大文字伝子が行く


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけの、EITO精鋭部隊である==
 ==EITOガーディアンズとは、エマージェンシーガールズの後方支援部隊である==

 7月3日午前0時。インタラプト・ゲーマーがRedのメッセージが載った。
 アラームが鳴ったので、確認した渡が見たメッセージは、こんな文章だった。

 「お待たせしたね、EITOの諸君、日本民族の諸君、また完敗だった。じゃ、第六戦のお題だ。」
 文章の下に、スケッチブックが現れ、こんな文章が書かれていた。
 『タフな磁場見た』
 更に、2行目に、『とりいくぐれ』、
 そして、3行目に「臭い芝居だい!」と書かれていた。

 7月3日。午前9時。EITO東京本部。会議室。
 マルチディスプレイに、高遠が映っている。
 「多分、次は七夕辺りかと思って調べていました。1行目の解は、『ふじみたなばた』、2行目は『とりいくぐれ』。詰まり、バトルの現場は、東京大神宮近く、ということになりますが・・・あ、東京大神宮は千代田区富士見です。」
 「まさか、大神宮の中が?」と、理事官は驚いた。
 「15時から19時半まで『「東京大神宮七夕祈願祭」』が開かれていますが。」と、タブレットから顔を上げた草薙が言った。
 「『東京のお伊勢さま』とは言われていますが、そんなにバトルに適しているとは、思えませんが・・・。」
 渡は、思わず財前を見てしまった。

 「財前。いつ、『渡』を盗んだ?血は争えないな。渡も私の部下だぞ。分かっててやったんだよね?原田。見たんだろ?」
 「見ました。濃厚なキスを。」
 「原田が、今まで黙っていたことは許してやる。だが、財前が渡の『貞操』を奪ったことはなあ。」
 「おねえさま。先に婚姻届を出させましょう。用意しておきました。2人とも三文判があります。」と、なぎさが事もなげに言った。
 「なぎさっち。今、それどころじゃ・・・。」と、みちるが言ったが、あつこが「依田君に連絡しておくわ、おねえさま。他の客押しのけてでも式を挙げなくちゃ。」
 「話を本筋に戻していいかな?大文字。」と、筒井が提言した。
 「無論だ。今までのパターンで行くと、東京大神宮に行くとバトルの場所を敵が指定してきて、今回は、参拝客が言わば『人質』だ。」
 「そうか!」と高遠が声を上げた。
 「漢字に惑わされていた。3行目は、『くさいしばいだい』じゃない。『くせえしばいだい』だ。詰まり、区政・飯田橋、飯田橋の区政会館です。」
 「これか!!」今度は、草薙が声を上げた。
 「アンバサダー、理事官。区政会館では、『令和8年度第1回全国連携展示「はじまりの地・奈良をめぐる―町村の魅力発見―」』というイベントがあります。」
 「いつからだ、草薙。」と、理事官はりきんだ。
 「7月7日から8月31日、エントランスホール。時間はええと、9時から20時半です。」
 「「「「「「それだ!」」」」」」
 大勢の声が唱和した。
 「試しているのかもな。バトルの場所を解明出来るかどうかを。理事官がさっき言われた通り、東京大神宮に行くと、立て札がある。時間を間違えて行く可能性はゼロじゃない。」
 「よし、とにかく、七夕までは時間がある。草薙さん、山並に不審な買物や噂がないか探って貰ってください。」
 「了解しました。」
 その時、依田から伝子のスマホに連絡が入った。伝子はスピーカーをオンにした。
 「先輩。財前さんと渡さんですか。7月7日にキャンセル入りましたけど。」
 「何時だ。」
 「午後3時です。」「十分だ。予約を頼む。」
 「了解。」
 「何のことだね、大文字君。」と、夏目警視正が伝子に尋ねた。
 「財前が花嫁になる予約です。」
 皆は、喝采した。

