大文字伝子が行く


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
 ==EITOエンジェルズとは、EITOの後方支援部隊である。==========

 12月26日。午前9時。EITO東京本部。会議室。

 前日。午前0時。Base bookにブルー・メデューサのメッセージが載った。
 『メリークリスマスは、24日だっけ?From B.M. To Denko』

 そして、翌日。午前9時。EITO東京本部。司令室。
 「来ませんでしたね。」と、夏目警視正が言った。
 「大文字君は?」と、理事官が誰にともなく尋ねた。
 そこに、伝子が走って入って来た。
 「ケンに連絡をとって、確認しました。日本のメディアもSNSでも発表していませんが、那珂国南西部でクーデターというか、内紛があったようです。」
 「内紛?」「つまり、メデューサの兵隊が調達出来ない状況ではないか、と。」
 「取り敢えずは、今日は、バトルは無さそうだな。どうだろう?大文字君。午後から自宅待機、ということで。」と、理事官は言った。
 「異存ありません。原田、訓練場に行って、伝令してこい。」
 原田は驚いていたが、すぐに訓練場に向かった。
 「草薙さん、山並からは?」
 「何かを買い付けたとか、噂が飛び交っているとか異変があれば連絡があるとは思いますが、何も。」
 「じゃ、内紛で兵隊が集まらないから2便の挑戦状が来ない、と言ってやってくれ。」
 「了解しました。」
 闇サイトハンターこと山並郁夫は、伝子に出逢ってから、伝子の『私的情報機関』として調査・報告をしてくる。
 最初は鬱陶しいとも思った伝子だが、『頼もしい部下』として扱うようになった。
 なぎさ、あつこ、みちるが入って来た。
 「おねえさま。ウーマン銭湯、予約しておいたわ。森アパートの連中は大掃除があるから来られないけど。」と、なぎさは言った。
 ウーマン銭湯も、すっかりEITO御用達になった。
 名付け親は伝子で、凄惨な事件もあったが、今は芦屋グループが経営する、庶民的な入浴場だ。銭湯という名は残っても、LGBT騒ぎで、無理矢理入浴しようとする『自称女子』が一時増えたが、逸早く完璧な『防御システム』が組み込まれた場所で、誰でも予約すれば『女子』は、安心してくつろげる。
 久保田管理官がマルチディスプレイに映った。
 あつこが事情を話した。
 「了解した。どうしたものか、と皆で言っていたところだ。時差にしてはおかしいからな。いつかのように太平洋の向こうから発信していたとしても、バトルの日付がずれすぎだ。それでは。」
 マルチディスプレイから久保田が消えると、なぎさ達は、訓練場に戻った。
 「それはそうと、アナグラムはもう無しかな?高遠の出番がないぞ。」と筒井が冗談で言った。
 「大丈夫。主夫は忙しい。以前は、なぎさのパンティまで洗濯していたからな。何でもやる奴さ、私のしもべは。」
 理事官と夏目と草薙、渡、河野は聞かなかった振りをした。

 午後2時。伝子のマンション。
 少し早い『ティータイム』にして、高遠と伝子と藤井はシナモンティーを楽しんでいた。
 藤井の料理教室はもう、正月休みに入っていた。
 正月の話をしていて、柊の話になった。
 「柊隊員、辞めちゃわない?正月来ると思い出しちゃうわよね、EITOとの接近総合。」
 「藤井さん、接近遭遇ですよ。」と、クッキーを囓りながら高遠は言った。
 「本人次第だな。時間がかかると思うよ。愛し合った訳ではないが、幼馴染みらしいから。」と、伝子は応えた。
 「EITOでは、出向止めて、就職した者もいる。全て本人次第だ。社内恋愛も反対はしない。寧ろ応援する。」
 「それは、伝子さんが決めたの?」
 「ううん。理事官の方針。闘い以外では、あまり縛りたくない、って。」
 そこに、なぎさが現れた。
 ウーマン銭湯は午後4時の予約だ。
 伝子は着替えて、準備をした。
 「じゃあ、おにいさま。おねえさまをお預かりします。」
 「ごゆっくり。」
 2人が出て行くと、「なんで、おにいさま?」と藤井が尋ね、「おねえさまの婿様だから。」と、高遠が笑って言った。

 午後5時。喫茶店アテロゴ。
 辰巳が貼り紙を出している。
 『勝手ながら、12月27日から1月3日まで休業いたします。店主』と書いてある。
 「雪、あるのか?」
 「大丈夫だそうです、マスター。」
 辰巳と泰子は、スキー休暇だ。
 辰巳夫妻と物部夫妻は、別別に帰った。

