そんな風に考えているとふとユリウス様と話したある日のことを思い出した──


『ユリエ』
『なに? ユリウス様』
『前にあなたは私にどうして自分を信じてくれたのかって聞きましたね』
『ええ』
『もちろんあなたの行動や調査の手がかりで確信した部分もありますが、何よりあなたの目が助けを求めていた。だから私は何が何でも助けたいと思いました』


 あの時の光景を思い出しながら、そっと私は目を開いた。

『あなただけは必ず私が守ります』

 その後に力強く言われたその言葉を思い出して、胸が熱くなるのと同時に目頭があつくなって喉がツンとする。
 だめ、泣いちゃダメなのに。
 もう何日も会えてないことを思って、ユリウス様が恋しくなってしまった私はシーツをぎゅっと握り締める。
 それはぎゅっとしたらしぼんでいって、人のぬくもり存在しない。

「ユリウス様……」

 彼に会いたくて会いたくて、会いたくて、それでも会えない辛さで押しつぶされそうになった。


 しばらくしてようやくうとうとしてきた頃、何やら周期的な音が聞こえてくる。