……落ち着け……今は、カグヤのことに集中しろ……!
あいつらは2人しかいない……?
後ろには、縛り付けられているカグヤ。
まだ、気を失っているか……。
その横には、ナイルがいる。
他にはいない……?俺が暗部を全滅させたからか……?
カグヤさえ人質にとれば、俺が手を出せないという算段か……。
……当たっているがな。
そして、《《さっきのアレは……いたな》》。
意識しておこう。
「久しぶりだな、クズ共。元気そうで反吐がでるな」
「な!?き、貴様!?父親に向かってなんて口を!?」
「クズですって!?それはこっちのセリフだわ!私達は、お前のせいでこんなところまで来なくてはならなかったのよ!?」
「都合のいい時だけ、父親づらか?そんなこと思ってもいないくせに……おい、クソババア。そんなこと知るか、自業自得だろ。どうせ、他にも悪どいことをしてたんだろ?」
「グッ……!」
「なっ……!」
「図星かよ……相変わらず、クソだな」
「フ、フン!そんな口をきいていいのか?こっちには、人質がいるんだぞ!?」
「そうよ!!早く武器を捨てなさいよ!!」
「ああ、わかっている」
俺は二本の剣を、遠くに放り投げる。
この二本はバレているから、持ってないのは不自然だからな。
アイテムボックスの存在に気づかれるわけにはいかない……。
「ふふふ……それでいい。力を抜け!防御するんじゃないぞ!?さあ!ナイル!やれ!」
「そうよ!あのナイフなら、いくらあいつが化け物でも殺せるわ!」
2人のクズは、カグヤの横に移動する。
代わりにナイルが前に出て、俺に近づいてくる……。
……あのナイフ、俺を殺せる……毒の可能性大だな………。
さて、避けるという選択肢はない。
カグヤが害される。
だが、受けても結局は助けられないか……。
いや、ならば……。
「よう、ナイル」
「…………」
「どうした?喋れないのか?」
「…………」
ナイルは、苦渋に満ちた表情だ……やはり、脅されているか。
そして余計な口をきいたら、あの鳥が知らせにいくということか……?
「ん……?ここは?……ク、クロウーー!!お願い!!逃げて!!」
「気がついたか!おい!喋るんじゃねえよ!」
「ちょっと!?その女は無傷でって……」
「しまった!つい……まあ、大丈夫だろ」
……必ず殺す……ヤロウ、カグヤを蹴りやがった……!
だが……今は耐えろ……激情に駆られるな……!
「カグヤ!!何も言わなくていい!大人しくしててくれ!」
「ク、クロウ……」
「フン!それでいいんだよ」
そして、いよいよナイルが俺の目の前に来た。
「いいぞ、刺せばいい。お前は、お前の大事な者のために」
「ッーー!!隊長、すみません!!」
意識を持っていかれないように、覚悟を決める!!
ナイフが、俺の腹に突き刺さる!!
「ッーー!!ガハッ!!ナ、ナイル……返事はしなくていい、カグヤの側にいけ……あとは、俺に任せろ……ゴフッ!!」
俺は周りに聞こえないように、静かに呟いた。
「…………」
ナイルは、黙って下がっていく。
こ、これは……口から血が止まらん……!
毒に麻痺か……神経系に深刻なダメージだな……!
耐えきれずに、俺はうつ伏せの状態になる……。
だが……なんとか、手だけは上げることができた……。
「クロウーーー!!!」
カグヤが泣いている……俺のせいだ……なんと不甲斐ないことか……!
