「よく考えれば、紫月と雫月って読み方一緒なんだな。」
反応遅っ!コイツもしかしたら鈍いのかな?
「同じだと紛らわしいだろ?玲夜、って言ってみろ。でなかったら、、」
「それだけは絶対にごめんです!なぜ初対面のオッサンにそんな事しなくちゃならないんですか!」
真面目にそう言ったはずなのに、彼は急に笑い出した。
「ふふっ、はははっ、くっ、はぁ、はぁ、っ死ぬかと思ったぞ。責任取れよ。」
何がツボったのだろう。今の発言には何処にも笑う所なんかないはずなのになぁ?
呑気にそんな事を考えていた私が馬鹿だった。
気づけば目の前に彼の顔があり、体がベッドに沈んでいて。
ああ、こんなよく分からない人に初めてを奪われるんだ。
頭ではそう認識していても、何故か抵抗が出来ない。
ただ彼の力が強いだけなのか、それとも目の前の彼の顔が切なげに歪んでいるからなのか。
やめて、と言いたいのに、体が震えて声が出なくて。


