俺様はこの国の皇太子だ。
この大陸で1番豊かで広い国にして、支配地域の多い国だ。
つまり、この大陸で1番偉いということだ。
もちろん父もいるが、アレは実質いないようなものだ。
それを、あの女め……!
ちっとも触らせないくせに、口ばかり達者で俺に説教する女め!!
何が!結婚まではいたしませんだ!俺様がやらせろと言ったら、やらせろってんだ!
何が民のために行動しろだ!
あんなものは放っておいても、すぐに増えるだろう!
いくら死のうが構わんではないか!
むしろ、もっと税金を納めろ!
兵士達は大変?
そんなの知ったことか!
国を守るのが、兵士の役目だろうが!
つべこべ言わずに、戦えってんだよ!
本当に、腹の立つ女だったな!なまじ見た目がいいだけに、なおさらのことだ!
だから、無実の罪で死刑にまで追い込んだのだが……逃げられる始末!!
あー!!腹が立つ!!
……だが、もっと業腹《ごうはら》な奴がいる。
この俺様をゴミを見るかのような目で見やがって……!
あのクロウとかいう男だ!
あいつのせいで、カグヤには逃げられた!
しかも……皇太子である、この俺様を殺そうとしやがった!!
許せるわけがないだろうが!
クソ!!カグヤもクロウとかいう奴もムカつくぜ!!
全ての民は、俺様に傅かなくてはならないんだ!
必ず、二人とも殺してやる!!
「大丈夫ですか?カイルさまぁ」
「ああ、大丈夫だ。嫌な夢を見ただけだ」
「あら……では、私が忘れさせてあげますわ……」
「ふふ、良い心掛けだ。やはり、そうでなくてはな。では、頂くとしよう」
「アン……ヤァ……すごい……」
全く、これがあるべき女の姿だろうに!
そうだ!ふふ……良い考えを思いついたぞ。
「どうですか?スッキリいたしましたか?」
「ああ、まあな。おい!誰かこい!!」
「皇太子殿下、お呼びでしょうか?」
「ああ、バーグ侯爵を呼べ。今すぐにだ」
「畏まりました。すぐに呼んでまいります」
「お父様をですか?」
「ああ、どうなったかを聞かなくてはな」
すると、五分も経たずにバーグ侯爵がやってくる。
「この俺様を待たせるとは……と言いたいところだが、お前だから勘弁してやろう。
こんなに良い女をくれたし、邪魔な奴やうるさい奴らを消してくれたからな」
コイツは、俺様が皇太子になる前から侍っている。
さらに俺様に説教する古い貴族や、帝位を狙ってくる奴らを、秘密裏に消してくれた。
だから俺様は、コイツを宰相にした。
有能だし、俺様の言うことを聞くからな。
ついでに、親父のことも《《壊してくれた》》しな。
「カイル殿下の懐の深さに感謝いたします。それで、いかがなさったのでしょうか?」
「あれからどうなった?色々と説明をしろ」
「畏まりました。まず、あの二人は行方不明になった模様です」
「なんだと!?どういうことだ!?」
「辺境伯から言われました。そちらこそ、どこにやったと。
まあ、おそらくはマルグリット王国に逃げたのだと思います。なので、追手を差し向けております」
「なるほど……動いているならいい。それで、大丈夫なんだろうな?お前が言ったんだぞ?辺境伯は、最終的には敵にまわらないと……カグヤより、国を優先すると」
「ええ、大丈夫です。あそこの辺境伯は民を見捨てられませんから。多少の抗議はありますが、結果的に娘も死んでいないので、収まるでしょう」
「だが、俺様はあの女を捕まえたいぞ!!」
「ご安心を。カグヤのみを極秘裏に捕まえ、こちらに運べばよいのです。さすがに、あのクロウとかいう男も、四六時中側にはいられないはず。
仮に追ってきたとしても、今度は準備万端で待っていれば問題はありません。カグヤにはその後、このまま行方不明になってもらいましょう。何しろ、辺境伯本人も知らないと言っておりますから」
「なるほど……ククク、お前も悪いやつよ。それで、西の戦線は?あの、クロウとかいう奴がいないとまずいのか?」
「いえ、問題はありません。所詮は1人の兵士です。さらに新たな辺境伯は父親とは違い、指揮官として優秀です。それに父親と違い、着服をしませんから」
「そうか、ならいい。この皇都にさえ、被害が及ばないならな。あの前辺境伯は、相当皇都からの贈り物を自分の懐に入れてたらしいな」
「ええ、むしろ……」
「いや、いい。あのクロウという奴のおかげでもあるってことか……」
「まあ、そうですね。これで、しばらくは問題ないはずです。あとは、ゆっくりと地盤を固めてまいりましょう」
「ククク……そうだな。それらは、お前に任せる。俺様は、ここでのんびりするとしよう」
「ねぇ、お父様ぁ。もういいでしょう?私、もう身体が……」
「そうだな。ではカイル殿下。これにて、よろしいでしょうか?」
「ああ、下がっていい」
「では、失礼いたします。マリア、しっかりな」
「はぁい、お父様」
「大丈夫だ、こいつはよくやってくれている」
「カイル様ぁ……私、もう……」
「ククク、さっきしたばかりではないか……仕方のない女だ。
だが、嫌いじゃない。では、二回戦と行こうか」
「アッ……逞しいですわ……」
ククク……カグヤを捕まえたら、犯してやろう。
それも、あのクロウとかいう奴の目の前でだ!
処刑前にも考えたのだが、この女にすっからかんにされ、ヤル気が出なかったからな。
唯一の不安は、あいつの強さだが……。
騎士団長も、準備さえしてしてれば不覚をとることはないと言っていたしな。
ハハハ!今から楽しみだ!
