7月18日。

 今日もまた屋上で、昼休みを過ごしていた。

 もう大分暑くなり、日差しの照りつける屋上は辛いものがあるけど、それでもあの教室で過ごすよりはマシだった。鬱陶しい視線と陰口を浴びなくて済む。

 あんな仕打ちをしても、未だに私に話しかけることを止めない小久保一樹(どうしようもない馬鹿)のせいで、私の計画はなかなか上手く進まない。

 どうしようか、と考えあぐねながら屋上にやって来たのだが。

「レイー、なんであんなに小久保君に冷たくするの? レイが何か悩んでるのはわかるけど、あれじゃ小久保君があんまりだよ」

 隣に座った茜が眉を下げた。相も変わらずにこいつは人のことばかりを気にする。

 ──人のことなんて、気にしている場合じゃないくせに。

 思わず心の中で漏れた本音をひた隠し、私は「別に。放っといて」と軽く茜をあしらった。

「あー! 私のこと適当にしとけば引っ込むとでも思ってるんでしょ!!」

 ギャーギャー騒ぎだした茜に、私はうんざりと目を閉じた。そして、思い出す。

 ──私があの日、屋上で犯した罪を。