大文字伝子が行く


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけの、EITO精鋭部隊である==
 ==EITOガーディアンズとは、エマージェンシーガールズの後方支援部隊である==

 8月22日。午後7時。伝子のマンション。
 突然、ケンが現れた。
 伝子は驚いたが、単刀直入に尋ねた。
 「ケン。ダークレインボウとの闘い、第七戦から、日が経っている。やはり、洪水・水害のせいか?」
 「その通りだ、大文字。かなり報道管制を敷いて、現地住民はSNSでも発信出来ないが、後の台風も追い打ちをかけている。知っての通り、台風は自然災害だ。コースは予測出来ても、事前対策は無理だ。那珂国の気象省は、日本の気象庁に叶わない。ほぼハッキング情報だ。国内での兵隊召集が困難となると、現地、詰まり、日本で調達するしかない。山並は役に立っているか?」
 「ああ。いつも助かっている。すると、闇サイトで募集か。」
 「うん。リーダーは送り込むだろうが、下士官的な者は、闇サイトで釣るしかない。」
 「大規模になりそうか?」
 「大規模かどうかは集めてみないと分からないだろう。ただ、インタラプト・ゲーマーの最終戦にはなるだろう。次の『幹』の情報はまだない。もう1つ。インタラプト・ゲーマーの正体だが、病気で現地入り出来なくなった『枝』から、部下が聞き出せたのは、日本人の少年らしい、ということだ。病気を治癒する代わりに引き出した情報だから、間違いはないと思うが・・・部下が待っている。勝利を祈っている。」
 ケンは、伝子、高遠と握手して去って行った。

 奥の部屋から綾子が出て来た。
 今日は夜勤の為、仮眠していたのだ。
 「あの人がケン?イケメンね。」
 「ああ。」
 「お義母さん、何か食べて行きます?」と、高遠は気遣った。
 「じゃ、婿殿。おにぎりでいいわ。・・・少年ねえ。」

 翌日。午前9時。EITO東京本部。会議室。
 「少年?幾つくらいだろう。少年が指揮しているのか。」と、理事官が感嘆した。
 「おねえさま。少年に見える人物、ってことは?」と、なぎさが尋ねた。
 「詳しい事は分からない。なぎさは、コンティニューのことを言っているんだな。」と、伝子はよそ見しながら尋ねた。
 なぎさは、かつて、ダークレインボウの幹部に『情』で釣られて情報を流してしまった経緯がある。コンティニューなる人物は、組織の開発した悪魔的な薬で成長を止められていた。
 「もし、コンティニューと同じなら、大文字。最初の勢いから外れて間欠的な闘いになっていることも頷ける。『副作用』だろう。」と筒井が言った。
 「池上病院の蛭田教授によれば、治癒する方法も緩和する方法もないそうだ。薬の投与の仕方で、幾らでも操れる。正に、『悪魔の薬』だ。」と、言いながら、須藤医官が入って来た。
 「同情する訳ではないが、ダークレインボウの幹部も被害者だな。」と、夏目警視正が。溜息をついた。
 「とにかく、出方を見ないと対処出来ない。草薙さん、山並に、闇サイトの監視を引き続き頼む、と伝えてください。」
 「了解しました。」
 「じゃ、訓練に行くか。なぎさはもう、オブザーバーに徹した方がいい。」と、あつこが言い、「そうね。」と、なぎさは短く応えた。

 午後1時。伝子のマンション。
 山村編集長が、伝子や高遠の原稿依頼の他に、資料を持って来ていた。
 「国内のイベントに絡めたバトルが多いから、余計なお世話だったかも知れないけど、もし、あの国の行事に絡めるとしたら、9月3日か9月⒙日。国内のイベントに絡めるとしたら・・・。」
 「僕は、日比谷公園の『沢庵夜市』が怪しい、と思っています。まあ、バトルは離れた場所かも知れないけど。」
 「流石、高遠ちゃん。もう準備出来ているのね。」
 「いえいえ、編集長。準備の準備の、準備くらいです。」
 「うふふ。げぺー、美味しいわね。ウチのお煎餅ほどじゃないけど。」

 午後1時。喫茶店アテロゴ。
 愛宕が、休憩に酔っていた。
 「今回は、最終決戦になるかも知れない、って大文字が言うから、交通整理でも何でもDDメンバーが必要なら言ってくれ、とは応えておきましたよ。」
 物部の言葉に、「助かります。先輩はみんなの宝ですから、支えなくては。」と愛宕は言った。
 「ところで、なぎさちゃんの後を継ぐのが警視じゃないとは、ねえ。みちるちゃん、大丈夫?」
 「警視は、来年度末でEITO出向が終わるんです。それで、みちるが名乗りを上げて。EITOも長いですし。」
 「なるほどねえ。EITOは混成チームだからねえ。人数だけの問題じゃないしなあ。」
 「マスターは、みちるじゃ不安ですか?」
 「いや、そういう意味じゃない。子育ても大変なんじゃない?」
 「回りが理解ありますから、なんてね。」愛宕は笑い、精算して出て行った。

 「マスター。台風、大丈夫ですかね?今年に限ったことじゃないけど。」と、辰巳が言った。
 「こればっかりはなあ、お天道様と会話出来ないし。」と物部が言うと、「文字通り、運任せね。」と、栞が満百合をあやしながら言った。

 そして、8月29日。

 ―完―

 ※今回の登場人物(順不同)
 大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。ロバートと婚約してから、姓を戻している。
 久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
 愛宕[白藤]みちる・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。あつこと警察学校同期。警視庁丸髷署からのEITO出向。警部補。副隊長として、指揮をとることになった。

 中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。出産して育児休暇中。
 馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
 高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。
 高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 深井[大町]恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。

 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
 青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
 伊知地満子一曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
 高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
 渡[財前]直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。闘いの最中に渡と結婚した。
 仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
 水上[七尾]伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
 大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
 新庄珠恵・・・元結城たまき警部。結婚と、『身バレ』の可能性から、名字だけでなく、下の名前も改名。警視庁は退職して、EITOに再就職。
 柊安江・・・元マラソンランナー、元やり投げ選手。EITOに就職。

 高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。EITOガーディアンズ。
 青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。
 馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
 井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。EITOガーディアンズ。
 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁警部。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。

 河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
 原田正三・・・元新宿署刑事。警視庁警部。警視庁からEITO出向。

 大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。
 藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣の住人。栄養士。モールで料理教室を開いている。

 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。
 斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
 夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。

 草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
 渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。財前隊員と結婚。

 -------- ゲスト –---
 山村美佐男・・・みゆき出版社編集長。
 物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。伝子の同級生。
 物部栞・・・喫茶店アテロゴのマダム。伝子の同級生。
 辰巳一郎・・・喫茶店アテロゴの従業員。


 ケン・ソウゴ・・・ダークレインボウが侵攻する前の『死の商人』グループにいた・
 実は、イーグル族のスパイで、クーデター後、独立したイーグル国の国王の側近として働いているが、部下を使って、EITOに情報提供して協力している。