さて、この感動の再会を邪魔するクズ共を片付けなくてはな。

「カグヤ!!そこにいろ!!俺は、奴らを追い払うとしよう!!」

「え!?クロウ!?無茶だわ!?何千人もいるのよ!?」

「どうってことはない!一度にかかってこれる人数は決まっている!むしろ、乱戦の時は俺1人の方がいい!俺の周りは敵だけだから気にすることもない!ヨゼフ様!カグヤをよろしくお願いしますよ!?」

「クロウじゃと!?あのヒヨッコが……」

「では……参る!!」

 俺は馬を反転させ、帝国軍に近づいていく。

「も、戻ってきたぞーー!!」

「あ、アイツはなんなんだ!?」

「見たことないぞ!?」

 フン……俺を知らないとは……やはり、激戦区に来たことない奴らか。
 俺の敵ではないな、さっさと片付けるとしよう。

「聞けぇ!!帝国軍のクズ共!!俺は、今から貴様らを殺す!!だが、俺は今機嫌が良い!!逃げるのならば、追わないと約束しよう!だが、歯向かう者は皆殺しだ!!」

「な、何言ってんだ!?アイツ!?」

「馬鹿じゃねーの!?」

「いや!俺はさっき見た!!兵士が瞬殺されるのを……!!」

「さあ!どうする!?10秒間だけ時間をやる!!」

「どうする!?」

「俺は逃げるぞ!?だって冥土のエリゼがいないから平気だと思ったのに!!」

「お、俺も!死にたくねえよ!」

 兵士達が帝都方面に逃げだしていく。
 おそらく、俺が後ろから攻めた時に、指揮官クラスを殺していたのだろうな。
 それを止める奴が少ない様子だ。

「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1……0」

 よし、どの程度残ったかな?
 ……千人くらいか……それなら問題ない。

「では……参る!!」

 馬を走らせながら、二つの剣を抜く。

「来たぞー!!向かい打て!相手は一人だぞ!!」

「まずは、魔法を放て!!」

「遅い!遅すぎる!!魔刃剣乱舞!!」

 まずは、魔法使い共を一掃する!

「なー!?グハッ!!」

「や、やめー!!ぎゃー!!」

「う、うわー!!え?血?アアー!!」

 よし、これでいい。

「覚悟しろよ!クズ共!!俺の怒りを思い知れ!!」

 敵の真っ只中に突撃し、縦横無尽に剣を振るう!!

 その度に鮮血が舞い、人の部位が飛んでいく!!

 戦場には、悲鳴だけがこだまする……!

「もう、やめーーー」

「し、死にたく……」

「いやだーー!!」

「俺は言ったぞ!!逃げてもいいと!!ここに残ったなら、死ぬ覚悟を決めろ!!」

 時折、指揮官クラスが槍や剣を向けてくるが……。

「隙あり!!」

「ハッ!!隙なんざねえ!!」

 剣ごと、兵士を一刀両断する!

「よし!今だ!!」

 どうやら、背中から槍で突くようだが……甘い!!
 俺は、魔力を背中に集める。

「殺《と》った!!……何故だ……?何故刺さらない!?」

「貴様ごときの突きで、俺の魔力の壁が壊せるわけがなかろうが!!」

 振り向きながら剣を振るい、首を切断する!

 驚愕の表情のまま首が落ち、遅れて身体が地面に伏す。

「将軍がやられたぞーー!!」

「に、逃げろーー!!」

「うわーー!!!」

 あぁ?アレが将軍かよ!考えられんな!
 アレぐらいなら、俺の部下の方が強いぞ。



 ……さて、ほとんど始末したか。
 このくらいで、勘弁してやるとしよう。
 ……さすがに、少し疲れたしな。

「クロウーー!!無事ーー!?怪我はないーー!?」

 可愛い声が、俺を元気付ける。

 俺は、カグヤに近づきながら答える。

「ああ!問題ない!少し疲れただけだ!」

「なんと……!あの小僧だったクロウが……噂には聞いておったが」

「ヨゼフ様、お久しぶりでございます」

「お父様!クロウが命がけで助けてくれたのよ!」

「そうか……!!クロウ!!感謝する……!!我が愛しの娘を助けてくれて……!!」

「何をおっしゃるのですか。あなた方がいなければ、私はとうに死んでいました。感謝するのは、私の方です」

「……立派になりおって。亡き祖父に似てきたのう。だが、それでも言おう。クロウ!ありがとうと!」

「クロウ、ありがとうね!」

 2人の笑顔を見て、俺は思う。

 ひとまずは、ここまで来られた。

 だが、ここからどうするかだな……。