初恋が訪れた街がある
想い出がある
誰しもの胸に物語がある

セピア色に()せた記憶の片隅に
ほとばしる青春の息吹が眠っている

たぎる想いは
胸底から湧き出で
焦がし
切ない怒涛(どとう)となって押し寄せ
時にはしどけなく身悶えて()(むし)

旅立ちの歌を口ずさみながら振り返れば
置き去りにした足跡が
未来へと(かじ)を切っていたことに気づくだろう

もう迷わない

青春の悔恨を
狂おしく燃え盛る(ほむら)に変え
胸に灯したまま歩き続ける

新たな物語を紡ぐために