 午後6時。久保田家。
 「では、お嬢様は、明日はお休みですか?旦那様。」
 「いや、一応自宅待機だから。何も進展なければ、今日みたいに半ドンじゃない?僕は『御用納め』したから、一日いるよ、千葉さん。」と、久保田誠は言った。
 「承知しました。」と、執事の千葉は頷いた。
 千葉は、あつこの執事であって、久保田家の執事ではない。
 だが、あつこの願いで、ずっと世話をしている。

 午後7時。愛宕家。
 夕食を採りながら、寛治は、みちるからのメールを読んでいる。
 『何時になるか分からないから、悦司の世話、お願いね。』

 午後8時。福本家。
 「なあんだ、そういうことか。」と福本は言った。
 「どういうこと?」と祥子が尋ね、伝子からのメールを読んだ。
 「じゃ、『葉っぱ』ちゃん達も『正月休み』かな?初詣、どうする?」

 午後8時。南原家。
 「なあんだ、そういうことか。」と南原は言った。
 「どういうこと?」と文子が尋ね、伝子からのメールを読んだ。

 午後8時。やすらぎほのかホテル。
 「なあんだ、そういうことか。」と依田は言った。
 「どういうこと?」と慶子が尋ね、伝子からのメールを読んだ。

 午後8時。服部家。
 「なあんだ、そういうことか。」と服部は言った。
 「どういうこと?」とコウが尋ね、伝子からのメールを読んだ。
 午後8時。山城のアパート。
 「なあんだ、そういうことか。」と山城は言った。
 「どういうこと?」と蘭が尋ね、伝子からのメールを読んだ。

 午後9時。伝子のマンション。寝室。
 「ただ今―、学。起きてる?」
 「それ、寝室で言う台詞?ご飯は・・・いいよね。お休み。」
 「こら!!起きろ!!世帯主のお帰りだ!!」
 「まさか、甘酒飲んでないよね?」
 「これから、違うモノ、飲む。」
 そう言って、伝子はドリンク剤を続けて3本飲んだ。

 高遠は、覚悟した。

 ―完―


 ※今回の登場人物(順不同)
 大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。ロバートと婚約してから、姓を戻している。
 久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
 愛宕[白藤]みちる・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。あつこと警察学校同期。警視庁丸髷署からのEITO出向。警部補。

 斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
 夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。

 草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
 渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。

 中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。
 馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
 高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。
 高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。

 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
 青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
 伊知地満子一曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
 高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
 財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
 仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
 七尾伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
 大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
 高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。EITOガーディアンズ。
 青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。
 馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
 井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。EITOガーディアンズ。
 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁警部。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。

 新庄珠恵・・・元結城たまき警部。結婚と、『身バレ』の可能性から、名字だけでなく、下の名前も改名。警視庁は退職して、EITOに再就職。

 河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
 原田正三・・・元新宿署刑事。警視庁警部。警視庁からEITO出向。

 藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣の住人。栄養士。モールで料理教室を開いている。

 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。

 物部一朗太・・・伝子の同級生。喫茶店のマスター。翻訳部の副部長だったので、高遠達後輩は、未だに副部長と呼んでいる。

 久保田誠・・・警視庁警部補。あつこの夫。家はあつこの所有だが、一応戸籍上は世帯主。
 千葉・・・あつこの執事。あつこが幼少の頃から仕えている。
 久保田嘉三・・・警視庁管理官。前EITO指揮官。
 辰巳一郎・・・アテロゴのウエイター。
 辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。
 物部[逢坂]栞・・・伝子の同級生。物部の妻。

 依田俊介・・・伝子の大学翻訳部後輩。元宅配便ドライバー。今は、やすらぎほのかホテル東京支配人。
 依田[小田]慶子・・・依田の妻。
 福本英二・・・伝子の大学翻訳部後輩。プロ劇団退団後、アマチュア劇団を主宰しながら、建築事務所に勤めている。
 福本[鈴木]祥子・・・福本の妻。福本の劇団員。
 南原龍之介・・・伝子の高校のコーラス部の後輩。高校の国語教師をしていたが、今は妻と学習塾を経営している。
 南原[大田原]文子・・・南原の妻。
 山城順・・・伝子の中学の書道部後輩。愛宕と同窓生。今は、海自の非常勤職員をしている。
 山城[南原]蘭・・・山城の妻。南原の妹。
 服部源一郎・・・南原と同様、伝子の高校のコーラス部後輩。シンガーソングライターだが、今は音楽塾を開いている。
 服部[麻宮]コウ・・・服部の妻。