大文字伝子が行く


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけの、EITO精鋭部隊である==

 9月15日。午後2時。ある寺。
 副島はるかの墓の前で手を合わす、伝子と愛宕。
 今日は、副島の命日。三回忌に当たる。
 副島はるかは、伝子の書道の先生で、愛宕の書道の先生でもあった、副島師範の娘であり、先輩だった。
 副島は、自宅と寺で書道教室を開いていた。
 だが、伝子達と再会し、感化された副島は、合気道、弓道も出来ることから、EITOの準隊員になった。
 ところが、副島の弟子、宮本貞子の奸計により、EITOの敵との戦いの中、命を落した。実は、貞子こそ敵幹部だった。
 あれから2年。
 月日の経つのは早い。
 三回忌法要は、遠い親類の手で13日の日曜日、静かに行われた。
 多忙な中、伝子と愛宕は、どうにか命日には間に合った。

 「おねえさま、ずるい。」と、やってきたのは、なぎさとみちるだった。
 「お前は書道の後輩じゃないだろ。」
 「だから、言ったのに。」と、みちるが言った。
 「でも、EITO準隊員だから。」と、なぎさは食い下がった。
 「まあまあ。」と、愛宕が苦笑して中に入った。
 2人とも一輪ずつ花を持っている。
 伝子達も、線香は通常通り持参したが、花は一輪ずつだった。
 一昨日、親類が法事をして、花は既に生けてあったからだ。
 皆で黙想し、帰ろうとすると、住職が声をかけてくれた。
 「お茶しかありませんが。」

 午後3時。庫裡の中。
 「書道教室を開いて頂いていたでしょ?生徒の父兄の方が、持ち回りで月参りとして、お墓参りしてくれているんです。ご親類が遠方だと知れているので。愛宕さんのお話はあまり聞いた覚えはありませんが、大文字さんのお話は、よくされていましたね。EITOに参加されることになって、教室が非定期的になっても、不平を言う生徒さんや父兄は一人もおられませんでした。人徳ですな。私が代理で講師したときなぞ、『今日は正義の味方で忙しいんですね』と言う生徒さんもおられました。」

 午後4時半。愛宕の車の中。
 「それで、狙われたのか。」と、愛宕は言ったが、「相手がズル賢かっただけさ。」と、伝子は苦笑した。
 一ノ瀬も副島も、伝子の手の中で死んだ。
 嗚咽した声を聴いたのは、夫の高遠と藤井だけだった。

 「みちるは、どうしても、副島さんに報告したい、ってついて来たんです。一佐は、引き継ぎ、の積りで。」と、運転しながら愛宕は伝子に説明した。
 「出逢いは嬉しく、別れは辛い。失敗は成功の母、反省は前進の父。いつも、そう言われたな、師範に。」
 「ええ。迷った時こそ思い出しますね。みちるが流産した時、その言葉を教えました。」
 「そうか。メシ、食ってくか。」
 「はい。」

 午後6時。伝子のマンション。
 綾子と藤井は、特大のオムライスを焼いた。
 伝子が注文した、副島の大好物だった。

 ―完―

 ※今回の登場人物(順不同)
 大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。ロバートと婚約してから、姓を戻している。
 愛宕[白藤]みちる・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。あつこと警察学校同期。警視庁丸髷署からのEITO出向。警部補。副隊長として、指揮をとることになった。

 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。
 大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。
 藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣の住人。栄養士。モールで料理教室を開いている。

 ※タイムスタンプにより、丁度三回忌に当たるので、『偲ぶ回』にしました。
 短くて、ごめんなさい。
 クライングフリーマン