つややかな黒のロングヘアーが印象的な、可憐で清楚な女の子。
この子は確か、彼女の友人だ。
「あれ? 若葉じゃん。どうしたの?」
ワカバ、と桜ヶ丘さんに呼ばれた子は、「あ、梨歩」と返す。
(リホ……っていう名前なのか)
「ちょっと具合悪そうだったからつい、声かけちゃって」
俺、そんなふうに見えていたのか。
妄想していたなんてとても言えないが。
「え、そう? あたしはそんなふうに見えないけど。具合悪いんですか?」
いきなり話を振られて俺はテンパってしまう。
「え、あ、あの……まあ、そんな感じで……」
「アハハハ!」
笑われた。
「ちょっと梨歩!」
「絶対違うよ、若葉。だいたい具合悪い人がこんなにドーナツ食べに来るわけないじゃん」
俺のトレーにはもちもちドーナツのビターチョコと抹茶、オールドファッションのオリジナルにミートパイ、飲茶セットが並んでいる。しかもまだ全く手つかずだ。
「え、違うの?」
「それあたしに聞く? 本人に聞いてよ。ああ面白い、アハハハ……」
彼女は何に対して笑っているのだろう。俺のリアクションだとしたらちょっとショックだ。いや、かなり。
「あの、具合……悪いですか?」
さっきよりもおずおずとした様子で、ワカバと呼ばれた子は俺に訊く。
「まあ、さほど……でも、ない」
「アハハハ! 結局どっちよそれ!」
再び笑われた。
「え? やだ、何か……ごめんなさい、私……」
「若葉失礼すぎて面白すぎ! あとお兄さんのリアクションも最高にツボった!」
やっぱり俺のリアクションも含んでいたか。
「あ、いや。俺は別に……」
「ていうか、お兄さん。最近よく来てくれますね。学校が近くとか?」
何と、彼女から不意打ちのアクションが。
「まあ、そんな感じ――」
「アハハハ! さっきと全く同じ答えだし! やっぱ面白い!」
今のはそんなに笑うところだろうか。
「梨歩、店長さんが呼んでる」
「あ、ヤバ。喋り過ぎってまた怒られるわ」
「またって……」
「じゃあ仕事戻りますねー。また話しましょう」
「あ、はい」
桜ヶ丘さんはそそくさとレジの方に戻って行った。
この子は確か、彼女の友人だ。
「あれ? 若葉じゃん。どうしたの?」
ワカバ、と桜ヶ丘さんに呼ばれた子は、「あ、梨歩」と返す。
(リホ……っていう名前なのか)
「ちょっと具合悪そうだったからつい、声かけちゃって」
俺、そんなふうに見えていたのか。
妄想していたなんてとても言えないが。
「え、そう? あたしはそんなふうに見えないけど。具合悪いんですか?」
いきなり話を振られて俺はテンパってしまう。
「え、あ、あの……まあ、そんな感じで……」
「アハハハ!」
笑われた。
「ちょっと梨歩!」
「絶対違うよ、若葉。だいたい具合悪い人がこんなにドーナツ食べに来るわけないじゃん」
俺のトレーにはもちもちドーナツのビターチョコと抹茶、オールドファッションのオリジナルにミートパイ、飲茶セットが並んでいる。しかもまだ全く手つかずだ。
「え、違うの?」
「それあたしに聞く? 本人に聞いてよ。ああ面白い、アハハハ……」
彼女は何に対して笑っているのだろう。俺のリアクションだとしたらちょっとショックだ。いや、かなり。
「あの、具合……悪いですか?」
さっきよりもおずおずとした様子で、ワカバと呼ばれた子は俺に訊く。
「まあ、さほど……でも、ない」
「アハハハ! 結局どっちよそれ!」
再び笑われた。
「え? やだ、何か……ごめんなさい、私……」
「若葉失礼すぎて面白すぎ! あとお兄さんのリアクションも最高にツボった!」
やっぱり俺のリアクションも含んでいたか。
「あ、いや。俺は別に……」
「ていうか、お兄さん。最近よく来てくれますね。学校が近くとか?」
何と、彼女から不意打ちのアクションが。
「まあ、そんな感じ――」
「アハハハ! さっきと全く同じ答えだし! やっぱ面白い!」
今のはそんなに笑うところだろうか。
「梨歩、店長さんが呼んでる」
「あ、ヤバ。喋り過ぎってまた怒られるわ」
「またって……」
「じゃあ仕事戻りますねー。また話しましょう」
「あ、はい」
桜ヶ丘さんはそそくさとレジの方に戻って行った。



