「ハハッ......ハハハハハァ!!!! ワタシの!! ワタシの勝ちだァァァァ!!!!」
闇バカラは己の勝ちを確信し勝利の雄叫びをあげた。
「マツルが......負けた......?」
ホノラが声にすらならない程微かに呟く。
「ホノラとか言ったカ!? ワタシを散々殴りやがっテ!! その絶望ノ......恐怖に絶望したその震えタ瞳が見たかっタ!!!! まァ安心しロ......貴様も直二死ぬ。呼吸ガ出来なくなリ、涎・糞尿を無様にモ垂れ流しナガらな......地獄ではずっと一緒二いれルと良いなァ!!!!」
でも残念。
「――――誰と誰が地獄行きだって? お前の話じゃねぇの?」
俺はまだ生きてるんだよなぁ......
「ナゼ!? ナゼナゼナゼナゼナゼェ!?!?!?」
「マツル!! 俺の剣を使え!! 俺の剣は闇を斬り払える!!」
クーガから匣になった大剣が投げて俺に渡される。
「クーガお前そんな便利な大剣だったなら最初から教えろよ!! あと俺大剣使えねーぞ!?」
「お前が喧嘩だっつったから手ぇ出せなかったんだろうが!! あと安心しろ! 匣は使用者の思い描く剣に形を変える!! 握りしめて念じてみろ!!」
取り敢えず刀の形状を手に持って考えてみる。
すると本当に匣は刀へと形を変えた。
「――こりゃすげーわ......」
「認めン!! ワタシは認めなイ!! 偶外れただけ......運が良かっただけ......もう一度撃テば確実二殺せる!! 【闇魔法 煉獄の闇極球】ッッッ!!!!」
「外れてなんかねーよ......正直死んだかと思った」
身体が熱い......沸騰してるみたいで......左目が完全に見えないけど、それも精神を研ぎ澄ます良い材料になってる気がする。
時間が俺を捉えられてないみたいに周囲がゆっくりと進む......蹴った地面がもうあんな遠くに、殺すべき敵がもうあんな近くに――――
今なら......親父に教えて貰った剣術、完全に使いこなせる気がするよ......だからこの技を使う!
【西宵流“居合”四王裂き】
「――――? ァ......」
俺の刃は極大の闇の魔法ごと闇バカラの身体を真っ二つに両断し、同時に胸の球も割れた。
「あーやっと出れた!! 新鮮な空気が生きてるって感じよね!」
ホノラを捕らえていた闇魔法も解けたようで、これで安心だな!
「ナゼ......何故闇の上位魔法をくらって生きていたのだ......」
真っ二つになったバカラの右半分は、正気に戻ったような顔で話し始めた。右半分でまだ喋れんの生命力凄いな。
「まぁ色々あってな......左目が完璧に見えなくなったけど、それで済んだんだわ」
「はは......私の渾身の闇魔法で持って行けたのが左目だけとは......私は鍛錬が足りなかったようだな......」
バカラの身体が崩れ始めた。
ナマコ神様に聞いた話だが、魔人というのは、死体が残る事は無く、世界を漂う魔の気に分解されてしまうのだそう。
あれ......じゃあなんで喋らない左半身の方は崩れ始めてないんだ?
『急激な魔力の高まりだ!! 離れて!!』
俺が疑問を抱くのとほぼ同時、バカラの左半身が膨張するのが見えた。
「おいバカラ右!! 崩れ始めの所申し訳ないがあれはなんだ!?」
「あぁ......私が負けた時の保険の自爆という訳か!! 魔王ニシュラブ......死んだ私をも使うつもりだったのか!!!!」
「事情はよく分からんが自爆なんだな!! 止める方法は!?」
「......無い」
「ない!? じゃあ被害を最小限に抑える方法とか......」
「恐らく何もしない状態で私の魔力が全て破壊エネルギーに変換されて爆発したらこの大陸が半分程消し飛ぶ......どんなに最小限に抑えてもこの国一帯は消滅するだろう......」
終わりじゃねぇかそうなったら!!
