目を覚ますと、目の前に男の顔が。
ベッドに寝かされているらしい。
上半身だけ起こして相手の顔を見る。
ついつい癖で殴ろうとするが、うまく手に力が入らない。
そんな私を見た男は、フッと笑みを溢す。
「バッカじゃねぇの、アンタ。」
アンタ、か。何とも失礼な言い方だ。
「私は、アンタ、じゃないわよ。ちゃんと名前があるから。」
「じゃあ名前を教えろよ。もちろんアンタからな。」
こ、コイツはなかなか手強い、、、
こういう時の対処法=素直に従っておく。
「・・・・・・・・・・・・。」
ダメだ。思い出せない。
普段めんどくさがっているツケはこういうところに来るんだなぁ。
「思い出せないのか?まだ寝ているんだろう。俺が起こしてやるよ。」
どうやって、という間も無く、私はベッドに押し倒されていた。


