私はスープをそっと手前からすくうと、そのまま口元へと運んで飲み込んだ。
(この二人を怪しむ理由は最も私に近い存在だから。彼らが犯人だとしたら、現代から来た私と普通に接しているのも説明がつくし、彼らが犯人でない場合18年間の婚約生活の説明がつかない。ただ、私と同じように魔術師に記憶を改ざんされている被害者の可能性もまだ否定できない)
「そういえば、リーディアちゃん。エリクは優しくしてるかしら?」
「ええ、とても優しくしていただいております。先ほどもオルゴールという素敵なものをいただきまして」
「まあっ! あれいいわよね! わたくしもエリクに見せていただいたときはなんて美しい音色かしらと感心したわ」
「とても上品で王妃様の好みに合いそうでしたわ」
「エリク、今度わたくしにもいただけるかしら?」
「今度手に入ったらお渡ししますよ」
「待っているわ」
私はそっとメインのお肉にナイフを入れると、口に運ぶ。
なんて美味しいんだろうかと現代の生活を思い出したからこそ肉の質の違いがわかってしまうこの悲しさ……。
(この二人を怪しむ理由は最も私に近い存在だから。彼らが犯人だとしたら、現代から来た私と普通に接しているのも説明がつくし、彼らが犯人でない場合18年間の婚約生活の説明がつかない。ただ、私と同じように魔術師に記憶を改ざんされている被害者の可能性もまだ否定できない)
「そういえば、リーディアちゃん。エリクは優しくしてるかしら?」
「ええ、とても優しくしていただいております。先ほどもオルゴールという素敵なものをいただきまして」
「まあっ! あれいいわよね! わたくしもエリクに見せていただいたときはなんて美しい音色かしらと感心したわ」
「とても上品で王妃様の好みに合いそうでしたわ」
「エリク、今度わたくしにもいただけるかしら?」
「今度手に入ったらお渡ししますよ」
「待っているわ」
私はそっとメインのお肉にナイフを入れると、口に運ぶ。
なんて美味しいんだろうかと現代の生活を思い出したからこそ肉の質の違いがわかってしまうこの悲しさ……。