「叔母上のことも心配です。アルベルトにも探ってはもらっていますが、なぜか消息がつかめません」
「わかった。何かわかればすぐに連絡をしてくれ」
「かしこまりました」

 すると、国王は優しい顔つきになったあと、私に向かって話し始める。

「ユリエ、王宮での暮らしで不自由はないか?」
「あ、はいっ! 皆様によくしていただいております!」
「そうか、何かあればすぐにユリウスに言っていいからな」
「ありがとうございます!」

 隣にいたユリウス様も私の方を向くと、「遠慮なく言ってほしい」と私に告げた。



◇◆◇



 謁見が終わると、私はユリウス様とお茶をするために彼の自室へと招かれていた。
 綺麗な模様のテーブルクロスの上にゆっくりと、紅茶とアフタヌーンティーのセットが置かれる。
 アフタヌーンティー自体は記憶の改ざんをされたときに嫌というほど王妃様としていたのでそのセットの豪華さは知っているが、改めてみると元の世界の私には縁のないもので少し構えてしまう。
 そんな構えた様子に気づいてか、私の目の前に座るユリウス様がにこりと笑いかけてくれる。