「ハハハ!!やったぞ!!これで、俺の罪はなくなる!!」
「よくやったわ!ホーホッホ!!これで、また好き勝手にできるわ!」
……意識を保て……よし、あいつらこっちに来たな。
その時、鷹が俺の目の前に降りてきた。
「ふむ……完全に毒が回ってますね……さて、こんにちは」
「やはり、従魔か……俺をつけていたな?ゲフッ……」
「ちょっと!?宰相様!!早くとどめを刺しましょう!」
「そうよ!私達がやりますわ!」
……宰相だと……?噂では、突如現れ、一気に成り上がったという話だが……。
「黙っておれ。ベラベラと余計な口をききおって……死にたいか?」
「ヒィ!?」
「お、お許しを!!」
「フン……そうだよ。辺境伯領から出る君を、遠くから観察していたよ。君は鋭そうだからね……さて、クロウ君。色々とご苦労だったな。おかげで、私の計画が進みそうだよ」
「……どういう意味だ……?ゴフッ!」
「東の国境に、君がいては邪魔だったのだよ。なので、情報を入手したから、カグヤ嬢を死刑にすると噂を流したのだよ。君が助けに来ると思ってね……計画通りにね。今回は、君に礼を言いにきたのだよ。ありがとう、そしてさようなら……かな?」
「……なるほど……俺はまんまとやられたわけか……」
……となると、こいつが黒幕か……。
カグヤに濡れ衣を着せたのも……ただじゃおかない……!
俺はあらん限りの力を入れて、激痛の中、魔力を高めていく……。
こいつらは、俺が動けるとも思っていないはず……。
……よし……あとは、タイミングを見計う……。
「私の計画にはカグヤ嬢は必要なのでね、もらっていくよ。大丈夫、乱暴にはしないから。私が頂くことにするよ。そういえば、君は何も聞いていないのかい?自分の出自や、カグヤ嬢の出自について……」
「……なんのことだか、さっぱりだな……」
「そうか……それも聞きたかったんだよ。知っていたら情報が増えるからね。なら、もういい……死にたまえ」
剣を持ったクズ2人が寄ってくる。
「……俺を舐めるなよ……!ハァ!!」
うつ伏せの状態から、魔力を込めた指先で、小石を弾く!!
「ギャーーー!!!目が、目がーーー!!!」
どうやら、鷹の目に命中したようだな……。
そしてリンク先の宰相まで、ダメージがいったようだ。
「ざまあみろ……勝ち誇って説明してるからだ……ハァァァ!!!」
魔力を全身に回し、身体を無理矢理動かそうとする……!
頼む……!俺の身体よ!カグヤを助けたいんだ!応えてくれ!!
「ヒィ!?」
「な、なんで動けるのよ!?」
クズ2人は尻餅をついている……ぬくぬくと安全な場所で生きているからだ……!
「貴様ら!!早く殺せ!ただのやせ我慢にすぎん!時間を稼げ!そうすれば、死ぬはずだ!おい!ナイル!お前も手伝え!でないと、今から妹を殺せと知らせにいくぞ!?」
「やはり、そういうことか……シィッ!!」
アイテムボックスの中から、ナイフを取り出して鷹に投げる!
「グキャーー!!カ、カ、カ……」
よし……死んだな。
これで、平気なはずだ。
「ッーー!!ゴホッ!ゴホッ!」
「ク、クロウ!!もう動かないで!死んじゃうよぉー!!」
「隊長!!これでもう平気です!!私にお任せを!!カグヤさん、申し訳ありませんでした。縄を解きますね」
「ナ、ナイル!!」
「わかってます!私を後で殺してください!ただ……」
「そ、グハッ!……そんなことはどうでもいい……!早く行け!!お前の大事な者の元に!!一秒でも早く!!ゲホッ!ゲホッ!……こいつらは、俺の獲物だ!!」
「ま、待て!!わかった!この女を差出そう!こいつが言ったんだ!あの女を追い出そうって!」
「ちょっと!?何言ってるのよ!?アンタがあの女が煩いからって、追い出そうって言ったんじゃない!!」
「クズめ……カハッ……ゼェ、ゼェ」
「ク、クロウ!!今行くわ!!」
「来るな!!離れてろ!!ナイル!グズグズするな!行けぇーー!!」
「後で、殺されにきます!!では、失礼します!!」
ナイルはその場から離れていく……。
これでいい……大切な者を想う気持ちは、痛いほど分かる……。
