朝日がカーテンの隙間から入ってきて、私は目が覚めた。

 あれ……? さっきまでユリウス様と話していたはずなのに。
 もしかして……。

「やっぱり夢よね……」

 まさかこんな場所まで来れるはずがない。
 会いたいって思いすぎて都合のいい夢を見ていただけね。

 そんな風に思いながらベッドから立ち上がろうとすると、ふとサイドテーブルに見かけないものがあるのに気づく。

「真珠のペンダント?」

 あ……これ、ユリウス様は以前お話くださっていたお母様の形見のペンダント。
 いつも首にかけていらっしゃって……じゃあ……。

「そっか……」

 夢じゃなくて本当に来てくださったのね。

 私はそのペンダントを握り締めると、胸の前に持ってきて大事に大事に想いを込める。
 もう一度会いたい。会わなきゃいけない。これを、私に預けてくださった大切なペンダントをお返しする。
 そのために私は聖女の秘密を知って、現代に帰る手がかりを探して帰る!


 すると、ディアナが私の部屋のドアをノックして尋ねる。

「ユリエ様、起きていらっしゃいますか?」