「マツルなんか膨れてるわよ!? どうするの!?」
後ろから名前を呼ばれたので振り向いてみると、そこにはパンパンに膨れ上がったバカラ左を持ち上げるホノラがいた。
「何怪しい物に触ってんだホノラァ!!!! 爆発するかもしれないんだぞ!?」
「えー爆発!? どうしよう......」
「落ち着いて......そーっと地面に下ろした後こっちにゆっくり急いで走ってこい! な!?」
「――――ホノラ君!! 下ろさないで! 思いっきり上にぶん投げて!!」
「ギルドマスター!? 信じるわよ......えーぇぇい!!」
バカラ左はホノラの剛腕で垂直にぶん投げられた。
まさか空中で爆発させて被害を抑えるつもりなのか!?
「ありがとうホノラ君......ユニークスキル【共有】発動!!」
爆発する瞬間、バカラ左は塵になって消えてしまった。そうか! ロージーが爆発しない世界を共有したのか!
「ロージーぃぃぃぃ!!!!」
「危なかった......ノヴァーリスの魔力障壁復旧させて戻って来たらなんか光ってるし......」
「はは......まさか被害が全く0とは。本当に凄いなぁ......そしてすまなかった......」
俺が持ってきていたバカラ右も、ついに頭だけになってしまっていた。
「私は、自分が魔王ニシュラブを超えるという野望と復讐の為だけに君達に迷惑をかけてしまった......本当に申し訳ないと思っているよ」
「バカラ......」
「――――だからマツル......君に私の野望を託したい......魔王ニシュラブを殺して欲しい......フーゴ...ナベラ...やっとみんなの所へ行け......」
その言葉を最後に、バカラは完全に消滅してしまった。
詳しい理由は俺には分からない。フーゴもナベラも俺からしたら他人だ。てか誰だよ。
でもコイツは涙を流しながら俺に願いを託し死んでいった。それだけで理由は十分だ。
魔王ニシュラブ......そいつを殺す。
闇バカラは己の勝ちを確信し勝利の雄叫びをあげた。
「マツルが......負けた......?」
ホノラが声にすらならない程微かに呟く。
「ホノラとか言ったカ!? ワタシを散々殴りやがっテ!! その絶望ノ......恐怖に絶望したその震えタ瞳が見たかっタ!!!! まァ安心しロ......貴様も直二死ぬ。呼吸ガ出来なくなリ、涎・糞尿を無様にモ垂れ流しナガらな......地獄ではずっと一緒二いれルと良いなァ!!!!」
でも残念。
「――――誰と誰が地獄行きだって? お前の話じゃねぇの?」
俺はまだ生きてるんだよなぁ......
「ナゼ!? ナゼナゼナゼナゼナゼェ!?!?!?」
「マツル!! 俺の剣を使え!! 俺の剣は闇を斬り払える!!」
クーガから匣になった大剣が投げて俺に渡される。
「クーガお前そんな便利な大剣だったなら最初から教えろよ!! あと俺大剣使えねーぞ!?」
「お前が喧嘩だっつったから手ぇ出せなかったんだろうが!! あと安心しろ! 匣は使用者の思い描く剣に形を変える!! 握りしめて念じてみろ!!」
取り敢えず刀の形状を手に持って考えてみる。
すると本当に匣は刀へと形を変えた。
「――こりゃすげーわ......」
「認めン!! ワタシは認めなイ!! 偶外れただけ......運が良かっただけ......もう一度撃テば確実二殺せる!! 【闇魔法 煉獄の闇極球】ッッッ!!!!」
「外れてなんかねーよ......正直死んだかと思った」
身体が熱い......沸騰してるみたいで......左目が完全に見えないけど、それも精神を研ぎ澄ます良い材料になってる気がする。
時間が俺を捉えられてないみたいに周囲がゆっくりと進む......蹴った地面がもうあんな遠くに、殺すべき敵がもうあんな近くに――――
今なら......親父に教えて貰った剣術、完全に使いこなせる気がするよ......だからこの技を使う!