「さて……覚悟はできたか……?」
アイテムボックスから、剣を取り出す。
「や、やめて!!私は、関係ない、ギャーー!!腕がーー!!」
「お、おい!父親だぞ!?お前は父、グハッ!!あ、足がない?ない!ガァーー!!」
俺は、それぞれの手と足を切り落とした。
「ゼェ、ゼェ……できれば苦しめて殺したいが、俺にも時間がない。今、楽にしてやる」
「アーー!!あーー!腕!!腕がーー!!」
「……死ね」
頭に剣を振り下ろす。
「ペキャ!?」
これで、よし……次だ。
「なんでだ!?足がない!!俺の足!!アアーー!!」
「……さらばだ」
水平に剣を振り、首を切り落とす。
「………」
物言わぬ死体となった。
その顔は、信じられないという表情に見える……。
これで……終わったか。
「クロウーー!!」
俺は、カグヤに抱きとめられる。
「カグヤ……すまない、俺が油断した……カグヤを守ると誓ったのに、なんてざまだ……」
「そんなことない!守ってくれたわ!私の方こそごめんなさい!私のせいなんでしょ!?私がいたから……クロウが……」
「泣かないでくれ……俺なら平気だ。カグヤ……こんな不甲斐ない俺だが、お前の側にいたいんだ。まだ、俺にお前を守らせてくれるか……?」
「クロウ……この者に宿る異物を取り除け、リムーブ!……んっ……」
「ツーー!!」
「ど、どう?少しは楽になったかしら?」
「あ、ああ……なんでキスを……?そ、そうか、効果が倍増すると聞いたことがあるな」
「わ、私のファーストキスなんだからね!」
「そんな貴重なものを……俺にしていいのか?」
「もう!クロウのバカ!鈍感!……クロウのこと……す、好きだからいいの!」
「………え?あ、いや、えぇー!?い、いつからだ!?」
「最初からよ!もう!全然気付かないんだから!でも……そんなとこも好きよ!」
……これは夢だろうか……?
カグヤが俺を好きだと……?
「カグヤ……君を愛してる。これからも、俺と一緒にいてくれ」
「し、仕方ないわね!じゃあ、その、クロウから……あっ、んっ……」
俺は自分から、カグヤに口づけをするのだった……。
あいつらは2人しかいない……?
後ろには、縛り付けられているカグヤ。
まだ、気を失っているか……。
その横には、ナイルがいる。
他にはいない……?俺が暗部を全滅させたからか……?
カグヤさえ人質にとれば、俺が手を出せないという算段か……。
……当たっているがな。
そして、《《さっきのアレは……いたな》》。
意識しておこう。
「久しぶりだな、クズ共。元気そうで反吐がでるな」
「な!?き、貴様!?父親に向かってなんて口を!?」
「クズですって!?それはこっちのセリフだわ!私達は、お前のせいでこんなところまで来なくてはならなかったのよ!?」
「都合のいい時だけ、父親づらか?そんなこと思ってもいないくせに……おい、クソババア。そんなこと知るか、自業自得だろ。どうせ、他にも悪どいことをしてたんだろ?」
「グッ……!」
「なっ……!」
「図星かよ……相変わらず、クソだな」
「フ、フン!そんな口をきいていいのか?こっちには、人質がいるんだぞ!?」
「そうよ!!早く武器を捨てなさいよ!!」
「ああ、わかっている」
俺は二本の剣を、遠くに放り投げる。
この二本はバレているから、持ってないのは不自然だからな。
アイテムボックスの存在に気づかれるわけにはいかない……。
「ふふふ……それでいい。力を抜け!防御するんじゃないぞ!?さあ!ナイル!やれ!」
「そうよ!あのナイフなら、いくらあいつが化け物でも殺せるわ!」
2人のクズは、カグヤの横に移動する。
代わりにナイルが前に出て、俺に近づいてくる……。
……あのナイフ、俺を殺せる……毒の可能性大だな………。
さて、避けるという選択肢はない。
カグヤが害される。
だが、受けても結局は助けられないか……。
いや、ならば……。
「よう、ナイル」
「…………」
「どうした?喋れないのか?」
「…………」
ナイルは、苦渋に満ちた表情だ……やはり、脅されているか。
そして余計な口をきいたら、あの鳥が知らせにいくということか……?
