私がユリウス様と婚約した半月後、ユリウス様は正式に王太子となり次期国王となることが決まった。
 このことは隣国を含めて各国に知れ渡ることとなり、クリシュト国は「これからも安泰だ」という評判がついた。

 一方、私の聖女召喚を含めた元王妃であるアンジェラ様の所業が隣国のスパイの手引きがあったことを知り、王宮内には緊張が走っていた。
 そのことについて私を含めた、ユリウス様、国王、そしてユリウス様の側近でいらっしゃるアルベルト様が謁見の間で話しあっていた。
 すると、ユリウス様は私のほうを見て一瞬微笑むと、アルベルト様を私に紹介する。

「ユリエ、会うのははじめてだったね。この者はアルベルトという。私の側近で密偵なども兼ねている」
「アルベルトでございます。よろしくお願いいたします」
「アルベルト様、はじめまして。ユリエと申します」

 深い青色の髪色にサファイアのような美しい瞳、そして長いまつ毛に私は息を飲んだ。
 ユリウス様も王子様らしく見目麗しいけど、彼もまた違った品格の良さがあって、そして何よりユリウス様への敬意を感じられる。