ある日の午後、私はいつものように自室でアフタヌーンティーをして一息ついていた。
手慣れた手つきでリアが給仕をしていると、執事の身なりをした見慣れないご年配の方がそっと部屋に入ってきた。
「執事長っ!」
リアが驚いた声をあげてその執事の元へと向かう。
「本日はわたくしが王妃様の命で紅茶の準備をしにまいりました」
「……王妃様のご命令ですか」
そんなことは聞いていないといった様子でリアは顔をしかめながら執事長とやり取りをする。
「はい、聖女様に極上の一杯を召し上がってほしいと」
「わかりました、お願いします」
リアはしぶしぶ納得した様子で道を開けると、執事長という方が私のもとへと歩み寄ってくる。
(執事長? 初めて見る顔。それに聖女様? なんのことだ?)
そう考えているうちに執事長はメイドに背を向けながらソーサーの下に何か手紙を挟んできた。
(──? 手紙? 『あなたは第一王子を愛していますか? YESならため息をひとつ。NOならあくびをひとつ』? 第一王子……? まさか……)
この違和感には覚えがあった。
手慣れた手つきでリアが給仕をしていると、執事の身なりをした見慣れないご年配の方がそっと部屋に入ってきた。
「執事長っ!」
リアが驚いた声をあげてその執事の元へと向かう。
「本日はわたくしが王妃様の命で紅茶の準備をしにまいりました」
「……王妃様のご命令ですか」
そんなことは聞いていないといった様子でリアは顔をしかめながら執事長とやり取りをする。
「はい、聖女様に極上の一杯を召し上がってほしいと」
「わかりました、お願いします」
リアはしぶしぶ納得した様子で道を開けると、執事長という方が私のもとへと歩み寄ってくる。
(執事長? 初めて見る顔。それに聖女様? なんのことだ?)
そう考えているうちに執事長はメイドに背を向けながらソーサーの下に何か手紙を挟んできた。
(──? 手紙? 『あなたは第一王子を愛していますか? YESならため息をひとつ。NOならあくびをひとつ』? 第一王子……? まさか……)
この違和感には覚えがあった。