けど、そうしてこちらを向くと今度は強い視線で私を見つめる。

「だが、昨日のお前は違った。あんなお前の顔、見たことがなかった」
「あ……」

 そうか、昨日の事、レオ自身が見てたんだ……。

「嫉妬した。お前を今すぐ攫おうと思った。だが、お前のあいつを見る顔は……」
「顔は……?」
「なんて綺麗なんだろうって思った」
「──っ!!」

 ああ、真っすぐな人なんだ。
 レオは口は悪いけどやっぱり素直で優しい人だ。

「お前をさらった理由はもう一つある」
「え?」

 レオは私に静かに語り始めた──




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【ちょっと一言コーナー】
少しずつですが、更新を再開いたします。

【次回予告】
レオから告白を受けたユリエ。
そして明かされるコーデリア国の事情とレオの過去──

次回、『聖女の力(1)』。