やりたいことはいくつもある。

行きたいところもある。

もっと二人の時間があるとすれば、泊りがけで旅行に行ったり、梨歩のライブも見てみたかった。
一度も叶わずここまで来てしまったのは、運命のいたずらとしか思えず、悔しさで視界が滲んだ。

俺の命はあと僅か。それを肌で感じるようになってきてしまっていた。

梨歩に会いたいのに、会いに行けない事が悔しすぎて。
せめてあの事故に巻き込まれなければ。


恨めしい記憶が蘇る。

でも、今更どうすることもできない。

そもそも、この病は怪我とは全く関係ない。それに、今回の怪我入院がなければ、俺は自分の病に気づかずもっと早くに死んでいたかもしれない。

それでも、一目会いたい思いが消えることはなかった。

会いたい。でも、今の俺を見れば、却って梨歩を不安にさせてしまうことは明白だ。
だから、ビデオ通話すらする勇気がなかった。

余命宣告の日まであと2週間。俺はある決断をすることにした。