私も嬉しかったです、あなたと思いが通じ合えて嬉しかった、と素直に言えばいいのに恥ずかしくて言葉がうまく出ない。

「ユリエ、これからもあなたを好きになっていいですか?」
「はい、よ、よろしくお願いします」

 私は頭を下げながら照れてお願い受け入れるのがやっとだった。


 すると、そんな中に王の側近の方が部屋を開けて、ユリウス様に声をかけた。

「ユリウス様」
「な、なんだ」

 私もそうだったが、ユリウス様も突然の訪問者に驚きちょっと困惑している。

「やはり王宮魔術師のオレクは隣国のコーデリア国のスパイでした」
「──っ!」

 隣国のスパイってそんな……じゃあ仕組まれてたってこと?

「また、すでにオレクは牢屋を何者かの手引きで脱出しており、先ほど見たときにはもぬけの殻でした」
「そうか、アルベルトがまだ近くにいるはずだ。急ぎ連絡を取って隣国の様子を探って来るようにと伝えてほしい」
「かしこまりました」

 側近の方は部屋の外へと駆けていくとユリウス様は一瞬考える仕草をした後、私に声をかける。