======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけの、EITO精鋭部隊である==
==EITOガーディアンズとは、エマージェンシーガールズの後方部隊である。==
10月11日。午前0時。Redに投稿があった。
『8さんへ。10月の祝日に合わせてやろうと思ったら、今は「体育の日」じゃなく、「スポーツの日」。しかも、毎年動く?変な国だなあ。やっと出番が来たんだ。妥協するよ。国立競技場にしようと思ったら、どこかのバカが押えてた。明示神宮外苑グラウンドで我慢してやるよ。ユニフォーム、破けたら頂戴ね。いいニオイするんだろうなあ。
“not impatient”』
午前9時。EITO東京本部。会議室。
マルチディスプレイに、高遠が映っている。
「今回は、クイズなし、でしょうね。ピンポイントで指定してくるなんて、余裕だなあ。“not impatient”は、お気に入りのセリフかも知れません。グラウンドのオープンは午前10時。後は、山並の報告を受けて、現場対策しかないですね。」
伝子は、みちるに言った。
「前回よりは、時間があるが、山並が、どこまで情報を持ってくれるか分からない。覚悟はいいな、みちる。」と、伝子はみちるに向かいあい、言った。
「私は、おねえさまに命を預けました。今、言えるのは、それだけです。」と、みちるは姿勢を正して言った。
「ああら、命を預けることは、私だって負けていないわよ。ほら、クビを横に振る人はいないでしょ。」と、あつこは言った。
「あつこ副隊長、そこ、笑うとこですよね?」と。結城が言った。
なぎさが自衛隊を退官、EITO出向が終了した後、現場指揮官は、みちるの責任になった。既に、みちるの号令での訓練は始まっている。
今回は、みちる副隊長の初陣になった。
皆、苦労を共にしてきた仲間だ。不協和音は一切ない。
あれば、EITO、いや、エマージェンシーガールズの均衡が保てなくなる。
「多分、国立競技場は、いや、MUFGスタジアムは、お金を積んでも予約を取れなかったでしょうね。メンテナンスによる休業は、前の『幹』と戦っているシーズンに決まっていたようです。」と、河野事務官は言った。
「MUFGスタジアム(正式名称:国立競技場)は、三菱UFJフィナンシャル・グループがネーミングライツ(命名権)を取得し、2026年1月1日から導入された新呼称です。」と、草薙が補足した。
「せっかちじゃない・・・詰まり、その頃、明日のバトルを想定していたのか。草薙。山並に、大きな買物の購入歴を最近でなく調べるように言ってくれ。」と、理事官は言った。
「了解しました。」
「剽軽に振る舞う人間ほど、実は賢く立ち回る・・・正に兵法ですね。」と、夏目警視正は言った。
「よし。細かな動きの打ち合せをしよう。午前の訓練は中止だ。」
午後4時半。
闇サイトハンターこと山並からの通信メールが来た。
「騎馬衣装が100着、乗馬服が100着、那珂国製の電動二輪100台です。半年以上かけて買い付けています。闇サイトでは買わず、通常のサイトで、複数のアカウントで買い集めたようです。」
「執念ね。せっかちじゃない、は本当だ。インタラプト・ゲーマーの最後の言葉。50代のババアだ、インバース・ビーナス。実は恐ろしい敵かも知れない。」と、伝子が言うと、「剽軽な男っぽい台詞も計算ずくだろうな。俺の勘だが、大文字。第三戦は宣言からバトル実行日まで日が開くぞ。」と、筒井が言った。
「詰まり、実験か。」
「そうだ。今までの幹は、勝つ事に必死だった。それを横目で見ていて、準備してきたとなると、バトルそのものは目的じゃない。」
「じゃ、なんだ。」
「情報収集って、言いたいの、筒井君。」と、あつこが割り込んだ。
「何故ですか?」と、原田が言い、「勝つため、だろうな。」と、渡が言った。
「インバース・ビーナスが、そういうばば・・・そういう中年女性なのか、所謂『軍師』が付いているのか?」
午後6時。伝子のマンション。
帰ると、高遠も綾子も藤井も『必勝鉢巻き』をしている。
「何、それ?」
「筒井さんが、恐い敵だからって言うから・・・。」
「学。いつも恐い敵だよ。それより、もっと恐い者がいる。」
「誰?」と、高遠は尋ねた。
「わたし、だ。」
3人は、深く頷いた。
翌日。午前9時半。明示神宮外苑グラウンド。
数々の乗馬服を着た200人の敵が電動二輪バイクで勢揃いした。全員2人乗りで、後部座席の者が機関銃を持っている。機関銃は、別ルートか。
壮観だった。
対するエマージェンシーガールズとEITOガーディアンズは、電動キックボード、ホバースライダー、ホバーバイクで対峙した。
ホバーバイクとは、民間が開発し、本来は自衛隊か警察に採用される予定だった『宙に浮くバイク』をEITOが採用したものだ。そして、ホバースライダーは、電動キックボードに応用した『宙に浮くキックボード』だ。
後方に、マセラティの弓矢隊が待機した。
エマージェンシーガールズは、ペッパーガンを巧みに使いながら走った。
ペッパーガンとは、藤井が発案した、胡椒・ガーリックなどを捏ねた胡椒玉を弾丸にしたものを発射する銃だ。
胡椒玉も胡椒弾も、鼻からの粘膜から吸い込むとむせて、戦意を喪失させる。
エマージェンシーガールズは、後部座席の者よりも、電動二輪のドライバーを狙った。
EITOは、民間団体である。実弾を込めた拳銃の類いは持たされていない。
エマージェンシーガールズは、基本的に『工夫』で戦うのだ。
ホバーバイクに乗ったEITOガーディアンズは、フリーズガンで、ドライバーを狙った。
フリーズガンとは、文字通り凍らせる為の銃で、液体窒素を使用していると言われている。
