昨日まで仲良く会話してくれていたクラスメイトたちは、周りでヒソヒソと私を遠巻きに見て噂話を繰り広げていた。

 気にしてないふりを装って話しかければ、答えてくれたかもしれない。でも、私にはそんな勇気がなくて、泣き出しそう。泣いたところで、誰も近寄ってはくれないんだろうけど。

 放課後まで誰かに話しかけてもらえることもなく、私は一人で黙って耐えて過ごした。スマホのメッセージには、相田くんから「ごめん」の一言が入っていたけど、私は返事を送ることさえできなかった。何を送っても、解決策にはならないとわかっていたから。

 家に着くなり、布団にこもって目を閉じる。全部が全部夢だったらいい。私は一人で凛と立つことも、過ごすこともできない臆病者だから。

 目を閉じてうとうとしているうちに夢を見た。ぼんやりと輪郭のぼやけた世界で、クラスメイトの遠堂くんに慰められる夢。