【西宵流“居合”四王裂き】
「――――? ァ......」
俺の刃は極大の闇の魔法ごと闇バカラの身体を真っ二つに両断し、同時に胸の球も割れた。
「あーやっと出れた!! 新鮮な空気が生きてるって感じよね!」
ホノラを捕らえていた闇魔法も解けたようで、これで安心だな!
「ナゼ......何故闇の上位魔法をくらって生きていたのだ......」
真っ二つになったバカラの右半分は、正気に戻ったような顔で話し始めた。右半分でまだ喋れんの生命力凄いな。
「まぁ色々あってな......左目が完璧に見えなくなったけど、それで済んだんだわ」
「はは......私の渾身の闇魔法で持って行けたのが左目だけとは......私は鍛錬が足りなかったようだな......」
バカラの身体が崩れ始めた。
ナマコ神様に聞いた話だが、魔人というのは、死体が残る事は無く、世界を漂う魔の気に分解されてしまうのだそう。
あれ......じゃあなんで喋らない左半身の方は崩れ始めてないんだ?
『急激な魔力の高まりだ!! 離れて!!』
俺が疑問を抱くのとほぼ同時、バカラの左半身が膨張するのが見えた。
「おいバカラ右!! 崩れ始めの所申し訳ないがあれはなんだ!?」
「あぁ......私が負けた時の保険の自爆という訳か!! 魔王ニシュラブ......死んだ私をも使うつもりだったのか!!!!」
「事情はよく分からんが自爆なんだな!! 止める方法は!?」
「......無い」
「ない!? じゃあ被害を最小限に抑える方法とか......」
「恐らく何もしない状態で私の魔力が全て破壊エネルギーに変換されて爆発したらこの大陸が半分程消し飛ぶ......どんなに最小限に抑えてもこの国一帯は消滅するだろう......」
終わりじゃねぇかそうなったら!!
「マツルなんか膨れてるわよ!? どうするの!?」
後ろから名前を呼ばれたので振り向いてみると、そこにはパンパンに膨れ上がったバカラ左を持ち上げるホノラがいた。
「何怪しい物に触ってんだホノラァ!!!! 爆発するかもしれないんだぞ!?」
「えー爆発!? どうしよう......」
「落ち着いて......そーっと地面に下ろした後こっちにゆっくり急いで走ってこい! な!?」
「――――ホノラ君!! 下ろさないで! 思いっきり上にぶん投げて!!」
「ギルドマスター!? 信じるわよ......えーぇぇい!!」
バカラ左はホノラの剛腕で垂直にぶん投げられた。
まさか空中で爆発させて被害を抑えるつもりなのか!?
「ありがとうホノラ君......ユニークスキル【共有】発動!!」
爆発する瞬間、バカラ左は塵になって消えてしまった。そうか! ロージーが爆発しない世界を共有したのか!
「ロージーぃぃぃぃ!!!!」
「危なかった......ノヴァーリスの魔力障壁復旧させて戻って来たらなんか光ってるし......」
「はは......まさか被害が全く0とは。本当に凄いなぁ......そしてすまなかった......」
俺が持ってきていたバカラ右も、ついに頭だけになってしまっていた。
「私は、自分が魔王ニシュラブを超えるという野望と復讐の為だけに君達に迷惑をかけてしまった......本当に申し訳ないと思っているよ」
「バカラ......」
「――――だからマツル......君に私の野望を託したい......魔王ニシュラブを殺して欲しい......フーゴ...ナベラ...やっとみんなの所へ行け......」
その言葉を最後に、バカラは完全に消滅してしまった。
詳しい理由は俺には分からない。フーゴもナベラも俺からしたら他人だ。てか誰だよ。
でもコイツは涙を流しながら俺に願いを託し死んでいった。それだけで理由は十分だ。
魔王ニシュラブ......そいつを殺す。