神様へ

必死に生きる、私の話を聴いてください。

今日、テストの結果が返されました。必死に勉強したおかげで、学年内一桁をキープすることができました。

―調子に乗るな。
誰かの声。

調子になんか乗ってない。

プリントを床に落としてしまった男子がいたので、拾ってあげました。彼には、感謝されました。

―また猫かぶってるよ。
誰かの声。

一度もかぶったことなんてない。

私、頑張ってませんか。
こんなんだったら、駄目ですか。
まだ、足りませんか。

私はただ、誰かに認めてもらいたい。
そう思う瞬間があるだけなんです。

みんな、羨ましさがあるのかもしれない。
必死にやってる私を、少しだけでも羨ましいと思ってくれてるのかもしれない。

―でもそれは、嫉妬に変わってしまう。

嫉妬は時に、人の心に深く突き刺さります。
私にも、抜けないものがある。振り払おうとしても、振り落とされてくれないものが、確かにある。誰かが感情に身を任せ、私に突き刺したものが、ある。感情は、良いものだけじゃない。でもこの世の人間は感情に舵を切らせてしまう時がある。

自分がされて嫌なことは、人にしてはいけない。

私は、馬鹿です。
分かってるのに。私だって、嫉妬して、深々と誰かのことを切り裂いたことがある。そういうことだけは、はっきりと脳裏に焼き付いてしまう。

それなのに被害者ぶってる私は、馬鹿。

みんな、馬鹿。

そう思えてきちゃう。

人って単純だと思いませんか。

これ、お茶だよ、って言って水を飲ませたら美味しいどこの茶葉、とか言っちゃいそう。

だからね、神様。

私、この世のみんなが死んでても、なんもおかしくないと思う。

だって人は、単純だから―。

人は、0の状態でこの地球に投げ入れられたようなもの。

何も知らない状態で生き始めた。だから、生きるとか、死ぬとか、そういうの全くわかんないんだよ。みんな生きてるのなら、みんな死んでてもおかしくない。それでも人は、生きてる。

そんな〝人〟が、私は凄いと思う。

死んじゃうのに。全部無くなるときは必ず来るのに、必死になって、生きてる。

みんな、生きてる。

私は生きるのに必死になってない。認めてもらうのに必死なだけ。

どうせなら、必死に生きたい。

でも、わかんない。

生き方、わかんないよ。

もしも神様がいるのなら、神様へ。

神様、いますか。
空から、見てるんですか。
何も知らない人が神様は空にいるっていう風な印象をつけてしまったのかもしれないから、空にはいないのかもしれませんね。
私の謎の必死さに、お腹を抱えて笑っているのでしょうか。こんなに短く、感情に任せきりの手紙でごめんなさい。言葉と心は、イコールでは繋ぐことができない。だから、思ってること、全てを綺麗な言葉で表せない。

でも。

もしも、本当に。

もしも、本当に神様がいるのなら。

もう、神頼みしかできない腹痛にうなされている時にだって、神頼みなんてしません。これからのお賽銭は100円以上、絶対入れます。そして深く、頭を下げます。

そしてなにより、これ以上生きることに必死になれるように、頑張って生きます。

だから、お願いです。

私がこの世でもがいてる中で、最初で最後のお願いです。

この手紙が、宛先不明にならず、ちゃんと届いたなら、どうかこれだけ、教えてください。
本当に、これだけです―。

私の生き方、間違っていますか―。