 7月7日。午前8時50分。区政会館。
 忍者の格好の集団は既に来ていた。
 「どうしてここを?」
 「どうしてここを?お前らの親玉が教えてくれたじゃないか。聞いて無いのか?ああ、闇バイトで来た、バイト君か。おいくら万円くれるの?」と、馬場が揶揄った。
 「お前が隊長か。俺はリーダーだ。」
 「リーダー?枝だろうが。」と、今度は金森が揶揄った。
 「ええいっ、やっちまえ!!」
 「やっちまえ陣形!」と、なぎさが叫ぶと、エマージェンシーガールズは四散して攪乱させながら攻撃を開始した。
 エントランスホールの出入り口に配備していた爆竹は、日向・大町達がフリーズガンで固定した。
 フリーズガンとは、文字通り対象を凍らせる。液体窒素を利用していると言われている。
 江南や稲森は、敵の『足袋』の部分をウォーターガンで攻撃した。ウォーターガンとは、文字通り水を発射するのだが、跳び出すとグミ状の液に変化する。
 闇サイトハンターこと山並の情報は確かだった。忍者衣装と共に足袋を発注したが、忍者用の足袋では無かった。
 基本的に那珂国のマフイアは、日本の文化に詳しくないのだ。
 稲森・伊知地・結城はブーメランでけん制しながらも、足元に注意を奪われた敵を投げ飛ばした。
 走り回る敵に、田坂・浜田・下條・安藤・小坂はマセラティを降り、弓矢を放った。
 柊が、槍を投げ、長刀を使い始めた。
 それを合図にしたかのように、エマージェンシーガールズはブーメランやメダルカッター、シュータの攻撃から、バトルロッド・バトルスティックの白兵戦に転じた。
 メダルカッターとは、メダルの周囲にスクリュー状の刃がつき回転する武器で、シュータはうろこ形の手裏剣で先端に痺れ薬が塗ってある。バトルロッドとは、戦闘用のバトルスティックという棒が3段変形するものだ。
 なぎさのイヤリングに筒井からの伝言が伝わった。相互通信は出来ないが、オスプレイを通して一方的に伝えることが出来る。
 筒井は、こう言ったのだ。「こちらにも出現した。」

 午前10時。東京大神宮。
 区政会館もそんなに広くはないが、ここもあまり広くはない。各鳥居を重機で攻撃しようとする集団を、静音・葉月・越後・七尾を乗せた、青山・馬場・五郎・高木が操縦するホバーバイクが重機に向けて吸盤ガンで攻撃、吸盤は対象にひっつくとペイントを流し始めた。吸盤ガンは大阪支部の大前のアイディアだが、大阪支部ではまだ活躍に至っていない。
 ホバーバイクとは、『宙に浮くバイク』のことで、自衛隊にも警察にも採用されなかった車両を芦屋三美が買い取り、改造、EITOの攻撃・運搬・救助に使っている。
 手榴弾を投げ込もうとした敵は、上空に現れた中島隊長率いるMAITOが消火弾を落した。消火弾は、本来は山火事等の消火や避難活動に従事する陸自の精鋭部隊である。
 斥候として調査した財前・仁礼・七尾はSATに報告、時限装置の解体に役立った。
 尚、増田は産気づいた為、オスプレイで待機した。
 増田は中島隊長の子を身籠もっており、本来なら本部待機だが、志願して作戦に参加した。

 あつこが、イヤリングで指令を出し、オスプレイの中で増田が長波ホイッスルを吹いた。長波ホイッスルとは、犬笛に似たサイレント・ホイッスルで、『作戦終了』の合図によく使われる。

 現場には、愛宕警部、橋爪警部補、西部警部補率いる『片づけ隊』が到着した。

 「副隊長。後は任せて、すぐホテルに向かってください。」
 愛宕の連絡に、「了解。」と、なぎさは敬礼した。

 午後3時。やすらぎほのかホテル。挙式披露宴会場。
 依田が、MCをして、新郎新婦が入場した。
 EITOの面々の他、大神宮の周りで交通整理をしたDDメンバーも参加した。

 まだ一日は終わっていない。
 七夕の夜は、雨が降ることが多いのだが、今年は違った。
 大神宮も区政会館も賑わった。

 ―完―

 ※今回の登場人物(順不同)
 大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。ロバートと婚約してから、姓を戻している。
 久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
 愛宕[白藤]みちる・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。あつこと警察学校同期。警視庁丸髷署からのEITO出向。警部補。副隊長として、指揮をとることになった。

 中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。
 馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
 高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。
 高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 深井[大町]恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。

 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
 青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
 伊知地満子一曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
 高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
 財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
 仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
 水上[七尾]伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
 大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
 新庄珠恵・・・元結城たまき警部。結婚と、『身バレ』の可能性から、名字だけでなく、下の名前も改名。警視庁は退職して、EITOに再就職。
 柊安江・・・元マラソンランナー、元やり投げ選手。EITOに就職。

 高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。EITOガーディアンズ。
 青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。
 馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
 井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。EITOガーディアンズ。
 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁警部。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。

 河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
 原田正三・・・元新宿署刑事。警視庁警部。警視庁からEITO出向。

 藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣に住む。元料理教室経営者。
 大文字綾子・・・伝子の母。介護士。


 大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。
 藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣の住人。栄養士。モールで料理教室を開いている。

 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。
 橋爪警部補・・・『片付け隊』メンバー。丸髷警察署からの出向。
 西部警部補・・・『片付け隊』メンバー。高速エリア署からの出向。

 斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
 夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。

 草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
 渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。

 -------- ゲスト –---
 物部一朗太・・・伝子と大学同輩。
 南原龍之介・・・伝子の高校のコーラス部の後輩。
 依田俊介・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。あだ名は「ヨーダ」。名付けたのは伝子。
 福本英二・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。大学は中退して演劇の道に進む。
 山城順・・・伝子の中学の後輩。愛宕と同窓生。
 服部源一郎・・・南原と同様、伝子の高校のコーラス部後輩。