弓矢隊も、電動二輪のタイヤを狙って撃った。
弓は、通常の弓に加えて、洋弓、詰まり、ボウガンも使う。ボウガンは、EITOの本郷隊員が担当した。
1時間後。電動二輪バイクは全て転倒し、エマージェンシーガールズは、みちるの合図の下、白兵戦に入った。白兵戦では、バトルスティックとバトルロッドを使う。
バトルロッドとは、3段変形の可能なバトルスティックである。
バイクが転倒した際、ホバーバイクとホバースライダーで機関銃は皆フリーズガンの餌食になった。
敵も剣や小刀に武器を替え、攻めて来たが、勝機はもう見えていた。
200人全員が、空を仰ぐ格好になった。
みちるは、柊に合図をした。
柊は長波ホイッスルを吹いた。
長波ホイッスルとは、犬笛に似たサイレント・ホイッスルである。
すぐに、『片づけ隊』が駆けつけた。
『片づけ隊』とは、警察有志による、『逮捕・連行』の部隊である。
今日は、護送車が多かった。
率いている愛宕警部、橋爪警部補、西部警部補がやってきた。
「ご苦労様、副隊長。首相官邸が襲われたよ、同時間にね。無論、2人が片づけたけどね。橋爪さん、西部さん、ウチでは、長波ホイッスル、要らないんですよ。『おい』、で済んじゃう。強い妻、強い母です。」
警部の言葉に2人の警部補は大笑いし、みちるは、顔を紅潮させた。
2人とは、早乙女・工藤両隊員のコンビのことである。
以前は、脅迫状とかがあった場合に出動していたが、抜き打ち的に攻撃されるので、常駐している。
エマージェンシーガールズが寄って来た。
みちるを胴上げした。
連行される連中が顔を背けた。
午後7時。伝子のマンション。
麻婆豆腐、青椒肉絲、棒々鶏、炒飯が並んでいる。
伝子は、愛宕夫妻を呼んだ。
「おめでとう、みちる。」
「ありがとう、みちる。」
伝子と、夫の寛治に言われ、みちるが涙した。
「まだまだ、これからだ。甘酒は勘弁な。」
伝子の言葉に「おねえさまったら。」と、みちるは泣き笑いになった。
―完―
※今回の登場人物(順不同)
大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
愛宕[白藤]みちる・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。あつこと警察学校同期。警視庁丸髷署からのEITO出向。警部補。副隊長として、指揮をとることになった。
中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。出産して育児休暇中。
馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。
高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
深井[大町]恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。
安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
伊知地満子一曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
渡[財前]直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。闘いの最中に渡と結婚した。
仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
水上[七尾]伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
新庄珠恵・・・元結城たまき警部。結婚と、『身バレ』の可能性から、名字だけでなく、下の名前も改名。警視庁は退職して、EITOに再就職。
柊安江・・・元マラソンランナー、元やり投げ選手。EITOに就職。
高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。EITOガーディアンズ。
青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。
馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。EITOガーディアンズ。
筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁警部。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
原田正三・・・元新宿署刑事。警視庁警部。警視庁からEITO出向。
大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。
藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣の住人。栄養士。モールで料理教室を開いている。
愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。
橋爪警部補・・・『片付け隊』メンバー。丸髷警察署からの出向。
西部警部補・・・『片付け隊』メンバー。高速エリア署からの出向。
斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。
草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。財前隊員と結婚。
本郷隼人・・・EITO開発局長。普段は、EITO秘密基地にいる。

