現王妃様側の人間は皆おそらく第一王子を「王太子」と呼んでいた。
つまり、エリク様を第一王子と呼んだということは元王妃様側の人間……。
私はそっと手を当てて一つあくびをした。
すると、さらに執事長は今度手紙を自分の身体の前で広げてそっと私に見せた。
(『王宮書庫室で明日お待ちしております』)
私はため息を一つ吐いてYESの合図をすると、満足そうに笑みを浮かべて執事長は去っていった。
明日は王妃様と第一王子が外出する日だった──
◇◆◇
翌日、私は何度かおこなっているようにリアの目を搔い潜って王宮書庫室に行くと、そこには書庫室長と昨日部屋に来た執事長、そしてユリウス様が立っていた。
「お待ちしておりました」
私はそこにいる者たちの瞳の奥に何か自分のまわりにいた者たちと違う雰囲気を感じた。
「リーディア、あなたはもしや何かの術にかけられていましたか?」
「──っ!」
「ここにいる者たちは皆私の近しい者。王妃に告げ口するような人間ではありません」
ユリウス様は、私を安心させるようにそう言った。
(本当に彼を信じていいの?)
つまり、エリク様を第一王子と呼んだということは元王妃様側の人間……。
私はそっと手を当てて一つあくびをした。
すると、さらに執事長は今度手紙を自分の身体の前で広げてそっと私に見せた。
(『王宮書庫室で明日お待ちしております』)
私はため息を一つ吐いてYESの合図をすると、満足そうに笑みを浮かべて執事長は去っていった。
明日は王妃様と第一王子が外出する日だった──
◇◆◇
翌日、私は何度かおこなっているようにリアの目を搔い潜って王宮書庫室に行くと、そこには書庫室長と昨日部屋に来た執事長、そしてユリウス様が立っていた。
「お待ちしておりました」
私はそこにいる者たちの瞳の奥に何か自分のまわりにいた者たちと違う雰囲気を感じた。
「リーディア、あなたはもしや何かの術にかけられていましたか?」
「──っ!」
「ここにいる者たちは皆私の近しい者。王妃に告げ口するような人間ではありません」
ユリウス様は、私を安心させるようにそう言った。
(本当に彼を信じていいの?)