「ん……?ここは?……ク、クロウーー!!お願い!!逃げて!!」
「気がついたか!おい!喋るんじゃねえよ!」
「ちょっと!?その女は無傷でって……」
「しまった!つい……まあ、大丈夫だろ」
……必ず殺す……ヤロウ、カグヤを蹴りやがった……!
だが……今は耐えろ……激情に駆られるな……!
「カグヤ!!何も言わなくていい!大人しくしててくれ!」
「ク、クロウ……」
「フン!それでいいんだよ」
そして、いよいよナイルが俺の目の前に来た。
「いいぞ、刺せばいい。お前は、お前の大事な者のために」
「ッーー!!隊長、すみません!!」
意識を持っていかれないように、覚悟を決める!!
ナイフが、俺の腹に突き刺さる!!
「ッーー!!ガハッ!!ナ、ナイル……返事はしなくていい、カグヤの側にいけ……あとは、俺に任せろ……ゴフッ!!」
俺は周りに聞こえないように、静かに呟いた。
「…………」
ナイルは、黙って下がっていく。
こ、これは……口から血が止まらん……!
毒に麻痺か……神経系に深刻なダメージだな……!
耐えきれずに、俺はうつ伏せの状態になる……。
だが……なんとか、手だけは上げることができた……。
「クロウーーー!!!」
カグヤが泣いている……俺のせいだ……なんと不甲斐ないことか……!
「ハハハ!!やったぞ!!これで、俺の罪はなくなる!!」
「よくやったわ!ホーホッホ!!これで、また好き勝手にできるわ!」
……意識を保て……よし、あいつらこっちに来たな。
その時、鷹が俺の目の前に降りてきた。
「ふむ……完全に毒が回ってますね……さて、こんにちは」
「やはり、従魔か……俺をつけていたな?ゲフッ……」
「ちょっと!?宰相様!!早くとどめを刺しましょう!」
「そうよ!私達がやりますわ!」
……宰相だと……?噂では、突如現れ、一気に成り上がったという話だが……。
「黙っておれ。ベラベラと余計な口をききおって……死にたいか?」
「ヒィ!?」
「お、お許しを!!」
「フン……そうだよ。辺境伯領から出る君を、遠くから観察していたよ。君は鋭そうだからね……さて、クロウ君。色々とご苦労だったな。おかげで、私の計画が進みそうだよ」
「……どういう意味だ……?ゴフッ!」
「東の国境に、君がいては邪魔だったのだよ。なので、情報を入手したから、カグヤ嬢を死刑にすると噂を流したのだよ。君が助けに来ると思ってね……計画通りにね。今回は、君に礼を言いにきたのだよ。ありがとう、そしてさようなら……かな?」
「……なるほど……俺はまんまとやられたわけか……」
……となると、こいつが黒幕か……。
カグヤに濡れ衣を着せたのも……ただじゃおかない……!
俺はあらん限りの力を入れて、激痛の中、魔力を高めていく……。
こいつらは、俺が動けるとも思っていないはず……。
……よし……あとは、タイミングを見計う……。
「私の計画にはカグヤ嬢は必要なのでね、もらっていくよ。大丈夫、乱暴にはしないから。私が頂くことにするよ。そういえば、君は何も聞いていないのかい?自分の出自や、カグヤ嬢の出自について……」
「……なんのことだか、さっぱりだな……」
「そうか……それも聞きたかったんだよ。知っていたら情報が増えるからね。なら、もういい……死にたまえ」
剣を持ったクズ2人が寄ってくる。
「……俺を舐めるなよ……!ハァ!!」
うつ伏せの状態から、魔力を込めた指先で、小石を弾く!!
「ギャーーー!!!目が、目がーーー!!!」
どうやら、鷹の目に命中したようだな……。
そしてリンク先の宰相まで、ダメージがいったようだ。
「ざまあみろ……勝ち誇って説明してるからだ……ハァァァ!!!」
魔力を全身に回し、身体を無理矢理動かそうとする……!
頼む……!俺の身体よ!カグヤを助けたいんだ!応えてくれ!!