さぞかし気分が良いことだろう!!
この大陸で1番豊かで広い国にして、支配地域の多い国だ。
つまり、この大陸で1番偉いということだ。
もちろん父もいるが、アレは実質いないようなものだ。
それを、あの女め……!
ちっとも触らせないくせに、口ばかり達者で俺に説教する女め!!
何が!結婚まではいたしませんだ!俺様がやらせろと言ったら、やらせろってんだ!
何が民のために行動しろだ!
あんなものは放っておいても、すぐに増えるだろう!
いくら死のうが構わんではないか!
むしろ、もっと税金を納めろ!
兵士達は大変?
そんなの知ったことか!
国を守るのが、兵士の役目だろうが!
つべこべ言わずに、戦えってんだよ!
本当に、腹の立つ女だったな!なまじ見た目がいいだけに、なおさらのことだ!
だから、無実の罪で死刑にまで追い込んだのだが……逃げられる始末!!
あー!!腹が立つ!!
……だが、もっと業腹《ごうはら》な奴がいる。
この俺様をゴミを見るかのような目で見やがって……!
あのクロウとかいう男だ!
あいつのせいで、カグヤには逃げられた!
しかも……皇太子である、この俺様を殺そうとしやがった!!
許せるわけがないだろうが!
クソ!!カグヤもクロウとかいう奴もムカつくぜ!!
全ての民は、俺様に傅かなくてはならないんだ!
必ず、二人とも殺してやる!!
「大丈夫ですか?カイルさまぁ」
「ああ、大丈夫だ。嫌な夢を見ただけだ」
「あら……では、私が忘れさせてあげますわ……」
「ふふ、良い心掛けだ。やはり、そうでなくてはな。では、頂くとしよう」
「アン……ヤァ……すごい……」
全く、これがあるべき女の姿だろうに!
そうだ!ふふ……良い考えを思いついたぞ。
「どうですか?スッキリいたしましたか?」
「ああ、まあな。おい!誰かこい!!」
「皇太子殿下、お呼びでしょうか?」
「ああ、バーグ侯爵を呼べ。今すぐにだ」
「畏まりました。すぐに呼んでまいります」
「お父様をですか?」
「ああ、どうなったかを聞かなくてはな」
すると、五分も経たずにバーグ侯爵がやってくる。
「この俺様を待たせるとは……と言いたいところだが、お前だから勘弁してやろう。
こんなに良い女をくれたし、邪魔な奴やうるさい奴らを消してくれたからな」
コイツは、俺様が皇太子になる前から侍っている。
さらに俺様に説教する古い貴族や、帝位を狙ってくる奴らを、秘密裏に消してくれた。
だから俺様は、コイツを宰相にした。
有能だし、俺様の言うことを聞くからな。
ついでに、親父のことも《《壊してくれた》》しな。
「カイル殿下の懐の深さに感謝いたします。それで、いかがなさったのでしょうか?」
「あれからどうなった?色々と説明をしろ」
「畏まりました。まず、あの二人は行方不明になった模様です」
「なんだと!?どういうことだ!?」
「辺境伯から言われました。そちらこそ、どこにやったと。
まあ、おそらくはマルグリット王国に逃げたのだと思います。なので、追手を差し向けております」
「なるほど……動いているならいい。それで、大丈夫なんだろうな?お前が言ったんだぞ?辺境伯は、最終的には敵にまわらないと……カグヤより、国を優先すると」
「ええ、大丈夫です。あそこの辺境伯は民を見捨てられませんから。多少の抗議はありますが、結果的に娘も死んでいないので、収まるでしょう」
「だが、俺様はあの女を捕まえたいぞ!!」
「ご安心を。カグヤのみを極秘裏に捕まえ、こちらに運べばよいのです。さすがに、あのクロウとかいう男も、四六時中側にはいられないはず。
仮に追ってきたとしても、今度は準備万端で待っていれば問題はありません。カグヤにはその後、このまま行方不明になってもらいましょう。何しろ、辺境伯本人も知らないと言っておりますから」
「なるほど……ククク、お前も悪いやつよ。それで、西の戦線は?あの、クロウとかいう奴がいないとまずいのか?」
「いえ、問題はありません。所詮は1人の兵士です。さらに新たな辺境伯は父親とは違い、指揮官として優秀です。それに父親と違い、着服をしませんから」
「そうか、ならいい。この皇都にさえ、被害が及ばないならな。あの前辺境伯は、相当皇都からの贈り物を自分の懐に入れてたらしいな」
「ええ、むしろ……」
「いや、いい。あのクロウという奴のおかげでもあるってことか……」
「まあ、そうですね。これで、しばらくは問題ないはずです。あとは、ゆっくりと地盤を固めてまいりましょう」
「ククク……そうだな。それらは、お前に任せる。俺様は、ここでのんびりするとしよう」
「ねぇ、お父様ぁ。もういいでしょう?私、もう身体が……」
「そうだな。ではカイル殿下。これにて、よろしいでしょうか?」
「ああ、下がっていい」
「では、失礼いたします。マリア、しっかりな」
「はぁい、お父様」
「大丈夫だ、こいつはよくやってくれている」
「カイル様ぁ……私、もう……」
「ククク、さっきしたばかりではないか……仕方のない女だ。
だが、嫌いじゃない。では、二回戦と行こうか」
「アッ……逞しいですわ……」
ククク……カグヤを捕まえたら、犯してやろう。
それも、あのクロウとかいう奴の目の前でだ!
処刑前にも考えたのだが、この女にすっからかんにされ、ヤル気が出なかったからな。
唯一の不安は、あいつの強さだが……。
騎士団長も、準備さえしてしてれば不覚をとることはないと言っていたしな。
ハハハ!今から楽しみだ!
さぞかし気分が良いことだろう!!