ユリウス様は私の身体を少し離すと、頬に手を当ててくれる。
 大好きな人の手は優しくてあたたかい……。

「私は何度もユリエを危険にさらしてしまった。だから、あなたの傍にいる資格があるのか、ずっと悩んでいた」
「ユリウス様……」
「でも、あなたとまた離れて。こうしてまた会って。やっぱり思った」

 私の目を真っ直ぐに見つめて、ユリウス様は私に言った。

「好きです。あなたが、私もあなたが一番好きです」

 そうして私の唇に、彼の唇が重ねられる。
 サクラの木の下で、想いを伝え合うことができた。

 お母さん、私のこと見てて。
 ちゃんと大好きな人と未来を一緒に作っていくから。

「ユリエ、一生私の傍にいてくれませんか?」

 私はその言葉に一つため息を吐いて、彼の胸に飛び込んだ──


******************************

【ちょっと一言コーナーとお礼】
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!
ユリエちゃんとユリウス様の恋、そして短編では描けなかったお母さんとのお話など。
そしてレオとの出会いも描けました。