ろ!!」
「グルルー」
「ハァ……全く、まずは躾が必要か?」
「いえ、大丈夫ですよ。頭が良いですから。今は、嬉しいのでしょう」
「だ、大丈夫……?か、噛まない……?」
カグヤは檻の外でプルプルしている……可愛い。
「ホホ、もう大丈夫なはずです……が、不安でしょうね。契約を結びましょうね」
そして、対面式の魔法陣の上に乗る。
「では……クロウさん、魔力を高めてください」
「了解です。魔力……こうか?」
俺の魔法陣から、もう一つの魔法陣へ、太い線が伸びていく。
「……凄まじい魔力……!み、見たことないですな。ゴホン!では……汝、この者を主人と認めるか?」
「グルル!」
俺の魔力が、虎を包み込む……。
そして、感覚的にわかった。
魔力による繋がりができたことを。
「……よし、成立しましたな。では、料金ですな。この子は銀貨5枚ですが、一括払いいたしますか?」
「あっ!値段聞いてなかったな……うん?安くないですか?」
この強さなら、最低でも金貨3枚は必要かと思うのだが……。
「ええ、強さだけでいったら金貨が必要です。ですが、その子はまだ成体ではありません。大人と子供の間ほどです。何より、貰い手が限られますから。むしろ、助かりました。逃すわけにもいかないので、餌台も馬鹿になりませんし」
「なるほど、そういうことですか。では、一括払いでお願いします」
これで、俺個人の手持ちは使い切ったな。
明日から、依頼をバンバン受けるとしよう。
「ク、クロウ……?も、もう大丈夫かしら……?」
それまで柱の後ろに隠れていたカグヤが、恐る恐る近づいてきた。
何故か忍び足で、そろりそろりと……。
……可愛い……抱きしめたい……今すぐに。
「グルルー!!」
「わぁ!?キャア!?な、なんなのー!?」
虎がカグヤに飛びかかる……が、じゃれているだけのようだ。
「えっと……どういうことだ?」
「ホホ、クロウさん……相当、お嬢さんのことがお好きなようですな?」
「まあ、そうですね。それがどうかしましたか?」
「その気持ちが、パスを通じて伝わったのでしょう。主人の好きな人という形で」
「あっ、なるほど……まあ、いいか……めちゃくちゃ可愛いし」
「クロウーー!!見てないで助けてよーー!!」
「グルルー!」
……好きな子が獣と戯れる……まさしく、眼福である。
そして無事に支払いも済み、とりあえず家に帰ることにする。
「もう!クロウのバカ!!フン!!」
「ごめんよ、カグヤ。ほら、お前も」
「グルルー……」
「し、仕方ないわね!許してあげる!さ、触ってもいいかしら?」
「グル?」
「ああ、大丈夫だ。おま……まずは、名前か……白い虎……」
「まるでクロウみたいね!」
「ん?ああ、白き虎と呼ばれていたな。こいつは、ハクドラか」
「シロ?ドラ?……ハク!ハクがいいわ!」
「グルルー!!」
「ん?気に入ったのか?まあ、滅多にいない奴みたいだし、かぶることもないか。じゃあ、今日からお前の名前はハクだ。わかったか?」
「グルルー!!」
「ハクね!よろしくね!というわけで……うわぁ……柔らかい……」
「グルルー」
「ふふ、フカフカね!」
……良かった。
護衛だけでなく、癒しにもなってくれそうだ。
その後、帰り道の屋台で食事を買って食べて、散歩がてら都市の中を歩いていく。
その帰り道に食材を買い、家に帰宅する。
庭に出て、ハクに説明をする。
「いいか?ハク、よく聞け」
「グルッ!」
「俺の護衛は必要ない。俺は強い、わかるな?」
「グルルー」
ほう……これがパスの効果か。
ハクの気持ちが伝わってくる。
「よし……というわけで、ハク。お前の仕事は、カグヤの護衛だ。俺がこの世で最も大切な人にして、俺の全てをかけて愛する女性だ」
「にゃにゃ!?にゃに、にゅってんのよ!?」
「イテ!?背中を叩くなよ!」
「グルル?」
ハクがカグヤに擦り寄る。
「そうだ、お前が優先すべきはカグヤだ。俺のことは二の次でいい。俺が死にそうでも、カグヤを守り抜け。いいな?これは、命令だ」
「ちょっと!?クロウ!?」
「カグヤ、落ち着け。俺も死ぬつもりはない。ただ、傷を負うことはあるだろう。その時に、ハクが主人である俺を優先しないようにだ。そのためには、大袈裟なくらいがちょうどいい」
「ホッ……もう!ビックリしたじゃない!」
俺はハクに念を送る。
……ハク、俺は本気だ。
いざという時は、俺を見捨ててでもカグヤを守り抜け!!
「グルル!!」
「ど、どうしたのかしら?急にシャキッとしたわ」
……よし、伝わったな。
これで、カグヤを安心して戦場に出せる。
もちろん、そんなことはさせたくない。
だが、本人が望むのなら仕方ない。
ならば……俺に出来るのは、その手助けをすることだ。
その日の昼間は、リハビリの時間にした。
幸い、庭は広い。
カグヤは、久々の弓の練習。
俺は2日寝込んでいたので、鈍った身体を動かす。
さらに剣技も磨く。
ちなみに……ハクは、ゴロゴロとしている。
カグヤが、時折近づき……。
「 ハク!にゃーにゃー」
「グル?」
「違うわ!にゃーにゃー」
「……ニャー?」
「ニャー!そうよ!可愛いわ!」
可愛い……もう、これだけで価値があるのでは?
……いやいや!目的違うから!
