そしてユリウス様もまたアルベルト様のことをホントに信頼してることがわかる。
 挨拶が終わったところで、ユリウス様は国王に対して報告をはじめた。

「父上、先日申しました通りやはり隣国コーデリア国は何か企んでいる様子です」
「ああ、こちらでも確認した。アルベルト、コーデリア国の民衆の様子は?」
「はい、民衆はいつも通りの生活を送っております。ただ、民衆は自国の他国侵略を良く思っていないようで、侵略反対を掲げて王宮へと訴える者もいるようです」
「やはり、かなり暴走気味のようだな。以前はここまで無茶することはなかったが……」
「引き続き、アルベルトには密偵でコーデリア国に潜伏してもらおうと思いますが、いかがいたしましょうか」
「ああ、頼む。ただ、危険だと感じたらすぐに戻ってこい。いいな?」
「かしこまりました」

 アルベルト様は国王に跪き、胸の前に手を当てて頭を下げると、立ち上がってそのまま退室した。
 残った国王は深く腰掛けて座りなおすと、ひじ掛けに手を置いてふうと息を吐く。

「何が起こってるんだ」