大文字伝子が行く


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
 ==EITOガーディアンズとは、EITOの後方支援部隊である。==========

 ※インタラプト(interrupt)とは、「割り込み」という意味である。

 【前回までの粗筋】
 Base bookに載った、ブルー・メデューサのメッセージ。それは、2月14日のことだった。
 『バレンタインデーは遠慮したよ。チョコ食いだめすることだな。美術館で待ち合わせって、印象悪いかな?From B.M. To Denko』

 そして、明くる日。午前10時。国立西洋美術館。
 コーンに括り付けられたのは、こんな文言のパネルだった。

 『チョコ食いすぎて、腹を壊した。体調を整えてから闘おう。From B.M.』

 「勝手だなあ。何個チョコ食ったのかな?」と下條が言うと、「ブルー・メデューサってオンナじゃなかった?」と財前が言った。
 「恐らく、兵隊が足りなかったんだろう。」となぎさが言い、「多分な。引き返せ、仕切り直しだ。」と、伝子の声が届いた。

 午前10時。EITO東京本部。司令室。
 「筒井。ガーディアンズで総力あげて、カメラを探してくれ。人数を確認したのかも知れない。」と、マイクに向かって、伝子は言った。
 「成程な。戦力の調整のためか。了解した。」

 「せっかちと聞いていたが、焦らす作戦か。」と、理事官は驚いた。
 「それだけならいいですが・・・。」と、夏目警視正は顔を歪めた。

 そして、3月4日。午前0時。
 Base book に、改めて挑戦状が載った。
 『さよなら神宮球場記念試合で会おう。In March 8th From B.M. To Denko』
 午前9時。EITO東京本部。会議室。
 「おねえさまの言う通りだったわね、なぎさ。美術館じゃ狭いもの。場所も場所だし。」と、あつこが言った。
 「中津興信所に、久保田管理官が『後方支援』を要請したよ。神宮は侵入しやすいからね。敵の仲間あるいは『幹』が見張りに来ているかも知れないから。不審人物の割り出しだ。」と、夏目警視正が、あつこに言った。
 「先日、美術館の周りには、わんさかカメラが配置してあったよ。大文字のヨミ通り。」と、筒井が、あつこに言った。
 草薙が入って来て、報告した。
 「山並から、こんなメールが届いています。午前0時。Redのメッセージです。」
 そう言って、マルチディスプレイにメッセージを表示した。

 『ブルー・メデューサは負ける。だから、私、インタラプト・ゲーマーの出番だ。』
 「文面からすると、割り込んで三つ巴戦する気はなさそうだ。今日勝っても油断するなって警告だ。理事官、夏目さん。ブルー・メデューサは病気かも知れませんね。それなら、バトルが延び延びなのは理解出来る。」
 「また、薬で縛られた幹部か。同情する訳じゃないが、酷いことをする。部下を薬で実験するなんて。」と、珍しく渡が憤慨した言葉を吐いた。

 「美術館の時、山並から入った報告によると、迷彩服が100着、ヘリが五機買い付けられています。」
 「草薙さん。大前さんに繋いで下さい。あ、河野さんの担当だ。」
 「了解。」司令室から、河野の声が聞こえ、マルチディスプレイに大阪支部の大前が現れた。
 「大前さん。ブルー・メデューサとの最終決戦です。『救援』願います。」
 「了解です。」
 「伝子ねえちゃん、皆で行ってええのん?」
 「ああ。全員で来い。」

 3月8日。午前9時。神宮球場。
 ブルー・メデューサの集団は、沢山のジープで乗り込んできた。
 迷彩服を着た集団は、どこかから操られたロボットのような感じだった。
 エマージェンシーガールズは、色んな武器を携えて闘いに臨んだ。
 敵は、機関銃・拳銃・火炎放射銃で向かってくる。
 なぎさのチームは、ペッパーガン、ウォーターガン、シューターでけん制し、四散あいた。
 ペッパーガンとは、胡椒・ガーリックなど台所調味料で捏ねた丸薬を銃弾にしたものを発射する銃である。
 ウォーターガンとは、液体窒素を使って、グミ状の水を発射する銃である。
 シューターとは、うろこ形の手裏剣で、先端にしびれ薬が塗ってある。
 あつこのチームは、ブーメランとフリーザーガンを巧みに使った。
 フリーザーガンとは、文字通り冷凍銃である。
 結城のチームは、バトルスティック、バトルロッドを巧みに使い分けた。
 バトルスティックは、チタン合金製の戦闘用棒であり、バトルロッドは、バトルスティックを3段変形出来るようになっっている。
 みちるは、三節棍で闘い、稲森は鞭を使って闘い、田坂のチームは弓矢をつがえ、ガルウィング越しのマセラティからの攻撃をした。柊は、バトルスティックを使って、『槍投げ』も、して見せた。

