君という夢を描いて

 前言撤回。

 ヤバい。これは、マジなやつだ。

 可愛すぎる。

「〜〜〜〜ッ!」


  俺の中で、何かが弾けた。


「ちょ、涼ちゃん!?」
「…………」

彼女の小さな肩ごと、俺は包み込むように抱き寄せた。

抑えられないくらいの、心の底から揺さぶられるような熱い衝動に。

俺は負けた。

「うんッ……りょ、ちゃ――」
そう言いかける梨歩の口を、俺は唇で塞ぐ。

止められなかった。

嫌がるかもしれない。

そう思うと初めの一歩すら躊躇していたというのに。


さっきよりも柔らかくて、熱い。


熱帯びた互いの呼吸が乱れるたびに、欲望が俺を支配し始める。


まずい、止めないと。
歯止めが効かなくなる。
でも、離れたくない。

離したくない。

(どうすれば……)



引き際がわからず躊躇していると、梨歩が俺の肩を押して体を離す。


「……ご、ごめん」
「いいの。続けて」
「へ?」
間の抜けた声が出てしまった。


「嬉しいの。涼ちゃんに求められるのが」

何だ。
何だ。

何だ、この妙な色っぽさは。


普段無邪気な梨歩が、こんな表情を見せるなんて思いもしなかった俺は、ますます翻弄されていく。


「本当に、俺でいいの?」
「涼ちゃんが、いい」


このまま小柄で華奢な梨歩の身体をきつく抱きしめれば、梨歩に無理をさせてしまうのではないかという不安もあった。でも、俺は心の何処かでそれでもいいと思っているような気がして――急に恐怖が俺の中に渦巻いた。
そして、これから起こそうとする行動を抑圧するように、まるで金縛りにでもあったかのような呪縛感に襲われる。

「……」

「涼ちゃん?」

「……あ、いや。えっと、な、何でも、ない」

どうすれば。
 どうすればいいんだ。