「おい!いい加減にやめい!」
「グル?」
「グル?じゃない!舐めるのをや・め・ろ!!」
「グルルー」
「ハァ……全く、まずは躾が必要か?」
「いえ、大丈夫ですよ。頭が良いですから。今は、嬉しいのでしょう」
「だ、大丈夫……?か、噛まない……?」
カグヤは檻の外でプルプルしている……可愛い。
「ホホ、もう大丈夫なはずです……が、不安でしょうね。契約を結びましょうね」
そして、対面式の魔法陣の上に乗る。
「では……クロウさん、魔力を高めてください」
「了解です。魔力……こうか?」
俺の魔法陣から、もう一つの魔法陣へ、太い線が伸びていく。
「……凄まじい魔力……!み、見たことないですな。ゴホン!では……汝、この者を主人と認めるか?」
「グルル!」
俺の魔力が、虎を包み込む……。
そして、感覚的にわかった。
魔力による繋がりができたことを。
「……よし、成立しましたな。では、料金ですな。この子は銀貨5枚ですが、一括払いいたしますか?」
「あっ!値段聞いてなかったな……うん?安くないですか?」
この強さなら、最低でも金貨3枚は必要かと思うのだが……。
「ええ、強さだけでいったら金貨が必要です。ですが、その子はまだ成体ではありません。大人と子供の間ほどです。何より、貰い手が限られますから。むしろ、助かりました。逃すわけにもいかないので、餌台も馬鹿になりませんし」
「なるほど、そういうことですか。では、一括払いでお願いします」
これで、俺個人の手持ちは使い切ったな。
明日から、依頼をバンバン受けるとしよう。
「ク、クロウ……?も、もう大丈夫かしら……?」
それまで柱の後ろに隠れていたカグヤが、恐る恐る近づいてきた。
何故か忍び足で、そろりそろりと……。
……可愛い……抱きしめたい……今すぐに。
「グルルー!!」
「わぁ!?キャア!?な、なんなのー!?」
虎がカグヤに飛びかかる……が、じゃれているだけのようだ。
「えっと……どういうことだ?」
「ホホ、クロウさん……相当、お嬢さんのことがお好きなようですな?」
「まあ、そうですね。それがどうかしましたか?」
「その気持ちが、パスを通じて伝わったのでしょう。主人の好きな人という形で」
「あっ、なるほど……まあ、いいか……めちゃくちゃ可愛いし」
「クロウーー!!見てないで助けてよーー!!」
「グルルー!」
……好きな子が獣と戯れる……まさしく、眼福である。
そして無事に支払いも済み、とりあえず家に帰ることにする。
「もう!クロウのバカ!!フン!!」
「ごめんよ、カグヤ。ほら、お前も」
「グルルー……」
「し、仕方ないわね!許してあげる!さ、触ってもいいかしら?」
「グル?」
「ああ、大丈夫だ。おま……まずは、名前か……白い虎……」
「まるでクロウみたいね!」
「ん?ああ、白き虎と呼ばれていたな。こいつは、ハクドラか」
「シロ?ドラ?……ハク!ハクがいいわ!」
「グルルー!!」
「ん?気に入ったのか?まあ、滅多にいない奴みたいだし、かぶることもないか。じゃあ、今日からお前の名前はハクだ。わかったか?」
「グルルー!!」
「ハクね!よろしくね!というわけで……うわぁ……柔らかい……」
「グルルー」
「ふふ、フカフカね!」
……良かった。
護衛だけでなく、癒しにもなってくれそうだ。
その後、帰り道の屋台で食事を買って食べて、散歩がてら都市の中を歩いていく。
その帰り道に食材を買い、家に帰宅する。
庭に出て、ハクに説明をする。
「いいか?ハク、よく聞け」
「グルッ!」
「俺の護衛は必要ない。俺は強い、わかるな?」
「グルルー」
ほう……これがパスの効果か。
ハクの気持ちが伝わってくる。
「よし……というわけで、ハク。お前の仕事は、カグヤの護衛だ。俺がこの世で最も大切な人にして、俺の全てをかけて愛する女性だ」
「にゃにゃ!?にゃに、にゅってんのよ!?」
「イテ!?背中を叩くなよ!」
「グルル?」
ハクがカグヤに擦り寄る。
「そうだ、お前が優先すべきはカグヤだ。俺のことは二の次でいい。俺が死にそうでも、カグヤを守り抜け。いいな?これは、命令だ」
「ちょっと!?クロウ!?」
「カグヤ、落ち着け。俺も死ぬつもりはない。ただ、傷を負うことはあるだろう。その時に、ハクが主人である俺を優先しないようにだ。そのためには、大袈裟なくらいがちょうどいい」
「ホッ……もう!ビックリしたじゃない!」
俺はハクに念を送る。
……ハク、俺は本気だ。
いざという時は、俺を見捨ててでもカグヤを守り抜け!!
「グルル!!」
「ど、どうしたのかしら?急にシャキッとしたわ」
……よし、伝わったな。
これで、カグヤを安心して戦場に出せる。
もちろん、そんなことはさせたくない。
だが、本人が望むのなら仕方ない。
ならば……俺に出来るのは、その手助けをすることだ。
その日の昼間は、リハビリの時間にした。
幸い、庭は広い。
カグヤは、久々の弓の練習。
俺は2日寝込んでいたので、鈍った身体を動かす。
さらに剣技も磨く。
ちなみに……ハクは、ゴロゴロとしている。
カグヤが、時折近づき……。
「 ハク!にゃーにゃー」
「グル?」
「違うわ!にゃーにゃー」
「……ニャー?」
「ニャー!そうよ!可愛いわ!」
可愛い……もう、これだけで価値があるのでは?
……いやいや!目的違うから!