「これ体がスッキリしていいわね」

「若い頃に知ってたら良かったな。 冒険者の頃から体が痛かったからな」

「そろそろ今日の営業は終わろうかと……」

 アスクレとラルフが診療室から出てくる時には待合室はちょっとした体操教室になっていた。

 いつのまにか人が人を呼んで集まってきたのだ。

「あっ、アスクレさん……。すみません、仕事に戻ります」

 気づいたら後ろにはアスクレとラルフがこっちを見ていた。

「いやいや、そのまま続けて。私もやりたいから」

 事前に伝えたセルフストレッチにはまったのか、アスクレも即興体操教室に参加していた。

 一時間ぐらいやると体操指導をすべて終えた老人達は帰って行った。

「先程は迷惑をおかけしてすみません」

「少しでも良くなれば良いから気にしなくていいよ。私もあの患者達が良くならないことに悩んでいたんだよ。あの人達は前の働いていた治療院からそのままついて来てるからね」

 ほとんどが前の治療院からアスクレのとこに通っていた人達だった。

 アスクレは元々同じトライン街の大きな治療院で働いていた。

 経験を積み、独り立ちすることになったが同じ職場の人も独立する夢を持っていた。

 そのため募集をかけても回復スキルを持ちが集まらないのが現状だ。

 そんな中冒険者ギルドに依頼を出して来たのが俺達だった。

「あの患者達を大事にしたいんだけど、この際ケントくんに体操教室でも開いてみようか?」

「いや、流石にそこまでは――」

 どこか話が勝手に進みそうな予感がした。

「あんなにみんな楽しそうだったじゃないか。数日やってみて良さそうだったらやろうか! これも依頼に出すからさ」

「わかりました」

 依頼と言われたら拒否は出来なかった。

 寝る前にステータスボードを見ると医療ポイントがいつもより増えていた。
 医療ポイントはいつもより増えており、昨日から7も増えていたのだ。

 ここで考えられたのは初めてやった"体操教室"だった。

 特にスキルを使ったわけではないが、何かしら反応し医療ポイントとして繁栄されたのだろう。

 今現状で医療ポイントとして換算されるスキル、治療行為は以下のようになった。


1.慈愛の心:3ポイント
2.医療器具使用:1ポイント
3.水治療法使用:1ポイント
4.集団体操指導:2ポイント