兄が自分の人生を犠牲にしたことで手に入った自由。
それは自由なんかではなくて。
だけど兄に本音を言うこともできなくて。
1人で抱えきれない感情は、真夜中、クラスメイトと出会うことで変化していく。
ところどころ違和感が散りばめられていて、こちらがそれに気付くと、主人公と同じく“謎”に対する“答え”を探す。
それは青春ミステリのようで、一気に物語に引き込まれました。
また、本来なら綺麗事となり、覚めてしまいそうな言葉も、彼女が言うから、心からの言葉として伝わってくる。
彼女が必死に訴えている姿が目に浮かびました。
物語の展開、彼らの関係性。そのすべてが絶妙で、最後まで楽しむことができました。
2人が前を向いて進んでいきそうな締めくくりも素敵でした。