「ヒィ!?」
「な、なんで動けるのよ!?」
クズ2人は尻餅をついている……ぬくぬくと安全な場所で生きているからだ……!
「貴様ら!!早く殺せ!ただのやせ我慢にすぎん!時間を稼げ!そうすれば、死ぬはずだ!おい!ナイル!お前も手伝え!でないと、今から妹を殺せと知らせにいくぞ!?」
「やはり、そういうことか……シィッ!!」
アイテムボックスの中から、ナイフを取り出して鷹に投げる!
「グキャーー!!カ、カ、カ……」
よし……死んだな。
これで、平気なはずだ。
「ッーー!!ゴホッ!ゴホッ!」
「ク、クロウ!!もう動かないで!死んじゃうよぉー!!」
「隊長!!これでもう平気です!!私にお任せを!!カグヤさん、申し訳ありませんでした。縄を解きますね」
「ナ、ナイル!!」
「わかってます!私を後で殺してください!ただ……」
「そ、グハッ!……そんなことはどうでもいい……!早く行け!!お前の大事な者の元に!!一秒でも早く!!ゲホッ!ゲホッ!……こいつらは、俺の獲物だ!!」
「ま、待て!!わかった!この女を差出そう!こいつが言ったんだ!あの女を追い出そうって!」
「ちょっと!?何言ってるのよ!?アンタがあの女が煩いからって、追い出そうって言ったんじゃない!!」
「クズめ……カハッ……ゼェ、ゼェ」
「ク、クロウ!!今行くわ!!」
「来るな!!離れてろ!!ナイル!グズグズするな!行けぇーー!!」
「後で、殺されにきます!!では、失礼します!!」
ナイルはその場から離れていく……。
これでいい……大切な者を想う気持ちは、痛いほど分かる……。
「さて……覚悟はできたか……?」
アイテムボックスから、剣を取り出す。
「や、やめて!!私は、関係ない、ギャーー!!腕がーー!!」
「お、おい!父親だぞ!?お前は父、グハッ!!あ、足がない?ない!ガァーー!!」
俺は、それぞれの手と足を切り落とした。
「ゼェ、ゼェ……できれば苦しめて殺したいが、俺にも時間がない。今、楽にしてやる」
「アーー!!あーー!腕!!腕がーー!!」
「……死ね」
頭に剣を振り下ろす。
「ペキャ!?」
これで、よし……次だ。
「なんでだ!?足がない!!俺の足!!アアーー!!」
「……さらばだ」
水平に剣を振り、首を切り落とす。
「………」
物言わぬ死体となった。
その顔は、信じられないという表情に見える……。
これで……終わったか。
「クロウーー!!」
俺は、カグヤに抱きとめられる。
「カグヤ……すまない、俺が油断した……カグヤを守ると誓ったのに、なんてざまだ……」
「そんなことない!守ってくれたわ!私の方こそごめんなさい!私のせいなんでしょ!?私がいたから……クロウが……」
「泣かないでくれ……俺なら平気だ。カグヤ……こんな不甲斐ない俺だが、お前の側にいたいんだ。まだ、俺にお前を守らせてくれるか……?」
「クロウ……この者に宿る異物を取り除け、リムーブ!……んっ……」
「ツーー!!」
「ど、どう?少しは楽になったかしら?」
「あ、ああ……なんでキスを……?そ、そうか、効果が倍増すると聞いたことがあるな」
「わ、私のファーストキスなんだからね!」
「そんな貴重なものを……俺にしていいのか?」
「もう!クロウのバカ!鈍感!……クロウのこと……す、好きだからいいの!」
「………え?あ、いや、えぇー!?い、いつからだ!?」
「最初からよ!もう!全然気付かないんだから!でも……そんなとこも好きよ!」
……これは夢だろうか……?
カグヤが俺を好きだと……?
「カグヤ……君を愛してる。これからも、俺と一緒にいてくれ」
「し、仕方ないわね!じゃあ、その、クロウから……あっ、んっ……」
俺は自分から、カグヤに口づけをするのだった……。