サラバンドに帰ってきた翌日、俺達の祭りが始まる!!

「第一回!! チキチキ! お土産開封たいかーい!!!!」

「いえぇぇぇぇい!!」

「ウォォォォォン!!」

「――と、言う事で俺達の買ったノヴァーリスお土産を俺達二人と一匹で見ていくぜ!! まずは俺のお土産だ!」

 俺は袋に入った大量の商品を並べる。

「なんか訳の分からない魔道具が多いわね......この『コンダテルーレット』って何?」

「ホノラよ! よくぞ聞いてくれました! これは、『今日の晩御飯どうしようかなー。迷っちゃうなー』ってなった時にランダムでメニューを組み立ててくれる凄い魔道具なんだよ!」

 凄くないこれ! 魔道具屋の店長が最近入荷したって割引もしてくれたんだよ? これは買うっきゃないでしょ!

「――――だが小僧よ、これはそもそも内蔵されている料理数が少な過ぎて5回に一回はメニューが被るぞ?」

 前足でスロットスタートボタンをポチポチしているモフローから衝撃の事実が告げられる。

「大体、ご飯なんて殆ど“ヨージ”の日替わりメニュー定食何だからコレ必要ないじゃない。イントリーグさんも店主もメニュー被らせた事ないわよ?」

「なっ――――確かに!?」

「......無駄使いね」

「そっ......そう言うホノラは! 何を買って来たんだよ!! 俺にそこまで言うくらいなら、さぞ凄いものを買ってきたんだろうな?」

「良いじゃない見せてやろうじゃないの!! これが私のお土産よ!」

 そう言ってホノラが出したのは、大量の本だった。

「めっちゃ本じゃん! てか漫画?」

「その通り!! 最近週刊発行になった“週刊ギルド”に連載されている『紅蓮の侍エラ』の初版限定特典付き単行本よ!! サラバンドで買おうと思ってたんだけど、待ちきれなくて買っちゃった!! あと『まじかる☆先公!! キューカンバ!』の公式ファンブックと『SENピース』のスピンオフ『SENピース外伝~失われた1000ピースパズルを追え~』も思い切って買っちゃった!!」

「なんで同じ本が三冊づつあるんだ?」

「保存用と観賞用と布教用ね。マツルにも一冊づつ貸すわ! 特に『紅蓮の侍 エラ』は最近連載が始まったばっかりだけど凄い面白いの!! 丁度マツルと同じ感じだし絶対ハマるわ!」

 『紅蓮の侍 エラ』は作者名が“煮足 夜足(にたり よたり)となっていた。

 漢字にご丁寧にこっちの言語でフリガナまで書いてある辺り、これ日本人だよなぁ......まぁ、気が向いたら読んでみるか。

「あとこれ“シデヒレート君人形”」

 最後にホノラが出したのは、絶妙にムカつく目や口の開き方をした顔の付いた卵型の人形だった。

「......なにこれ?」

「シデヒレート君人形知らないの? ならいいわ」

 なんだろう......凄く気になる......

「――あとは......モフローも何か買ったの? 見せてよ」

 嘘だ! シデヒレート君人形の話流れた!! そんなあっさり終わらせて良い人形じゃないだろ!?

「ようやく我の番であるな!! 我の土産は肉屋でもらった獣の大腿骨だ!! これを噛むと中々......イイのである......」

 犬じゃん......

「――――後、我が金を出して買ったのは“シデヒレート君人形”だけであるな」

 また出てきたシデヒレート君人形!! なんなの!?

「やっぱりモフローも買ったのね。シデヒレート君人形」

「あ! ねぇねぇマツル!! みんなが何買ったかも気になるし、これからギルド行ってみない?」

「え! あ、うん......ソウダネ」

「じゃあギルドに行きましょ!!」

 なんなんだよシデヒレート君人形ってぇぇぇぇ!!

 こうして俺達は、他のノヴァーリス襲撃チームのお土産を見に行く事になったのだった。