私の謝罪をこれまた恭しく礼をしながら受け取ると、民衆の皆さんはそっと去っていく。

 その場に私とレオの二人になった瞬間、彼は急に怒鳴り出した。

「バカかっ! あれほど外には出るなと言っただろう!」
「申し訳ございませんでした……」

 私は目をぎゅっとつぶりながら頭を思いっきり下げる。
 ああ、これはもう怒られるだけじゃすまないな……拷問? いや、地下牢への幽閉?

「何してる」
「え?」
「行くぞ」
「怒っているのでは……?」
「怒ってほしいのか?」
「い、いえ!」

 街の方へと歩き出すレオに急いでついていくように小走りで駆け寄る。

「ふん、俺はお前を俺の女だと見せびらかせて満足だ」
「へ?」
「来い、一緒に祭を回ってやる。どうせここに来たかったんだろう?」

 一生懸命追いつくことに必死だった私は街に到着していたことに今まで気づかなかった。
 レオのほうへ顔を向けると、その後ろには風船や飾りつけで彩られた門があり、その向こうには皆が楽しそうに屋台のような店を巡って楽しんでいる。
 大人、子供、おじいちゃん、おばあちゃん。
 まさに老若男女問わず祭を楽しんでいるよう……。