福岡に引っ越して、数ヶ月。
 僕は毎日悶々としていた。
 朝から晩まで頭から離れない。

 僕を悩ます少女が二人。
 同じクラスの森盛 マリナちゃんと植田 下子ちゃんのことだ。

 低身長のロリっぽい森盛さんもタイプだが、第二次性徴が凄まじいスレンダーな植田さんも捨てがたい。
 僕はいったい、どっちを選べばいいんだ!?

 そんなことで毎日授業なんて、頭に入らなかった。
「はぁ~」
 鼻をほじりながら、黒板をボーッと見つめていると……。

「こらぁ! 童貞! ちゃんと授業を聞いてるの!?」
 若い担任教師にげんこつで頭を殴ってくる。
 すごく痛いが、若くて美人の教師だから、なんだか得した気分。
「は、はぁ……すみません。へへへ」
 笑ってごまかす。

 すると、隣りにいた森盛さんが僕を見てクスクス笑っていた。
「童貞くんって、おもしろかね」
 僕を見て笑ってくれた!
 よし、もう僕は迷わないぞ。
 森盛さんと一生を添い遂げよう!
 そう決心したところで、チャイムが鳴る。

 次の授業は体育だ。
 運動会に向けてマラソンの練習をすることになった。

 僕は陸上部の長距離に所属していたから、正直、余裕だった。

 適当にグラウンドを何周かして、授業が終わるのを待つだけ。

「はぁ~ めんどくせぇ」

 鼻をほじりながら、ダラダラと走っていると、見慣れた姿が目に入る。

 森盛さんがしんどそうに僕の前を走っていた。
 彼女は帰宅部だから、マラソンはきついのだろう。
「はっ、はっ……」
 うん、声も可愛らしい。
 僕は余裕で彼女を追い越せる脚力を持っているが、彼女を後ろから見守っていたいと思い、スピードをわざと落とす。
(それにしても、森盛さんって……)

 ぷりんぷりん! と小柄なら身体とは対照的な大きなお尻が。
 安産型なんだな。
 着痩せするタイプか……。

 じーっと後ろから、左右に揺れるビッグピーチをながめる。
 ブルマのサイズが小さいのか、ピチピチにフィットしている。

「はっ、はっ……」
「ふぅ……」

 たくさんの生徒たちが、僕と森盛さんを追い抜かしていくが、僕はペースを乱さない。

 しばらくすると、周回遅れの子が見えてきた。

 今度は、細くて長い脚のスレンダーガール。
 褐色の肌が、なんともセクシーだ。
 小尻のブルマが小刻みに揺れている。
 植田さんだ……。

 参ったな。
 偶然にも、森盛さんと植田さんで、僕の前は塞がれてしまった。

 二人並んで、僕の前を走り続ける。
 かなりきつそうだ。
「はっ、はっ……」
「んっ、んっ……」

 ロリ体型に合わない巨尻、スレンダー体型に可愛らしい小尻。

 僕は左、右、左、右と……交互に首を振る。

「大きい方か、小さい方か……」

 はっ!? わかったぞ!
 森盛さんと植田さんは、僕を盗り合って、互いにケツを僕に見せつけているんだ!
 なんて、罪深い男なんだ……僕ってやつは。

 この二人、僕に尻を掘られ……ごほん!
 ベタ惚れで、尚且つ、一生を添い遂げたいんだな!