 そこへ、5機のヘリがやって来て、上空から機関銃を撃ち始めた。
 すぐさま、10機のホバーバイクがやって来て、ヘリに対峙した。
 ホバーバイクとは、民間が開発した『宙に浮くバイク』で、結局警察でも自衛隊でも採用あれなかったので、芦屋グループが協賛して開発を押し進め、EITOで採用、戦闘の他に運搬・消火に使っている。
 「待たせたなああ。」大前の声が鳴り響いた。
 ホバーバイク10機は、EITO東京本部大阪支部のEITOガーディアンズの主力だ。
 EITO大阪支部のEITOエンジェルズが、次々にオスプレイから降り立った。
 今度は、本隊とは別の方向から騎馬隊がやってきた。
 すると、予測していたかのように、久保田警部補率いる騎馬隊が対峙した。
 今回は、地震被災地に向かっている為、伝子はMAITOには応援を頼まなかった。
 MAITOとは、空自の部隊で、主に火災や地震の救援に向かう。
 だが、3機のオスプレイも。消火弾の用意はあった。
 消火弾とは、空自が開発した、超大型の『水風船』だ。

 本郷がランボルギーニを運転してきて、助手席の財前がEITOハープーンを発射した。
 ハープーンとは、『銛』のことである。

 白兵戦が始まった。
 闘いは3時間に及んだ。

 電動車椅子に乗った老婦人が現れた。
 泊が、伴走して、やってきた。
 老婦人は、白旗を持っている。
 インタラプト・ゲーマーの予言は当たった。
 中津達の乗った自動車は、神宮球場の選手出入り口に駐まった。
 「作戦、やめー!!!!!!!」伝子の声が、オスプレイを通じて響き渡った。
 中津が、電動車椅子に行くと、泊が首を振った。

 財前は、長波ホイッスルを吹いた。
 長波ホイッスルとは、犬笛に似た「サイレント・ホイッスル」で、「作戦終了」を意味する。
 敵の兵隊は、投降した。

 「中津さん、どういうことです?」と、愛宕は中津に尋ねた。
 「ブルー・メデューサだよ。彼女が。泊に時間を聞き、ここに連れて来てくれ、と頼んだんだ。」と中津警部が答え、泊が「自分から名乗りました。私がブルー・メデューサ。制限時間を過ぎたら終了させる積りだった、と言いました。」と言った。
 「本当におばあちゃん、だったなんて・・・。」と根津が涙を流した。
 愛宕、橋爪、西部は、帽子を取り、敬礼をした。
 エマージェンシーガールズもEITOエンジェルズも敬礼をした。
 「覚悟してたんやな。誰がせっかちやねん。」と、大前涙した。

 「総子ちゃん、ありがとう。」と、なぎさは総子を抱擁した。
 「長かったな、なぎさねえちゃん。ご苦労様。」とだけ、総子は言った。

 午後1時。
 片づけ隊を横目に見ながら、「なぎさ副隊長。府警から呼び出しあったから、とんぼ返りしますわ。」と、大前は言った。
 「ありがとうございました。『暴れん坊小町』さんもね。京都に帰るって聞いたわ。あつこに負けない警視正になってね。」
 そう言って、なぎさは、小町とも抱擁した。

 午後2時。EITO東京本部。司令室。
 「今日は、ウーマン銭湯に行くのかね。大文字君。」
 「レディース湯を予約しておきました。」と、伝子は理事官に応えた。
 「アンバサダー。愛宕警部からメールが来ました。ブルー・メデューサは、薬剤のカプセルを持っていたそうです。蛭田教授に解析して貰う、と久保田警部補が預かったそうです。」
 「やはり、ブルー・メデューサも薬漬けにされていたか。我々に後を託す積りで持っていたんだろう。」と、理事官は言った。

 午後5時。伝子のマンション。
 「で、お決まりのウーマン銭湯?」
 「いえ、お義母さん、レディース湯だそうです。」
 「どう違うのかしら?」
 「さあ?」
 「じゃあ、今日は予定変更して、お赤飯ね。」と、藤井は、綾子と高遠ににっこり笑った。

 ―完―

 ※今回の登場人物(順不同)
 大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。ロバートと婚約してから、姓を戻している。
 久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
 愛宕[白藤]みちる・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。あつこと警察学校同期。警視庁丸髷署からのEITO出向。警部補。
 中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。
 馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
 高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。
 高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。

 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
 青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
 伊知地満子一曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
 高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
 財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
 仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
 七尾伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
 大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
 新庄珠恵・・・元結城たまき警部。結婚と、『身バレ』の可能性から、名字だけでなく、下の名前も改名。警視庁は退職して、EITOに再就職。
 柊安江・・・元マラソンランナー、元やり投げ選手。EITOに就職。

 大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。
 藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣の住人。栄養士。モールで料理教室を開いている。

 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。

 --- ゲスト –---
 南部[江角]総子(ふさこ)・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
 大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
 足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
 石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
 宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
 丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。
 河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。走るのが速い。
 北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
 久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。
 小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
 和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
 中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
 海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
 来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。
 愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった(EITOガーディアンズ)。
 本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー(EITOガーディアンズ)。

 神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。呼び名は他のメンバーと違い、あだ名の「小町」で通っている。

 用賀[芦屋]二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー(EITOガーディアンズ)。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。
 用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。EITOガーディアンズ。
 今奈良リン・・・大阪府警巡査。EITO大阪支部に出向になった。

 久保田誠・・・警視庁警部補。あつこと共に、警視庁乗馬部所属でもある。